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【無料】億万長者投資家ビル・アックマンの投資哲学 — 2023年9月28日

【動画】
CNBCが主催するDelivering Alphaサミットに登壇したビル・アックマン

【概要】
一年半前の動画ですが、この動画では、ビル・アックマン氏が米国の金利見通しや投資哲学、政治情勢など幅広いテーマについて語っています。長期金利の行方やインフレ率の持続性をめぐる見解に加え、Alphabet(Google)を中心とした投資先の選定理由や、世界情勢(ウクライナや地政学的リスク)に対する考え方が示されました。

【話者のプロフィール】
ビル・アックマンはアメリカのヘッジファンドマネージャーであり、Pershing Square Capital Managementを創業。株式のロング・ショート戦略を中心に、マクロヘッジやアクティビスト投資でも知られる。住宅金融大手や飲食チェーンへの投資などを手掛け、英知で大胆な投資判断を下す一方、過去には物議を醸した空売りや大企業との論争でも注目を集めた。近年は高いリターンのほか、長期的視点を重視した投資姿勢が特徴とされる。

【動画の結論・要点】(詳細は後述)

  • 長期金利のさらなる上昇を見込むが、インフレ率は3%台での高止まりを想定(2023年9月時点での予想)。

  • Google(Alphabet)など「長期的競争優位性」を持つ企業への大型投資を継続。

  • ワクチンのリスク評価や政治的対立など、社会的テーマへの独自視点を展開。

  • 米国大統領選挙を巡る不透明感や地政学リスクを市場の主要懸念材料と位置づける。

【動画の詳細】
本動画ではまず、アックマン氏がウクライナ情勢に触れるところから話が始まります。投資家向け会合でゼレンスキー大統領と面会した経験を語り、戦後再建への投資機会が大きいと強調します。企業経営の視点から見ると、大規模な復興事業はビジネスチャンスにもなる一方、紛争の長期化リスクや地政学的懸念は世界経済に不安定要因をもたらすとの見解を示しています。

次に、米国長期金利とインフレ率の行方について議論します。アックマン氏は、金利が4〜5%台で推移しても驚きではないとし、その要因として米国政府の巨額債券発行や中国・サウジアラビアなどの米国債売却の可能性を挙げます。さらに、金融危機後の長期的な超低金利時代が終わり、インフレ率も3%台で定着する可能性が高いと分析します。このような金利環境でも、優良企業に投資することでリスクに対抗できると強調します。

その一例として、Alphabet(旧Google)を取り上げます。チャットGPTの出現で同社株が大きく売り込まれた局面を逆手に取り、AI技術の蓄積と強固なエンジニアリング体制から、Googleは長期的には依然として優位に立つと述べます。一方、Netflixへの投資の失敗を引き合いに出し、投資判断の精査プロセスを説明。事業戦略の大幅転換で将来予測が読みにくくなった場合は潔く撤退するなど、リスク管理を徹底している点を強調します。

政治に関しては、共和党のラマスワミ氏や民主党のロバート・F・ケネディJr.を話題に挙げ、ワクチン政策や公共衛生の問題が、単なる科学的知見ではなく政治的対立を含む複雑な要素を伴っていると指摘します。新型コロナワクチンの接種やブースターに関する個人の意思決定は、リスクとリターンの詳細な比較が必要と述べ、社会全体が短絡的な政治対立で分断されることを懸念しています。

さらに、2024年の米大統領選挙を控え、誰が当選するかによって市場の雰囲気が大きく変わる点を示唆し、投資家は長期的視野をもつと同時に、社会の声や政策の変化にアンテナを張る必要があると説きます。政治リスクは一時的な市場の混乱要因にはなるものの、最終的にはグローバル企業の収益力や強固なブランド力が勝敗を分けると主張し、堅牢なビジネスモデルを有する企業への投資が安心感をもたらすとまとめています。

結果として、アックマン氏は金利・インフレ・政治・地政学リスクを幅広く展望しつつも、真に優れた企業を選別することで、中長期的に高いリターンを得られる可能性が十分あると主張しています。今後も世界の情勢変化に素早く対応する姿勢を持ちながら、投資の軸としては優良企業の保有を貫く意向を示しています。

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