目の前に広がるメッシュワーク(定点観察③)
先日、関わるクラウドファンディング関連企画で上田信行先生によるワークショップを開催した。
打ち合わせの段階で、上田先生が今回のプロジェクトから発想されたキーワードのひとつとして、インゴルドの「メッシュワーク」をあげておられた。
点と点が結びつく、のではなく線があらゆるところを通りながら他の線とも絡み合いながらまた続いていくイメージ。
日頃から代表の松田さんも、森づくりに関わる造園家の瀧澤さんも、木々が菌類と連携しながらコミュニケーションを取っている話をしてくださる。
わたしはこの話題を色々な方法で見聞きをしているけれども「頭で分かっている」という段階だった。
ワークショップ当日。
何気なく移動中に開いた本に書かれていたことにビックリ。
インゴルドは大きく影響を受けた人の一人が父親だそうなのだけれど、その父親は菌類学者だったそう。
インゴルドの書いていることを以前からなるほど、そうだなと思って読んでいたけれど、クラファンのベースとなる考えと繋がる。
すとんと腹落ちまでできた気持ちになったし、このタイミングで知る偶然の妙に少し感動。
そして、会場に向かうと、目の前に見えたのは今日の参加者でつくった鬱蒼とした新聞紙の「森」。
森の中に分け入って、座っているだけでニンマリしたくなる。
そして、その「森」の中で行われたのがタテタテヨコヨコのアート。
「森」で場ができあがり、全員がロール紙に向かってタテタテヨコヨコを書いているうちにそれぞれが夢中になる様子。
「森」の中にいる人々は思い思いにタテタテヨコヨコ…と線を描いているのだけど、どこかひとつの方向を目指すような、共同体のような。
不思議な一体感を感じた。
さっきまで、本で文字の二次元情報として読んだ「メッシュワーク」であり、今まで、見聞きしていた森や木々が土の中で張り巡らすWood Wide Webが三次元になって表れたような気持ちになって、体感が加わったような気持ち。
わたし自身は最初からこの場に参加ができなかったので、通常なら蚊帳の外の人。
しかし「森」は途中から来た余所者のわたしもすぐに受け容れ、わたしのペースでその場に加わることを許容してくれていたと思う。
きっと土の中でもこんな活動が起こっている。
わたしたちも、これから森を通してそれぞれの動きが繋がり交流することで、なにか大きな流れを起こしていけるような気がしたワークショップだった。
いよいよクラファンチャレンジ期間も残り一週間を切った。
少しでも森づくりに、一緒に巻き込み巻き込まれ合いながら関わり合える方にまだまだ出会いたいと思っている。
ご一緒にいかがですか?
今回のワークショップの最後に、上田先生が「We-ness(わたしたち感)」という言葉を出してくださった。
共に進むから立ち上がる、わたしたちのラインズがどんな線を描いていくのか。