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モデルナには収益化への「明確な道筋」がないとアナリストが指摘 - YouTube +投資アイデア (25年2月15日)

【動画】

【概要】
この動画では、モデルナ(Moderna)の2025年以降の収益化が厳しく、開発中の複数ワクチンや治療薬によって将来的な拡大余地はあるものの、当面の収益見通しが不透明である点が指摘されています。さらに、GLP-1(肥満や糖尿病向け治療薬)市場やFDA(米国食品医薬品局)の対応が関連企業に及ぼす影響についても言及されています。

【話者のプロフィール】
マイケル・イー(Michael Yee)は、ジェフリーズ(Jefferies)に所属するバイオテクノロジー分野のマネージングディレクター兼シニア株式アナリスト。製薬・バイオ企業の財務分析や株価評価を専門とし、とくに大型バイオテクノロジー企業の研究開発パイプラインや投資リスク、マーケットの将来予測に精通している人物。

【動画の結論・要点】(詳細は後述)

  • モデルナのコロナワクチン需要が大きく減少し、収益の見通しが一段と不透明である。

  • 巨額の研究開発コストがかさみ、当面のキャッシュ消費量が増える見込み。

  • 2028年の黒字化を目指す姿勢だが、アナリストは収益化への具体的な道筋が見えにくいと指摘。

  • GLP-1治療薬分野(肥満や糖尿病向け薬)でリリー(Eli Lilly)やアムジェン(Amgen)が好調。モデルナとは異なり、これらの企業は需要増が見込まれる。

  • FDAの承認や規制の動向次第でワクチンや医薬品市場のシェアに影響が出る可能性。

【動画の詳細】
今回の動画では、モデルナの2023年第4四半期(10-12月期)決算をめぐり、売上高は市場予想を上回ったものの、1株当たり利益が予想を下回ったこと、そして主力である新型コロナワクチン(mRNAワクチン)の需要が減速している事実が強調されています。会社側は当初、2025年の売上を従来予測より約10億ドル引き下げており、需要動向が不安定なことがうかがえます。

マイケル・イー氏は、コロナワクチンの需要減少にともなう収益の先細りと、引き続き高額な研究開発(R&D)投資がかさむことで、モデルナが抱えるキャッシュ残高が減少していくと指摘しています。具体的には、現在90億ドルのキャッシュポジションが、60億ドル、30億ドルとさらに減り続ける可能性があると述べています。また、モデルナが持つ複数の開発中パイプライン――たとえばCMV(サイトメガロウイルス)ワクチンやNorovirus(ノロウイルス)ワクチン、さらにメルク(Merck)と共同開発中のがんワクチン――には期待もあるものの、データの取得やFDAの承認プロセスが予定より遅れたり、臨床試験の進展に不透明さがあったりと、短期的な収益化は難しいと見られています。

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