就活やめました
12月。それは世間がクリスマス、M-1、紅白を迎え何かと浮ついて過ごす時期。この時期に多くの大学3年生は就活に向けた準備を行う。早くも本選考を行なっている企業もあり、中にはすでに内定を得ている学生もいるんじゃないだろうか。そうでなくとも、多くの学生は最後のインターンや本選考への面接練習、SPIをはじめとする筆記テストへの対策に余念がない時期である。そんな時期に26卒(であった)私は就活を辞めた。
就活を辞めた最大の理由は自分のみっともなさにある。私は資格はTOEICと運転免許しかなく、学歴頼りの就活を行なっており、結果的に夏のインターンは全て書類選考落ちという散々たる有様だった。また、生来のコミュニケーション力の低さと怠惰を理由にあらゆる就活イベントの参加を見送ってきた。これまでの成功経験の多さからプライドと志望企業のレベルだけは高いが、肝心の実力は伴っていなかった。
そんな私だから日ごとに自分の将来像をころころ変えていた。卒業後にワーホリで海外逃亡しようかとか、むしろ地元で就職しようかとか考え、終いには気の迷いから「俺はプライドも学歴も全部捨てて、日本一のAV監督になるんや!」と覚悟を決め、涙と我慢汁を流した夜もあった。
私とは違って実家が金持ちだから留学できていたり、文武両道、要領のいい人間だからサークル・部活に精を出しつつ成績も優秀だったりするような就活が得意そうな同級生へのコンプレックスと我が未熟さは直視するに耐えがたく、私はリクルートスーツを脱ぐ決断をした。
その代わり、大学院に行くことにした。正直なところやりたい研究などなく、モラトリアムを延長するための選択だ。しかし、ちゃんと野心はある。院生のうちに留学して語学力をつけて、黒髪の乙女との淡く切ない恋におち、コミュニケーション力を高めるつまりだ。
奨学金が十分にもらえれば、日本ではなく海外の大学院に行こうかなとも思っている。そのまま現地就職するのも魅力的な選択肢だ。
なので今はとにかくTOEFLの勉強をすっっっごく頑張っている。どうしても英語が喋れなく苦しいが、今が苦しくてもいつかは自由になれると信じている。
家主の「老年の幻想」という曲にこんな歌詞がある。
辛い時はいつもこの曲を聴いてモチベを保っている。本当にいい曲だからみんなにも聴いてほしい。
とにかく、私は現在の自分に見切りをつけ、まだ見ぬ自分に出会うために勉学に集中している。就活は辞めたが後悔していない。労働生産性も賃金も上がらないこの国で傑物になるための準備をしている。