憧れる変態
好きなもの、と入力すると予測変換に好きだからしょうがないと表示された。
シンプルにいい言葉でありその通りだと今実感している。
このnoteでは好きなものをちまちま書いていこうと思っているが最初はこれにしようと以前から決めていた。
私がここで“伝える”上で目指している人物がいる。
その人は俳優であり歌手であり文筆家でもあるという多才な顔を持っており、自分がおもしろいと思ったことをとことん貫く。そして最大のポイントは自他ともに認める変態であることだ。
彼の名は星野源(敬称略)
きっかけはドラマ「11人もいる!」(2011年放送)に好きな芸人さんがちょい役で出演すると聞き視聴した際、彼は脇役で出演していた。地味であまり目立たない普通の人に見え(失礼)親近感が湧いた。格別イケメンでもないので(失礼)ちょうどいい人だと(何がだ)好感も持てた。
ドラマが終了してすぐに音楽家としての顔も知る。たまたまつけたCSの音楽番組で『フィルム』という曲のMVが流れていた。
あれ、この間ドラマ出てた人だと思ったのも束の間、映像のインパクトが強すぎて見入ってしまった。ゆったりとした曲調なのにゾンビがわらわらと出てくるシュールな演出。何これ…と思う反面クスッとしてしまう。歌も歌うんだ〜へえ〜という感じだった。
それ以降は特に触れる機会がなく、自分の中でなんとなく好きな芸能人として認知されていた。
程なくして彼はくも膜下出血で倒れ長い闘病生活を経て復活を果たすが、その時期について書かれたエッセイ『蘇える変態』を読み私は衝撃を受ける。
この人めちゃくちゃおもしろい。
演技して歌ってエッセイも書ける。そしてすべてにおもしろいが当てはまる人なんてずるい。けどかっこいい。なんだこの人、只者ではない。
すぐに出版されているエッセイを買い込み、アルバム『stranger』も購入。私は家まで待ちきれず車内で開封しオーディオにCDを挿入させた。
はい、好きーーーーーーーーー
星野源の虜になった瞬間だった。
1曲目は「化物」
まさに彼の歌だった。
それからの活躍はここに記す迄もないが、彼の好きから派生したおもしろいに対する飽くなき探求心は決して飾らず自然体で表現されており、好きなものをずっと好きだと言える姿は時々励まされた。
あんなにエロや下ネタを真面目に語り、それが妙に説得力があり、その上爽やかな人なんてなかなかいない。
おもしろいを極めきった時に世間から変態だ変人だと言われる、そんな人間かっこいいじゃないか。タモリさん(さすがに敬称略出来ないよ)に次ぐ人だと勝手に思っている。
そんな偉大なお二人に足元どころかエリアにも立ち入れられない私だが、才能がなくても好きなことをやり続けるというごく普通で当たり前な難題を、細々と黙々とひとりでニヤニヤしながら部屋の片隅でやっていきたい、な。
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私の頭の中はcrazycrazyであり、空虚な生活は地獄そのものだが、それがなぜ悪いと自身に問いかけ折り合いをつけたくなる時がある。世の中はばらばらで自分のことなんて誰も知らないし例えギャグであっても笑えないこともある。
同じことの繰り返しで狭いCubeに押し込まれている日々だが、ドラえもんのひみつ道具のような摩訶不思議な音楽がくだらないの中にある日常に溶け込み、脳内のフィルムに刻まれ、予想もつかない未来へのステップにさせてくれる時がある。夢の外へ連れて行ってくれるような凄まじい創造力は一体どこからやってくるんだろう。
Popなvirusに纏われたアイデアとひらめきの作品にこれからも恋をし、うちで踊り続ける。
今後の活躍も楽しみだぜ、源SUN