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推定売上100億円!?宿泊の革命児NOT A HOTELのビジネスモデルを大解剖!

こんにちは、Daishoです。

今回は、現在日本で最も成功しているWeb3サービス「NOT A HOTEL」のビジネスを解き明かしていきます。

ホテルや車、ワインやサウナなど現実世界の資産とWeb3をつなげたい!

という方にとって、NOT A HOTELはお手本となるビジネスモデルです。

このnoteを通じて、そのビジネスモデルを理解し、ぜひご自身のビジネスに役立ててみてください。

想定読者

  • NOT A HOTELのビジネスモデルを知りたい方

  • RWA(リアルワールドアセット)の事業に興味がある方

  • NOT A HOTELを定性的な分析noteを読みたい

厳密な会計の数値から事業を定量的に分析したnoteではありません。
あくまで独自に定性的に分析したnoteですので、詳細なデータに基づいた分析を読みたい方には適しません。予めご了承ください。

このnoteで解決できる課題

  • NOT A HOTELのビジネスモデルが図解でカンタンにわかる

  • NOT A HOTEL NFTの仕組みと何がすごいか?がわかる

  • NOT A HOTEL DAOのビジネスモデルが図解でカンタンにわかる

  • NOT A HOTELが伸びている本当の理由がわかる

NOT A HOTELとは?

