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バフェットのバークシャー、保険と投資の好調で過去最高益を計上 (25年2月23日)
【概要】
この記事では、ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハザウェイが、保険事業の改善や投資収益の増加によって四半期および通年で過去最高益を更新したこと、さらには保有キャッシュが大幅に膨らんだことを中心に報じています。
【記事投稿者のプロフィール】
ジョナサン・ステンプルはロイターの記者で、特に法律・金融分野を専門に長年取材を続けるベテランだと知られている。大手企業の決算分析や訴訟関連のニュースなど、経済・金融の幅広い話題をカバーしている。
【記事のリンク】
【記事の結論・要点】(詳細は後述)
保険部門の保険契約引受と投資収益の拡大が、過去最高レベルの利益を牽引。
2024年末時点のキャッシュ保有額は約3,342億ドルと倍増。
189の事業部門のうち53%が減益だったものの、全体としては想定を上回る好調。
株式売却が続き、同社は9四半期連続で売り越し。
自社株買いは2024年に29億ドル程度と限定的。
保険会社のGeicoでの大幅なリストラとアンダーライティング改善が奏功。
【記事の詳細】
バークシャー・ハザウェイは、ウォーレン・バフェット氏(現在94歳)が率いる米国ネブラスカ州オマハに拠点を置く巨大コングロマリット(複合企業)です。2024年の第4四半期と通年の営業利益は、保険部門のアンダーライティング(保険契約の引受)改善や投資収益の増加によって、それぞれ過去最高を記録しました。特に、保険事業のうち自動車保険を扱うGeicoでは、損害率(事故による支払い率)の低下と、料金引き上げやアンダーライティング強化により利益が大きく伸びています。さらに、米国国債金利の上昇による運用益増加も寄与しており、バークシャー全体のキャッシュフローを押し上げた大きな要因とされています。
2024年末時点のキャッシュ保有額は3,342億ドルに達し、1年前の2倍にまで膨れあがりました。これはバークシャーが保有株式の売却を進めたことも背景にあります。アップル(Apple)やバンク・オブ・アメリカ(Bank of America)などの大手銘柄を売却し、同社は9四半期連続で株式のネットセラー(売り越し)になりました。一方で、同社が自社株買いに充てた金額は2024年を通じて29億ドルにとどまり、2024年5月以降は買い戻しを行っていない状況です。
バークシャーの189事業部門のうち53%が減益にもかかわらず、トータルではアナリストやバフェット氏自身の予想を上回る成績を残しました。これは一部の主要事業部門、特に保険部門における徹底したコスト管理や投資収益の拡大が大きく貢献したためです。例えば、Geicoでは2020年にCEOに就任した投資マネージャーのトッド・コームズ氏の指揮の下、人員削減とアンダーライティングの見直しが進められました。その結果、2024年には前年の約26%にあたる1万人以上を削減し、コスト効率化を実現しています。ただし、バークシャーの鉄道部門BNSFでは、燃料コストや景気動向に左右されやすいという特性から2024年通年の利益がやや落ち込みました。
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