失敗とは
10年前、益川敏英先生がノーベル物理学賞受賞された記念として、現役学生たちに講義を行うというスタイルの番組公開録音を行った時のこと。ある学生がこんな質問をしました。
「益川先生は数々の実験でたくさんの失敗をされたと思います。モチベーションはどのように保たれたのですか?」
すると益川先生は…
「失敗?したことはないですよ。このやり方では”求めている結果にならないという結果”は数々出してきました。恐らくあなたは、そのことを失敗と言っているのでしょうが、それは失敗ではなく「大事な一つの結果」です。いろんな結果を得て正解にたどり着くだけです。だからあなたの言う失敗をしたことはないし、この先もしない」
この力強くブレのない言葉を最近よく思い出します。
3月も終わりで、私の周りは「活動フィールド」が変わる方が多いようです。2年前の私がそうでしたが、環境が変わることは先が見えず不安になります。しかし、くぐり抜けてしまえば意外に結果オーライとなることの方が多い気がします。
まーーー、とはいえ、なんというのでしょうか、コロナによって「パンドラの箱」が開けられ「災いと悪」が飛散してしまったのか…。
今年の春は、これまでの春とは明らかに違いますよね。"老舗"やベテランたちに特に「納得のいかない変化」が多いように思います。新しい世代への切り替えでしょうし、変わらなきゃいけないんでしょうが…。
「老害」という言葉がありますが、けして歳を重ねることが「害」なのではなく、学ぶことを止めて「新しい考え」へとアップデートしないことが「害」だと思うのです。つまり、若くても「老害」となる場合もある気がします。
ネット社会となり、何もかもの変化スピードが上がったうえに100年時代。長期にわたってこの早い流れの中で生き抜かなければならないわけですから、常に「学び」続けることがこれからは大切だと考えるのです。
そんなわけで私も益川先生の「失敗とは"大事な一つの結果"」という言葉を胸に学び続け、開いてしまった「パンドラの箱」の蓋を閉じることなく、開けっ放しで新年度もチャレンジしていこうと思います。
パンドラの箱とは
神ゼウスが、パンドーラという女性に一つの箱を持たせ地上に送ります。その箱にはさまざまな災いや悪が詰まっています。そんなこととは知らず、彼女は好奇心から蓋を開けてしまい、全ての災いや悪を地上に解き放ってしまいます。慌てた彼女は蓋を閉じてしまいました。その箱の底に「希望」が残っていることも知らず。
開けっ放しで行こーーーー♪♪
※写真は文章と無関係です(笑)