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デービッド・ローゼンバーグ氏が語るインフレと金利の低下に向かう理由+日本市場への影響(25年2月7日)

【動画】
WEALTHTRACKのインタビュー番組

【概要】
この動画では、著名エコノミストのデービッド・ローゼンバーグ氏が、インフレと金利の今後の見通しについて詳しく解説しています。氏は、インフレ率は2%を下回る可能性が高く、FRBは2025年3月以降に利下げを開始すると予測しています。また、生産性の向上やAIの影響により、持続的なインフレ圧力は抑制されるとの見方を示しています。

【話者のプロフィール】
デービッド・ローゼンバーグ氏はカナダ出身の著名エコノミスト。2020年1月に独立系経済コンサルティング会社Rosenberg Researchを設立し、社長兼チーフエコノミスト兼ストラテジストを務める。それ以前はメリルリンチの北米チーフエコノミストとして活躍し、機関投資家から常にトップアナリストとして高い評価を受けた。日刊ニュースレター「Breakfast with Dave」は個人・機関投資家の間で必読とされている。

【動画の結論・要点】(詳細は有料部分)

  • インフレ率は2%を下回る可能性が高く、持続的なインフレ圧力は見られない

  • FRBは2025年3月以降、年内に最低4回の利下げを実施する見込み

  • 景気後退は遅れて到来する可能性が高い

  • 米国債(特に5-10年物)に投資妙味あり

  • カナダの高配当株式(TSX Dividend Aristocrats)を推奨

【当サイト独自考察:日本市場への影響】(詳細は有料部分)

  • 円相場:米国の利下げ開始により円高基調に転換する可能性大

  • 日本株:ハイテク関連株、輸出関連株に売り圧力が強まる可能性

  • コモディティ:景気後退懸念から資源価格は軟調に推移する可能性

【動画の詳細】
著名エコノミストのデービッド・ローゼンバーグ氏は、現在のインフレと金利動向について、従来の市場のコンセンサスとは異なる見方を示しています。氏によれば、近年見られたインフレの高進は約18ヶ月という比較的短期の現象であり、歴史的に見ても「一時的」と言えるものでした。パンデミック後にゼロ近辺から9%まで上昇したインフレ率は、現在では多くの基調的な指標で3%を下回る水準まで低下しています。

特に注目すべき点として、氏はAIの影響を挙げています。市場参加者の多くがAI関連株に投資する一方で、インフレ懸念も示していることに対し、この認識には矛盾があると指摘します。なぜなら、AIへの投資は将来の生産性向上への期待を前提としており、生産性の向上はインフレ抑制要因として働くためです。AIの導入は雇用市場に不確実性をもたらし、賃金上昇を抑制する方向に作用すると予想されます。

関税の影響については、市場の懸念は過度だとの見方を示しています。仮に中国に対して60%、その他の国に対して10-20%の関税が課されたとしても、それは一時的な価格ショックに留まり、持続的なインフレにはつながらないと分析しています。1970年代のインフレ高進は、OPECが石油価格を毎年引き上げ続けたことが主因でしたが、関税については一度限りの措置に留まる可能性が高いとしています。

さらに、各国は関税への対抗措置として、自国通貨安を容認する可能性が高いと指摘します。実際に、この数ヶ月で米ドルは約10%上昇しており、カナダドルは0.69ドルまで下落しています。このような為替動向は、関税の影響を相殺する方向に作用すると予想されます。

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