NOT A HOTELは、ホテルとしても利用できる住宅を開発する会社です。

この独自のビジネスモデルにより、オーナーは購入した物件を別荘として利用するだけでなく、利用しない期間にはホテルとして貸し出して収益を得ることができます。

この仕組みの大きな利点は、ホテルとしての運営をNOT A HOTELが全て管理するため、オーナーは手間をかけずに収益を得られる点です。

さらに、NOT A HOTELは一棟単位での物件購入だけでなく、
所有権を30日ごとに分割する共同購入も提供しています。

このため、富裕層にとっては節税対策としても有効な
資産運用手段として注目されています。

【図解】NOT A HOTELのビジネスモデル

NOT A HOTELは天才的なビジネスモデルをしています。

買い手よし、売り手よし、世間よしの「三方よし」のビジネスモデルだからです。

これを1つずつ解き明かしていくことで、
自分でビジネスを作る際に必ず助けになること間違いありません。

収益が発生するポイントは4つあります。

①NOT A HOTELを売るときの販売利益

これマジでやばい仕組みでして、

NOT A HOTELは物件の図面をCGで作り、完売してから建築するため利益が確定した状態で建設・販売しています。

NOT A HOTEL側も、買った人も損する可能性がほぼないんですね。

NOT A HOTELとしては、

MakuakeやCAMPFIREのような
商品購入型のクラウドファンディングみたいなもので、
お金を先に集めてから商品を作ります。

つまり、先にお金をもらうことができるため、
手元の現金(キャッシュフロー)を安定させながら
ほぼ利益が確定した状態で、建築を進めることができるのです。

買った人も、

自分以外のオーナーが確定する。

つまり、ある程度の需要が確定した状態で購入ができるのです。

また不動産は節税として用いられることもあり、
利益を出す以外にもメリットがあったりします。

②月額の管理費

いわゆる、サブスクを導入しています。

サブスクはNetflixやAmazon Primeでも導入されており、
積み上げていくと毎月の収益予測が立てやすく、
安定しやすいビジネスモデルとされています。

NOT A HOTELの場合は、販売金額の3%の管理費にしています。

以下はNOT A HOTEL CEOの濱渦さんの管理費に関するツイート↓

例えば、

オーナーが3000万円で年間30日分の所有権を購入したとすれば、
3%分の90万円が管理費としてかかってきます。

NOT A HOTELの場合、1つの物件あたり360日分の所有権を販売しているので1人のオーナーが30日分買うと仮定すると、オーナーが12人いることになります。

つまり、年間の管理費として入ってくる収益は

90万円×オーナー12人 = 1080万円

です。

オーナーが使用しないでNOT A HOTELに買い取ってもらった日数分の管理費はオーナーに還元する仕組みになっています。

1080万円がそのままNOT A HOTELの収益になることはありませんが、管理費だけで莫大なキャッシュを安定して獲得することができるようになっています。

③オーナーから買い取った空室をゲストに貸し出すときの利益

前提、NOT A HOTELのオーナーは、使わない分をNOT A HOTELに買い取ってもらうことで、ムダなく収益を発生させることができるようになっています。

逆にいうと、NOT A HOTELは、オーナーから買い取った分の使用権をNFTにして宿泊チケットとして宿泊したい人に販売することで収益を上げています。

例えば、

3000万円で年間30日分の所有権を購入したオーナーが、

「年間で10日だけ使いたい!」とします。

でも「20日分の利用する権利が残ってもったいない!」ということで、

NOT A HOTELはこの20日分の利用する権利を買い取ります。

買い取った20日分の利用する権利を、NFT宿泊チケットとして宿泊したいユーザーに販売することでNOT A HOTELは収益を上げています。

この仕組みは、いわゆるサブリースです。

オーナーが物件を購入し、サブリース業者に貸し、サブリース業者が入居したい人に又貸しするビジネスモデルです。

オーナーは、家賃収入が80~90%になる分、
空室分の家賃保証をしてもらえるため、
空室で収益が入ってこないリスクを減らすことができます。

一見オーナーにとっては良さそうに見えます。

しかし、上手い話にはリスクはつきものです。

サブリース業者や物件の需要が安定していれば家賃収入は確保できます。

しかし、サブリース業者の業績が悪化したり、
物件の需要がなくなれば必然的に
家賃収入や家賃保証がなくなる可能性があります。

不動産業界で「サブリース」と聞くと、
「詐欺だ!」と声高に上げられることもあります。

実際、消費者庁で注意喚起がされており、
リスクと照らし合わせて検討する必要があります。

NOT A HOTELもモデルとしては同じです。

NOT A HOTELの業績が安定すれば、オーナーが使わない分をNOT A HOTELに買い取ってもらうことで、ムダなく収益を発生させるモデルは維持できそうです。

オーナーになる場合は、慎重に検討する必要がありそうです。

④付帯サービスの収益

NOT A HOTELでは、他のホテルサービスと同様に
滞在時に食事やワイン、その他の付帯サービスをつけることができます。

NOT A HOTELはこの付帯サービスからも収益を上げています。

NOT A HOTEL NFTの仕組み

「オーナーは高すぎ!でも泊まりたい!」

そんな需要に応えるためにNOT A HOTELでは、
メンバーシップ制度を作っています。

メンバーシップの権利は47年分で1泊あたり約3万円のNFTで販売され、
以下のような流れで宿泊することができるようになります。

①メンバーシップNFT(1泊~3連泊)を購入する
②メンバーシップNFTを購入後、毎年宿泊する日が指定される
③宿泊する日の3ヶ月前に、今年泊まるNOT A HOTELの部屋が決定
④部屋が決まったら、マイページの「THE KEY」より宿泊予約を行なう
⑤宿泊当日、NOT A HOTELアプリを部屋の鍵として利用する

このNFTを分析してみると、
驚くべき仕組みがわかってきたので共有します。

【ヤバい仕組み1】メンバーシップNFTでキャッシュが先に入ってくる

NOT A HOTELメンバーシップNFTは3種類あります。

  • MEMBERSHIP S(1泊)

  • MEMBERSHIP Y(2連泊)

  • MEMBERSHIP X(3連泊)

これらを事前に購入することで宿泊が可能になります。

引用:https://notahotel.com/nft

ちょっとしたことですが、これ本当に天才的な仕組みです。

NOT A HOTELはメンバーシップ制度を導入することで、
宿泊者を事前に確保し、把握もできるので、

  • 宿泊者の安定した確保

  • 先にお金を回収できるのでキャッシュフロー安定化

  • 年間でどのくらいの宿泊部屋をいつ確保すればいいか?

  • 宿泊による収益がどのくらい見込めるか?

