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住まいのサブスク「ADDress」、関係人口を株主として巻き込む国内初事例※のコミュニティラウンドに迫る

※国内初事例: イークラウド調べ(以下同様)

持続可能性が問われるいま、企業の本来のあり方が改めて見直されています。これからの時代に支持されるのはどのような企業でしょうか。

答えはどうやら「コミュニティ」の中に隠されているようです。

多拠点生活を叶える住まいのサブスクリプションサービス運営のADDressは2023年7月、株式投資型クラウドファンディング(以下、株式型CF)「イークラウド」にて「コミュニティラウンド」と銘打った資金調達に挑戦しました(海外では、株式型CFを使ってユーザー層などを株主に巻き込む調達を「コミュニティラウンド」と呼んでいます)。

コミュニティラウンド実施に合わせADDressは、佐別当隆志代表や有識者が登壇するトークイベントを開催。そのイベントで、「コミュニティ」とは何なのか、これからの時代の個人・企業の在り方と投資の形の関係性とはどんなものなのかについて、触れることができました。


株式投資型クラウドファンディング 募集開始2日で上限募集額に到達した「ADDress」

ADDressは、全国270か所以上(2023年6月末時点)の生活拠点に滞在できる「住まい」のサブスクサービスを提供しており、「多拠点生活」のパイオニアとして、新たなライフスタイルの在り方を提案しています。

ADDressは、株主として事業に参画してくれる仲間を集めることを目的に、イークラウドを通じてコミュニティラウンドを実施しました。2023年7月24日(月)19:30より投資申込みの受付を開始し、わずか2日で上限募集額かつ国内最高額※となる9,990万円に到達しました。

※イークラウド調べ(以下同様)


国内最高額にしてコミュニティラウンドの国内初事例

ADDressのイベントは7月26日、上限募集額に到達した日に東京都内で開かれました。

もともとは株式型CFの募集開始の説明会という趣旨でしたが、想像以上に9,990万円に到達するのが早く、上限募集額到達を報告する場となりました。

コミュニティラウンドの目的

今回、ADDressがコミュニティラウンドとして株式型CFを利用した狙いは大きく3つでした。

  • 会員・家守(ADDressの「家」の管理人)・家主・地域の方々に株主として参画してもらう

  • 新規株主が会員・家守・家主になるきっかけにする

  • 数百名の株主が自社の応援団に

佐別当氏:
株主が増えて大変だというのではなく、ADDressという会社のバックに数百名の株主が応援団となって、オーナーシップを持って関わってくれることは本当に心強いことです。その先の上場を目指す中で、ADDressの仲間として一緒に頑張って成長できればと思っています。

創業当初からこういったことにチャレンジしたかったのですが、法整備の問題や株主管理など仕組みが煩雑な印象があったため踏み切れなかったんです。そういった理由もあって、コミュニティラウンドの前身となるような形で、エンジェル投資家に少額ずつを出資してもらう形でこれまでも応援団を集めてきたという歴史があります。

今は法整備が整ってきたことや株主との契約がデジタルで完結するようになり、シード・アーリーステージ中心の資金調達手段から、ミドルステージ以降の資金調達手段にもなったと感じました。

また佐別当氏は、日本における株式型CFについて、

  • 日本ではコミュニティラウンドを利用した企業の上場事例がない

  • コミュニティラウンドで調達できる上限金額が1年間に1億円未満と米・英に比べてかなり規模が小さい

という課題感に触れ、日本でさらに規制緩和が進むことに期待を寄せました。

CFOから見たコミュニティラウンドの魅力

続けてADDressのCFO吉川氏が、今回のコミュニティラウンドを実施して感じた魅力を次のように説明しました。

  • 責任感と規律が生まれるきっかけ
    個人の方々からお金と想いを預かることによって改めて責任感と規律が醸成される

  • 調達オプションを複数持つことの財務戦略上の優位性
    日々変化する資金調達環境・事業環境の中で、スタートアップ企業として多様な調達オプションを持つことは安定した事業遂行のために重要

  • サポーターの輪=ADDressの事業を作る資産
    貸借対照表には数字として現れないが、ADDressの価値を作り、将来的な収益のドライバーになる資産となる

吉川氏:
今回、多くのサポーターの方々に支えられていることをコミュニティラウンドを通して改めて認識しました。今後このサポーターの輪がADDressが成長するうえで重要な資産になると感じています。


コミュニティラウンドは推し活、投資の新時代が到来?!

