深夜のサービスエリアで鴨サブレに出会った
鴨サブレをご存知だろうか。
ハトではない。カモだ。
12月の上旬、虚しさで脱け殻のようになった私は関西方面から夜行の高速バスに乗っていた。
前の席のオヤジが全開リクライニングモードで席を目一杯たおしてきた。これも自分の日頃の行いの結果だと思った。
全て忘れたくて、どエロい官能小説を読んだり、ラジオを聞いたりしていたら、バスが止まりサービスエリアの休憩タイムになった。
与えられた時間は15分。行き交う車に注意しながら小走りにトイレを済ませ、静まり返った売店に向かった。普通ならコーヒーなどを買うのだろうが、はじめて見るそれに心を奪われレジにむかった。
鴨サブレ... !?(帰宅後に撮影した写真)
深夜のサービスエリアにはYAZAWAがよく似合う。(小走りでバスに戻る中、こんな余裕はあった)
帰宅後、早速あけてみた。
あれ... ?
似ている...
ハト型のあちらさんにそっくりだ。
食べてみた。ホロホロしている。バターが強く感じられ鳩サブレよりも高級感が漂っている。
おいしい...
はじめましてだが、ものすごく好みの食感だ。
父親も「うまい、うまい」と言っている。ついこの前まで鳩サブレを「やっぱり旨いな」と言っていたクセにだ。圧倒的に鴨の勝ちと言っている。
製造元を調べてみた。
なんと井筒八ッ橋本舗だった。八ツ橋で有名なあの老舗だ。since 1805文化2年とある。
好きなラジオパーソナリティーの言葉だが、やっぱり世の中はまだまだワンダーに溢れている。鴨サブレに励まされた気がした。