これらが全部丸わかりになります。

何がいいかって、キャッシュを先に持てると
別の投資に回せたり、経営が安定しているとみられやすく、
融資などの武器になります。

ビジネス上、超有利です。バグです。

【ヤバい仕組み2】NOT A HOTELが場所と日付を全部決めちゃう

「これマジですごいわ…」

と思わず唸ってしまった仕組みです。

ここで少し確認をしてみましょう。

NOT A HOTELにはちょっとした欠点があります。

  • オーナーが年間使用分を全部利用したら、メンバーシップが泊まる分の部屋が確保できなくなる可能性がある

  • ゴールデンウィークや夏休みなど旅行シーズンで需要が偏る

  • さらに需要に応じて、時期による価値が変わる

  • 人気の物件の需要が高くなりすぎて取り合いになる

  • 不人気の物件で収益が上げづらくなる

オーナーの使いたい日がどのくらいあるか?や時期ごとに需要が変わるので、使用されない日や収益の上がらない物件がムダに出てきてしまうのです。

それを解決したのがこの仕組み。

「NOT A HOTELが場所と日付を全部決めちゃう」

そうすることで、オーナーの利用日を把握しているNOT A HOTELが、
宿泊者を各物件に均等に割り振るので、使用されない日や収益の上がらない物件などのムダが発生しにくくなります。

「いやいや、場所も日付も決められちゃうのは不便すぎるでしょ」

と思った方もいるでしょう。

ここはNOT A HOTELも抜かりありません。

注目して欲しいのは、

・毎年宿泊する日が指定されたメンバーシップNFT
・実際にその年に宿泊できる権利がついたNFT(THE KEY NFT)

が別になっている点です。

毎年宿泊する日が指定されたメンバーシップNFT
実際にその年に宿泊できる権利がついたNFT(THE KEY NFT)

上記のNFTは、2次流通やプレゼントが簡単にできます。

これにより例えば、

8/1~8/2泊まれるメンバーシップNFTを持っており、
今年は沖縄に宿泊が決定し、
宿泊の権利がついたTHE KEY NFTが発行されたとします。

しかし、8/1~8/2は用事があって沖縄にどうしても行けない。

そんな時に、OpenseaなどのマーケットプレイスでTHE KEY NFTを販売することで、宿泊の権利がムダになることがなくなります。

逆にマーケットプレイスで都合が良い日付のTHE KEY NFTで買うこともできます。

「今年は泊まりに行けなかったな…」

と後悔することもありません。

このように、

あえてNOT A HOTELが場所と日付を全部決めることで
NFTの売買を促すことができているのです。

さらに運が良ければ夏休みやゴールデンウィークに日付が指定されたメンバーシップNFTを受け取ることができるかもしれません。

その場合は、需要の点から高めの値段で売買することができるかもしれませんね。

あ、言い忘れてたんですが、あえてNOT A HOTELが場所と日付を全部決めちゃうことで、実はもう一個やばい仕掛けをしてます。

「麻薬のように習慣化が一瞬でできる仕掛け」です。

どういうことかというと、

あえてNOT A HOTELが場所と日付を全部決めちゃうことで、
指定された日が、ある種の毎年欠かせないイベントとなります。

誕生日や記念日のように、
絶対参加するイベントとして他のスケジュールを調整する。

みたいなことが発生します。

つまりNOT A HOTELのメンバーシップになった瞬間、
麻薬のように一発で習慣化されるわけです。

これがNOT A HOTELの「麻薬のように習慣化が一瞬でできる仕掛け」です。

【図解】NOT A HOTEL DAOのビジネスモデル

NOT A HOTELは最近、DAOを作りました。

このDAOは、RWA(リアルワールドアセット)を使ったDAOの
1つのモデルとなりうる可能性を秘めています。

以下、そのモデルを解説していきます。

NOT A HOTEL DAOは以下の手順で進められます。

①NOT A HOTEL COIN(以下NAC)の暗号資産を取引所で購入
②NAC購入で集めた現金でDAOがNOT A HOTELの物件を購入
③トークンホルダーがDAOにNACを一定量レンディング
④レンディングしたトークンホルダーはDAOが購入した物件の宿泊権を得る

