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バフェット指数の問題点


巷ではバフェット指数を根拠に、今現在の株価指数が前代未聞の巨大バブルであると説く人たちがいますが、バフェット指数は本当にそれを示しているのでしょうか。以下ではバフェット指数の問題点を説明します。


バフェット指数とは


バフェット指数(Buffett Indicator)は、株式市場の総時価総額を国内総生産(GDP)で割った値を指し、株式市場が過剰評価されているかどうかを判断するための指標として使用されます。具体的には、この指数が高い場合、株式市場が過大評価されている可能性があり、低い場合には過小評価されている可能性があるとされます。しかし、バフェット指数にはいくつかの弱点があります。以下にそれらを詳しく説明します。

※ ちなみにこの指数はバフェット本人が作ったものではありません。彼は、あるインタビュー記事で、株式市場の時価総額をGDPで割った値が株式市場全体の価値を評価する上で非常に有用な指標であると述べました。この発言がきっかけとなり、「バフェット指数」という名称が広まりました。バフェット氏の名前を冠することで、指数の信頼性や重要性が強調され、投資家や経済アナリストの間で一般的に使われるようになりました。


米株のバフェット指数の推移


右軸は、米株の時価総額がGDPの何%かを表しています。


問題点


1.GDPの測定方法による制約

GDPは国内で生産された財やサービスの価値を測定する指標ですが、必ずしも株式市場の活動と直接的に関連しているわけではありません。特に、グローバルに活動する企業が多い場合、国内GDPだけを基準に株式市場の評価を行うことは適切でない場合があります。


2.企業の国際的な収益

 大企業、特に多国籍企業は、収益の大部分を国内ではなく、海外市場から得ています。これにより、バフェット指数が株式市場を過剰に評価する可能性があります。GDPが国内生産を基準にしている一方で、株式市場の時価総額には海外の収益も含まれているため、このギャップが生じます。


3.金利とインフレ

バフェット指数は金利やインフレ率を考慮していません。低金利環境では、企業の将来の収益の現在価値が高まり、株式の時価総額が上昇する傾向があります。この結果、バフェット指数が高くなることがありますが、これは必ずしも株式市場の過大評価を示すわけではありません。

もう少し詳しく説明しましょう。

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