第2部では、佐別当氏のほか、ゲストであるジャーナリスト・佐々木俊尚氏、株式会社スマイルズ代表・遠山正道氏、モデレーターとしてkipples代表・日比谷尚武氏が登壇し、株式型CFのこれからや投資とコミュニティ形成について語りました。

多拠点生活とこれからの人生のつくり方

日比谷氏:
多拠点生活の魅力について教えてください。

佐別当氏:
自分自身、多拠点生活を続けているのですが、このところよく話すのは、優秀な人や面白い人は、最近は各地方にいるという話です。いわゆるローカルイノベーターという人たちに出会うことができるのも多拠点生活の醍醐味。東京では出会うことができないすごい人たちが色んな地方にいる。

ADDress以外のサービスも含めて自分に合ったスタイルで多拠点生活にチャレンジしてみてほしいです。

遠山氏:
これからの時代は、仕事・表現・拠点・人の中から2つ以上の要素を持って生きていくのが良いのではないかと思っています。私は、日本が世界経済の主役だったような、人生の8割が仕事という価値観の時代に生きてしまったが、これからはその割合がどんどん減っていくと思っています。だからこそ、自分の幸福、生き方を自分で設計しなければいけない時が来ていると感じています。

そういった中で、ADDressのようなサービスを使って多拠点生活をすることで、その時の自分の興味に従って関わる場所や人を渡り歩くことが仕事もそれ以外の時間にも新たな変化を与える良いきっかけになると思っています。

日比谷氏:
コミュニティラウンド、2日で上限額に到達しましたが、どう感じていますか?

佐別当氏:
たった2日で集まったのは、非常にシンボリックで時代の転換を感じています。こんなに簡単に、コミュニティが株主となってADDressに参加することができる。個人が10万円単位で株主になって一緒に成長してくれる。大袈裟ではなくて、これからの資金調達のメインストリームを変えてしまうかもしれないと思いました。それくらい、コミュニティのパワーを感じています。

自分の実現したいことと会社を重ね、お金を払ってでも所属したいコミュニティを見つける

遠山氏:
今後の会社は給料をもらうのではなくお金を払って社員になる時代。ミレニアル世代、Z世代を中心に、ある種の“成功”に対する嫌悪を感じることがあります。一人勝ちの世界観や何のために利益追求をするのかというソーシャルマインドを持った人たちが増えてきているように感じます。そういった時代に突入すると、企業の世の中における存在意義が素朴に問われていきます。

そして、その素朴な問いに答えられる企業は案外少ない。この会社、そのサービスがあれば地球にも私たちにも良いんだというものがあるなら、そこにはお金を払ってでも参加したい、仲間になりたいと思うような考え方になると思います。

誰にとっても良い企業は限られているけど、そこに関わって、自分自身の期待や実現したいことをその企業と上手く結合して生きていくと良いんじゃないかなと思います。

「応援したい」が投資の本質、コミュニティラウンドは究極の推し活

佐々木氏:
これまでの投資の考えだったら、上場しそうな会社を選んで投資するというのが普通だけど、ADDressのコミュニティラウンドに関しては、応援したい人が参加したという流れ。これこそが、投資の本質なんじゃないかと思うんですよね。

投資はもちろん儲かってこそという考えもあるが、その前にまずは応援したい、参加したいという考え方はすごく良いんじゃないかと思います。昨年、Web3の本を出したのですが、その中で私は、自立分散型、DAOみたなものって現実的でないよねって話をしていて。

ただ、唯一評価できる概念が一つだけあって、それがトークンエコノミーという概念です。誰でもトークンを発行できてそれを買った人が発行者を応援できるという仕組みなんですが、これってまさにADDressがやったことですよね。

「プロシューマー」という概念がありましたが、モノの消費者(コンシューマー)であると同時にモノを作る人(プロデューサー)のことを言います。

ただのコンシューマーは世の中にあるモノをただ消費するだけになります。そうすると、生きがいがなくなっていくんです。でも、人間は生きがい、社会に価値を与えているかどうかということが必要なんですよね。