このDAOは

「みんなで集めたお金で物件買って、みんなで使おう!」

という目的で作られています。

共同所有とは違いますが、共同利用できる点で、
ある種の分散っぽさを実現しているようです。

また、NOT A HOTEL DAOは他にも面白い仕組みがあります。

【ヤバい仕組み1】NACでキャッシュが先に入ってくる

いわゆるトークン調達です。

NACを取引所で販売することで、株式のようにキャッシュを先に受け取ることができるようになります。

しかし株式を渡して調達するエクイティファイナンスと違って、

トークン調達では、

株式を希薄化させずにキャッシュを調達できる点で非常に優れています。

他にも通貨発行益(シニョリッジ)をインセンティブに
様々な人の協力を得られる可能性があるといったメリットもあります。

エクイティファイナンスとトークン調達の違いは別のnoteで詳しく解説しますが、株式を希薄化させずにキャッシュを調達できる革新的な仕組みと言えるでしょう。

【ヤバい仕組み2】NACのレンディングでキャッシュやNACを還元する利息ではなく宿泊権を得る

イーサリアムなどの一般的なDAOでは、
レンディング(厳密にはステーキング)すると数%のETHが還元されます。

国債なども同様で、
日本円で日本の国債を買うことで数%の利息を得ることができます。

対して、NOT A HOTEL DAOでは、
レンディングの対価として宿泊の権利を返しています。

権利で還元することで、
DAOとしては手元キャッシュの放出が減ります。

そのためキャッシュフローを安定させることができ、
サービスの向上へ更なる投資を行うことができる可能性が高まります。

NOT A HOTELに限らずですが、
魅力がなくなるとNACのレンディングもされず、
キャッシュも入ってこなくなるため運営が難しくなります。

NOT A HOTELは、先にキャッシュを得る仕組みをたくさん作っているので、
積極的に投資ができると考えられます。

その点で、NOT A HOTELの価値を向上させやすい仕組みといえます。

【ヤバい仕組み3】レンディングで1年間ロックしてNACの価格を維持する

1年間ロックすることでトークンの価格を維持する仕組みも入れています。

ここでトークンがロックされる場合とロックされない場合を考えてみます。

例えば、NOT A HOTELが全体で1000NAC発行したとします。

ユーザーが100NAC購入してレンディングをします。

このNACがロックされない場合、

ユーザーが100NACを市場で自由に売買できるため
市場に流通するトークン数は1000NACとなります。

ユーザーの100NACが1年間ロックされる場合、

ユーザーが100NACを1年間ロックによって市場で売買できないため、
市場に流通するトークン数は900NACとなります。

このとき、
ロックされない場合の市場に流通するトークン量 1000NAC
>ロックされる場合の市場に流通するトークン量 900NAC

つまりロックされる1年間は、市場のトークンの供給量が少なくなります。

供給量が少なくなると、需要と供給の観点から価値が上がります。

そのため、1年間ロックすることでトークンの価格を維持することができるようになる可能性が高まります。

NOT A HOTEL DAOも同様にトークンを1年間ロックする仕組みで
トークンの価格を維持する狙いがあると考えられます。

実際に調査して分かったNOT A HOTELが伸びている本当の理由

ここまでNOT A HOTELの革新的なビジネスモデルを解説してきました。

  • 買い手よし、売り手よし、世間よしの「三方よし」のモデル

  • NFTの強みを余すことなく生かした宿泊券の仕組み

  • 先にキャッシュを手にする多種多様な仕掛け

  • トークンの価格を維持するための仕組み

緻密に設計された非常に優れたビジネスモデルであると言えるでしょう。

実際、NOT A HOTELのビジネスモデルで注目されており、
RWA(リアルワールドアセット)の1つのロールモデルとなっています。

しかし、1つ驚くべき事実をあなたにお伝えします。

NOT A HOTELが成功しているのはビジネスモデルがすごいからではありません。

私も実際に調査するまでは、ビジネスモデルがすごいから成功したのだとばかり思っていました。

しかし実際調査してみると、自分の考えがいかに浅かったかと反省しました。

それほどまでにNOT A HOTELが成功した理由は表面では見つけることができない、とある点でした。

NOT A HOTELが成功している本当の理由は、

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