
【無料】習近平による民間セクター支援+解説+投資アイデア (25年2月18日)
【動画】
【概要】
この動画では、習近平国家主席が中国の主要企業家と会合し、民間セクター支援を打ち出したことを背景に、中国株式市場が大きく上昇している状況を取り上げています(注:報道後、上海指数は下落し、香港は上昇しています)。また、AIやテクノロジー分野の新たな動向や、米国との追加関税をめぐる問題、企業業績に関する話題などが議論されており、中国市場全体の先行きや経済政策への期待感が示されています。
【話者のプロフィール】
番組に登場するのは、ブルームバーグの主要キャスターやリポーター、アナリスト、さらにはゲストとして招かれた投資銀行や運用会社の専門家たち。オーストラリアの大手資源企業BHPのCEOであるマイク・ヘンリーもインタビューで登場。ほかに、中国市場やAI関連の専門知識を持つ複数のストラテジストがコメントや分析を提供している。
【動画の結論・要点】(詳細は後述)
習近平による民間セクター支援への言及が、中国のテック企業・民間企業に安心感を与えている。
AIやハイテク分野に対する政府の姿勢が、投資家のセンチメントを押し上げている。
米国との追加関税問題が再燃する可能性は依然として懸念材料。
中国の新興企業のIPO(株式公開)動向や、既存企業のバリュエーション調整が相次いでいる。
BHPの最新業績や資源需要の見通しにおいて、中国の需要動向が焦点となっている。
【動画の詳細】
今回の番組では、まず習近平国家主席が行った大手民間企業トップとの会合が取り上げられ、その象徴性が強調されています。2025年2月17日に開かれたシンポジウムでは、ロボティクスやAI、EV(電気自動車)などハイテク分野の起業家が多数招かれました。これまで数年間続いた「テック企業への規制強化」の動きに対し、政府が再び友好的な姿勢をアピールしている点が特徴とされています。特に、「不合理な罰金の撤廃」や「公平な競争環境の整備」という表明が、ハイテク・インターネットセクターに好意的なシグナルとして受け取られました。
さらに、動画内では米国との関係にも言及があります。米中間の追加関税の行方については、2024年からの継続措置で、追加的な引き上げリスクがまだ完全には払拭されていないと解説されています。米国が対中関税を引き上げれば、人民元の動向や中国人民銀行(PBOC)の金融政策余地が狭まるのではないかという懸念も示されました。ただし、現在は景気を下支えするために一定の金融・財政政策が取られており、投資家は「さらなる大規模刺激策」が年内に実施されるかどうか注目しているようです。
AIの話題としては、中国内で生成系AIツールの普及や各企業のAI関連投資が一気に加速している点が取り上げられました。特に、チャットボット技術や画像生成技術の実用化が進んでおり、独自OSや大規模モデル(ディープラーニング)を構築する動きが活発化しています。ただ、ソフトウェアに対して料金を支払う文化が十分に根づいていない中国市場では、どうやって収益化するかが課題であるとも解説されています。
続いて取り上げられたのが、中国の大手eコマースや新興アパレル通販企業のIPO検討状況です。例えば、ファストファッションで台頭しているシーイン(Shein)は、企業評価額が過去のピークと比較して大幅な修正を迫られているという報道があり、当局による承認プロセスや上場先選択にも影響が出ているとコメントされました。規制当局が国有系ファンドを通じて企業と連携し、上場の“お墨付き”を得るケースが増えるという見方も伝えられています。
一方で、番組後半では、中国国内の株式市場や香港市場がこのところ盛り上がりを見せている背景を細かく分析しています。海外からの投資マネーの流入(香港経由)が増えていることや、AI関連株への投資熱が、指数全体を押し上げていると解説されました。ただし、かつての「中国当局の会合→すぐにポジティブな変化」という単純な図式ではなく、2018年に同様の会合があった際には、結果的に大規模規制へとつながった経緯もあり、今回も楽観しすぎないよう注意する声も出ています。
動画終盤では、BHPのCEOであるマイク・ヘンリー氏へのインタビューが紹介され、同社の利益が前年比で落ち込んだものの、鉄鉱石・銅など主要資源を扱ううえで、なおも中国の需要回復を期待しているという見解が示されました。特に銅需要は、2050年までの長期で見ると脱炭素や電動化に伴い大幅な伸びが見込まれ、そこに向けて投資を強化する方針が語られています。ただし、米中貿易摩擦や、中国自身の内需減速が続く場合のリスクも指摘され、慎重な姿勢が必要だとまとめられました。
【解説】
今回の会合は、中国が数年間続けてきたプラットフォーム企業やIT大手への締め付けをやや緩め、民間企業の役割を再評価しようとしている動きと見られています。中国政府としてはAIやEV、ロボティクスなどの先端分野で、世界的競争力をさらに強化し、技術的覇権の一角を担う狙いがあると考えられます。
一方、ハイテク関連とは異なる業態の企業にとっては、依然として規制リスクや地方政府の財政難に伴う突発的な課徴金などの懸念が残ります。ただし、今回「不合理な罰金」「過剰な立入検査」などを是正すると明言したことで、投資家心理の改善には一定の役割を果たしているようです。
他方、米中貿易摩擦は依然として先行き不透明であり、米国の動き次第では中国当局の金融・財政政策にも影響が出る可能性があります。
【以上を踏まえた投資アイデア】
当サイトの管理人(私)は、いかに中国株が割安であり、当局の積極的な政策によって一時的に追い風になろうと、中国株への投資には否定的です。何故なら中国経済には株価を押し下げる構造的な問題が残っているからです。
実際、中国経済と企業は著しく成長してきましたが、上海総合指数を見れば分かる通り、2010年前後から乱高下を繰り返しながら結局上がっておりません。他方、米国のナスダック指数は2010年から現在までに10倍(!)上がっています。

私が中国株の投資を避ける理由はこちらで詳しく説明しましたので、ご興味のある方は覗いてみてください。
短期的には中国株が大きく上がる可能性もありますが、リンク先で述べた理由から中国株を買うよりは米国株を買う方が機会損失が少なく、かつ、安全だと私は考えます。
【免責事項】
投資アイデアに関する部分は個人の見解・参考情報であり、投資推奨や助言ではありません。投資はご自身の判断と責任で行い、本情報による損害について当方は一切の責任を負わないことをご了承ください。
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