泣いた話

※すごく汚い話です。ご了承ください。


辛いとか、悲しいとか、人は色々な理由で泣く。

私は子供の頃からあまり泣かない子供であったが、最近びっくりするぐらい泣いたことがある。

辛いとか、悲しいとか、そんな理由ではない。

ある下町の裏路地にたまたま見つけた小汚くて安いとんかつ店でメンチカツを食べたら油に当たったのか、酷い胃痛に見舞われた。

その日は元々頭痛も酷く、既に鎮痛剤を複数回飲んでいたのも影響したのか、胃を刺されているような鋭すぎる痛みを感じた。

しかし、胃痛は酷いが、やはり数時間もするとお腹が空く。

まあ大丈夫だろうと、家に帰って作り置きのカレーを食べた。

胃が重い。

食べることをこんなに不幸に感じたことが今まであっただろうか。

幼稚園児の頃、朝食に生ピーマンが出て、おえおえ言いながら「食べたくない〜」と泣き言を言っていたら「食べなさい!」と一蹴されたことを思い出した。

が、そんな比ではない。

胃に物が入るたびに人生がすり減っていった。

生きるために食べているのに、食べる毎に死にたくなる。

その後は嘔吐に次ぐ嘔吐だった。

「気持ちわりいー」

と言いながら、泣き喚いた。

誰に訴えるでもなく、とにかく喚き続けた。

人生でこんなに泣いたことがあっただろうか。

受験に合格した、とか、卒業式とか、冠婚葬祭とか、色んな節目を迎えても全然泣いてこなかった私がびっくりするほど号泣した。

私は元々ストレス耐性が低く、色んなことから逃げ回っている。

仕事が辛い、とか、誰かに会いたくない、みたいなことからは逃げられるが、自分の体調が悪いことからは逃げられない。

逃げられない辛さというのが一番過酷だと思う。

それに、私は普段、とても体調が良い。

普通にご飯が食べられるし、体も動く。

だから、少しでも体調が悪いことに耐えられないのである。

日本人の自殺は多いが、その中でも自身の体調を理由にしたものが多いそうだ。

確かに、あの瞬間だけでも死んだほうがマシだと思った。

それが一生続くとなったら私は生きて行けるだろうか。

やはり生きる上で一番大切なのは健康である。

よく寝て、適度に運動をし、体にいいものを食べ、宝くじを当て、一生嫌なことから逃げて暮らせたらいいのになあと思う。

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