“何のために生きていくのか”という点で、投資って結構重要なんじゃないかと思います。たとえば、推し活。あれは投資のようなものだと思うんですよ。

今は地下アイドルだけど、いつか有名なアイドルになるんだ。だからこの子を推して応援するために今5万円でトークンを買う。それで5年後、彼女が有名アイドルになったら5万円のトークンが50万円になるかもしれない。

それを換金してお金にしてしまうのも良いけど、そのトークンを持ち続けて、その子が地下アイドルの時から応援してたんだよって見せびらかすのも良いですよね。

そうやって応援する一つの象徴として投資する、そこにあわよくば金銭的メリットがついてくるとちょっと嬉しいなってなるのが、これからの投資の形なんじゃないかと思います。

つまり、全員がコンシューマーであると同時に全員がインベスター(投資家)でもあるような感じですよね。こんな言葉はないけど、インベストシューマー的な感じでプロシューマーの次の可能性として実は今の時代に出てきてるんじゃないかと思っています。

そういった意味で、今回のADDressのコミュニティラウンドは、お金儲けと同時に自己表現であり、推し活であるような、推し活民主主義の到来を感じさせますよね。

コミュニティの幸せこそが企業の目的。コミュニティとともに成長する「ADDress」への期待

佐々木氏:
今、多くの企業が自社の存在意義として、SDGsなどを掲げている流れがあるが、大抵の場合掲げているミッションと実務が伴っていなかったりする。そういった中で、実は今後の企業の目的って、株主も働いている人もユーザーも含めた全ステークホルダー、つまりコミュニティが幸せになることを追求していくっていうことなんじゃないかと思います。

コミュニティを大事にする、コミュニティ自体を目的にすることを掲げる企業もこれから増えてくるのではないかと思います。まずは初期のコアメンバー、今回で言うとこのコミュニティラウンドに参加してくれた数百名の株主を大事にしながらコミュニティも企業も大きく成長していくのが重要なんじゃないかと思います。

今現在、ADDressの類似サービスはたくさんあります。こういったサービスを単純にスケールさせるだけならとても簡単です。ただ、その先に待ってるのは単なるゲストハウスサービス。

そうではなくて、初期に集まった株主や既存のユーザー、家守の人たちを大事にしながらちょっとずつ大きくしていってほしいですね。ものすごいスピードでスケールを目指すんじゃなくて今あるコミュニティを大事に育てていくことでADDressの真の進化が見られるんじゃないかと思って楽しみにしています。

佐別当氏:
今回のコミュニティラウンドを通して、コミュニティの力をとても感じています。誤解を恐れずに言うと、株主になってもらったみなさんにいかにADDressの成長に協力してもらうかを本気で考えています

ADDressが本当の意味で、良い形で成長するにはコミュニティのみなさんにも良い形で事業に参加してもらいたいと思っています。小さいことから言えば、たとえば物件探しなども含めて今回集まった数百名のメンバーと一緒に考えたいし作り上げていきたいと思っています。その先に、一つの目標として一緒に上場を迎えられたら幸せです。


これからの企業成長に「コミュニティラウンド」という選択肢

イークラウドでは、株式型CFで資金調達をするメリットの一つに「会社やサービスのコミュニティ形成」があると考えています。

もし、世の中や社会を変えたいという会社の想いに共感し、熱狂してくれるファンがたくさんいたら、そしてそのファンが株主として事業を応援してくれたら...…。

そのコミュニティは、決して他社には真似できない競争力の源泉になるかもしませんし、会社が描いているビジョンやミッションがより早いスピードで実現するかもしれません。

コミュニティラウンドは、起業家の思いとそれを応援したいと考えるファンやユーザーをつなぐこれからの新しい手段だと思っています。

株式型CFを活用した資金調達についてもっと詳しく聞いてみたい起業家(起業準備中)の方は、こちらのフォームからイークラウドの代表・波多江とのお打ち合わせを気軽にご設定ください。

「ひとりひとりの想いをつなぎ、挑戦に力を」


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