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はじめての銭湯。

3歳の娘が、最近レジャー施設に行きたがるようになった。どうやら、公園以外にも楽しいところがあることに気付いてきたらしい。

連れて行きたいところも、経験させてあげたいことも山ほどあるが、コロナ禍でなかなか実現できていないのが現状だ。

ひとまず、図書館で借りた"パンダ銭湯"という絵本がなかなか面白かったので、銭湯に連れて行くことにした。

2歳になる前に、鬼怒川温泉に行ったことがあるが、近所の銭湯には行ったことがない。
というか、鬼怒川温泉のことはほとんど覚えていないらしいので、大きなお風呂に入るのは初めてと言っていいだろう。


ある土曜日の夕方、胸を踊らせながら自転車で10分ほどのところにある銭湯に向かった。
前日の夜に、またパンダ銭湯を読み聞かせて告知をしていたので、わくわくが止まらない。

着いて早々、鍵付きの下駄箱や番台の雰囲気に、娘のテンションは爆上がり。

息子は、夫と男湯へ。
娘は、番台のおばさんからジョウロのおもちゃを貸してもらい、女湯へ。

脱衣所では、風呂上がりのおばちゃんたちから、アイドルさながらの歓迎を受ける。娘は、おじちゃんおばちゃんが大好き。この年齢にして無条件で可愛がってくれることを知っている。

「あら、可愛い子がきたね〜。いくつ?」
「3歳!おばちゃんたちは、もうお風呂入った?〇〇ちゃん(娘の名前)はね、これから入るの!」
「幼稚園には行ってるの?」
「あのね、キラキラお星様(幼稚園の看板に星が書いてあるのでそう呼んでいる)の幼稚園に通ってるんだよ!」
嬉しくて嬉しくて、マシンガントークになる。

娘がおばちゃんたちから大注目されている中、わたしは少々恥ずかしい思いをしながら服を脱ぎ、浴室へ。

風呂桶と椅子を取ってから、どのシャワーにしようかな〜と笑みがこぼれる。シャワーの場所を決めるだけでこんなに嬉しそうにしてくれるなら、本当に連れてきた甲斐がある。

娘の髪を洗おうとすると、
「ちょっと待って!ママの髪洗ったげる!洗いっこしよ」と言われ、普段のお風呂ではしないことまでしようとする。
持参した試供品のシャンプーを見ただけで、「え、今日はこれ使うの?!」と、なぜだか嬉しそう。

2人とも洗い終わって、湯船に。
子どもにとっては深くて熱めのジャグジー風呂に入ると、「怖い怖い」とわたしから離れなかったので、ぬるめの岩風呂へ。
岩風呂には誰もいないのをいいことに、よーいどん!と端から端まで歩いたり、岩場に座ってみたり。

ひと通り初銭湯を楽しんで、着替えてから出ると、夫と息子はもうすでに待っていた。
まだ9ヶ月の息子と銭湯は、さすがにゆっくり入れなかったらしいが、男同士そこそこ楽しめたようだ。

2人目が男だと分かったときから、
「銭湯に行ったら、女同士と男同士に分かれて、それぞれ男湯と女湯の暖簾をくぐりたいね〜」なんて夫婦で話していたので、一応その夢は叶った。一応。

帰り際、無性にラーメンが食べたくなり、バーミヤンに寄った。銭湯でさっぱりしてから、安くて美味しいラーメンを家族で食べる..
なんて幸せなんだろう。
こんな世の中でも、楽しめることはいくらでもある。


そんな幸せを噛み締めながら、
初夏の夜の心地よい風を感じ、
ママチャリを走らせて家に帰った。

娘の初銭湯物語は、大成功。


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