映画【人生フルーツ】

「すてきなおばあちゃんになりたい」
…よくそんなことを思っていたのに、最近思わなくなっていたなと気づきました。

なにか社会で役立つスキルを身につけて、
早く一人前になって、良いものを生み出す人になりたい。
というか、ならなくちゃ。
……そんなふうに思うようになっていました。

遠くじゃなくて、近くばかり見ているんだ。

小さいことをゆっくりこつこつやっていった先に、積みあげていったものがようやく形になる。
きっとそういうのが生きるっていうことなのに、
そんなシンプルな、あたりまえのことをどういうわけか忘れてしまうのです。

そして、それを忘れてしまった私は、
どこからともなく聞こえてくる「早く成長しないと!早く成し遂げないと!」って声に、
焦ってなにも見えなくなって、不安におそわれて、生きづらくなる。

そんなときに「オチツケジブン!」っていうのが、この映画。

風が吹けば、
枯葉が落ちる。
枯葉が落ちれば、
土が肥える。
土が肥えれば、
果実が実る。
こつこつ、ゆっくり。
人生、フルーツ。

自分のいのちが、大切なことをひとつずつ実にしていくのにはペースがある。
そして、ゆっくりでも、ちゃんと実になるときがやってくる。

人間の作った「時間」じゃなくて、自然が刻む「時」のなかで暮らしていれば、
考えて分かることじゃなくて、すーっと感じて分かることなんだろうな、と思いました。

明日あさって、一、二年後に「社会で役立つ人になる!」じゃなくて、
もう一度「すてきなおばあちゃんになりたい」を夢にします。

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