『何者』をモラトリアム最終日に観た

こんにちは、えだまめです。

モラトリアム最終日、何か映画を観ようと思い、『何者』を観ました。

就活生を殺す映画と聞いていたので、就活が終わってから観ようと思っていたのですが、今日になりました。観終わってみて、就活中に観なくて良かったと、心の底から思いました。

『花束みたいな恋をした』の時も感じたのですが、『何者』も、なかなか殺傷能力が高い映画だと思いました。就活のシーンは当時の辛さをフラッシュバックさせるのに、充分なリアルさがありました。

唯一心癒されたのは、忘れらんねえよの楽曲が使われているシーンだけでした。

あ!柴田さんの曲を菅田将暉が歌ってる!

と、嬉しくなりました。あとは、登場人物が社会学部というところにも、親近感が湧きました。

しかし、それ以外は地獄。自己顕示欲の応酬に、胸が苦しくなりました。

この映画を観て、自己嫌悪が強い人ほど、自己顕示欲が強くなるのかなと思いました。昔国語の授業で習った、『山月記』の一節、『尊大な羞恥心と臆病な自尊心』を思い出しました。自分が嫌いという人ほど、その裏に、

こんなに苦しんでいる自分を認めて欲しい

という気持ちが無意識に潜んでいるんだろうな〜、と、自分のことを振り返っても感じます。

自己顕示欲はあるから、充実した日々をストーリーにあげたいし、友達にも自分との思い出をあげて欲しい。ましてや、タグ付け投稿されたらとても嬉しい。でも、自己顕示欲が強いことを、友達含めて他人には絶対に悟られたくない。あくまでさりげなく、日々の充実感を演出することにこだわる。きっと心が健康な人は、こんなこと考えたこともないのだろうな、と思います。

自分を認めて欲しいという気持ちが、擦れて擦れて擦れまくった結果、タクトは『何者』というアカウントで発散したのかな、と。

学生のうちに観たので、登場人物に共感しかありませんでした。滑り込みで観れて良かったです。

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