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中小企業診断士試験の経済学・経済政策攻略法①~直前期は時事から導かれる分野の理論学習に注力を!~
閲覧ありがとうございます。経済学習スタジオです。
本回は、中小企業診断士試験の経済学・経済政策についてお話します。着眼点は、タイトルから想像できると思いますが、理論も時事的な観点を踏まえようというものです。
1.試験科目「経済学・経済政策」とは
まず、中小企業診断士試験における、経済学・経済政策の位置付けを知りましょう。
そもそも、中小企業診断士試験は年1回行われ、一次試験は概ね8月最初の土日2日間で実施されます。ここでは7科目課されます。単年もしくは三年以内にこれら全てに合格し、その後に行われる二次試験に合格すると、中小企業診断士試験合格となります(詳しい試験制度は実施団体HPを参照ください)。
そして、経済学・経済政策は、一次試験に課される7科目の1つです。例年25問100点となっていて、どの問題も4点です。60点以上が科目合格なので、15問正解が求められます(足切りは40点で、他の科目で点数取る場合は必ずしも60点ないといけないわけではありません)。
試験実施団体が公表している令和6年の試験範囲はこちらです。
![](https://assets.st-note.com/img/1705153833512-nxNta037wZ.png?width=1200)
ここから分かることは、満遍なくマクロ経済学やミクロ経済学が出ているということになります。また、下記のような統計データからの問題も2〜3問ほど出題されます。
![](https://assets.st-note.com/img/1705153893281-OfvDFDj7Rs.png?width=1200)
2.攻略に向けて①〜テキスト問題集一体型のススメ~
中小企業診断士試験が多科目であること、そして、二次試験には活かせない科目であることから、経済学・経済政策は、あまり時間をかけずに合格ラインにいきたいものです。
他方、この科目は、積み重ねが必要といわれます。つまり、前の単元が分からないと次の単元理解が難しいわけです。それだけ、理論体系がかっちりしています。「つまみ食い」で15問分の範囲をおさえる発想は避けた方が良いことになります。
むしろ対策には、体系だった説明を受けつつ、頻出単元の過去問演習ができる本で学習をするのがうってつけです。つまり、学問体系にそった解説と問題集が一体となっている本で素早く対応することが望ましいと言えます。
例えば、拙著で恐縮ですが、以下の本は望ましいと考えています。
![](https://assets.st-note.com/img/1708003023741-xTp8apUGXW.jpg?width=1200)
この本は、問題→前提知識の確認→解説となっており、問題の配列は体系を意識しています。したがって、この「前提知識の確認」を順番に読めばテキストにもなり、その知識はすぐに過去問で演習できるという形です。タイパよく習得できます。
ちなみに、経済学はマクロ編が5~600円×2冊を想定しているため1000円強で、マクロ経済学のテキストと問題集を手に入れてる形なので、コスパも良いかと思います(Kindle Unlimitedの方は無料で読めます)。
もちろん、すでに違うテキストと問題集を購入済みで、それで学習していてもそれなりに理解が進んでいる方は、継続を意識していただければと思います。使っているけど、しっくり来ない方は、お試しいただければ幸いです。
3.攻略に向けて②〜試験直接は時事を意識しよう〜
テキストと問題集一体型であろうが、別々でやろうが、試験直前に意識して欲しいことは時事です。
これは、上で掲出したデータ対応という面だけでなく、「理論においても」ということになります。なぜなら、次のような問題がでているからです。
![](https://assets.st-note.com/img/1705154192508-DVfV1l90bJ.png)
上の問題は令和3年度の試験問題なのですが、コロナ禍という時事を踏まえつつ、消費理論の問題として出題されています。もちろん、これは、コロナ禍の一時給付という珍しいことがあったからではありません。重要な経済政策が出されれば、その時事を踏まえて出題がされています。
例えば、下の問題は、平成29年度試験問題ですが、前年に行われた金融政策を取り上げつつ、マネタリーベースという用語の理解を問うています。
![](https://assets.st-note.com/img/1705154248242-3H4SuxqZiU.png)
このように、現実の経済政策等の時事要素を踏まえ、その関連となる理論上の理解ができているかを問うという特徴が中小企業診断士試験の経済学・経済政策にはあります。
ちなみに、例えば令和5年の試験前は物価上昇や、金融政策の変更が取り沙汰されていましたよね。そこを学習しておいた場合、2問ほどその関連問題が出ていました。
とはいえ、一度通しての学習をしておかないと(この論点だけを勉強しても)点が取りづらい積み重ね科目が経済学・経済政策なのだという点は留意しなければなりません。つまり、一夜漬け的な学習で取れるところを時事を分析すれば分かるというより、復習のウェイトを置く場所の目印にして欲しいという意味合いです。
4.おわりに
本回は、中小企業診断士試験の経済学・経済政策の攻略法として、テキストと問題集が一体となっている(テキスト部分がきちんと体系的な記述になっている)もので、タイパよくこなしつつ、試験直前期は時事を踏まえ、皆さんの受けられる年に出そうな理論にウェイトかける大切さを伝えました。
また、直前期には、私の考える重要経済時事と出そうな理論の紹介もしようと考えています。よろしければフォローしておいていただければ、幸いです。
効果的な学びになる一助となるような記事を書いていければと考えております。今後ともよろしくお願いします。
お読みいただき、ありがとうございました。
〜著者紹介〜
経済学習STUDIO
公務員試験・経済学検定・各種資格試験・大学編入の経済学・経営学系科目の情報発信をします。中の人は、大学や資格予備校で経済学を教えてきたミヤンです。自身も、公務員試験合格経験があります。2024年1月に出版した電子書籍はこちら。また、市販教材で独学で経済学を学んでいる方に、月額で質問し放題サービス(質問交換制)の「KIKIYASU経済学」を行っています。今後も、様々な学習ツールを整備していこうと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。