グアテマラで地元湘南のアジ釣りを振り返る…
私が現在暮らしているグアテマラには、海がない。たぶん、ない。
それでも市場には魚が売っているのだが、全く食欲がわくものではない。活気がないのだ。山手線の夕方の車内みたいな感じだ。わからない例えだろう。
私の地元は神奈川県の平塚市。サザンや加山雄三で有名な茅ヶ崎は隣町だ。
そんな私も去年まで地元の海で魚釣りはやったことがなかった。
しかし、魚に縁がある人生を送ってきた。瀬戸内海の民宿で働いていたときに鯛を釣ったり、北海道の礼文島で毎朝ほっけの網外しの仕事をしながら、ひまがあれば、地元の漁師のおじちゃんたちと鮭釣りはしていたが、地元の海では未経験だった。
朝6時に待ち合わせをして船宿で代金を払ってから、海に向かった。見慣れた地元の風景も違うものに見えた。
放り出されそうな揺れの中、船酔いは思ったより激しかった。しかし、私はどうしても鯵が食べたかったのだ。自分で釣った鯵が。
朦朧とする意識の中、餌を檻のようなものにつめて、海に投げる。糸が止まったら、ぐるぐると引き上げる。(絵本のような語彙力の無さで申し訳ない。)それを繰り返した。
同乗していた女子グループはリバースぐったり祭りだった。朝はあんなに元気だったのにだらしがない。出直してこいと思った。私だって気持ちが悪いのだ。気合いが大事なのだ。
2時間くらい釣りつづけて、鯵3匹と鰯2匹と鯖一匹釣れた。初めてにしては上出来だろう。家から徒歩5分の海でこのような体験ができるなんて思いもしなかった。
やはり人生はまだまだワンダーだ。
このような体験を増やしていきたい。人生は思ったよりあっという間だということは、介護をしていた祖母から教わった。
いつかは灰になるのだ。楽しまないと。
鯵の刺身、食べたいなぁ…