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【インターン生レポート】カンボジアでコオロギ農家の課題解決!〜理系学生の武者修行〜
こんにちは。東京農工大学からインターン兼共同研究でカンボジア タケオ州拠点にお邪魔していました村田と申します。
コオロギ生産現場の諸課題解決に向け、2024年9~11月の2ヶ月半カンボジアで活動させていただきました。
先日帰国したばかりですが、カンボジア→日本の急激な寒暖差で、お腹を冷やしてしまい調子が悪いこの頃です...
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食用コオロギの生産が盛んなカンボジア タケオ州では、農村地域の米農家さんが、副業としてコオロギを生産していることが多いです。
全てのコオロギ農家が順調に生産できているかというとそうではなく...
収量が少ない農家もあれば、収量は多くても省力化の余地がある農家もあるように思います。
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今回は、コオロギ農家における、コオロギへの給水方法について書きたいと思います。
タケオ州のコオロギ農家では従来、水をスプレーし、隠れ家用の紙製卵パックや飼育BOX内壁などを濡らすことでコオロギへ給水して生産してきました。
補助給水装置として、コメの籾殻を焼いた灰(籾殻灰)や小石を皿に敷き詰めて、手作業で湿らせたものを用いることもあります。
スプレー給水により濡れた飼育部材は高湿度を誘発し、飼育BOX内のアンモニア濃度上昇、ダニなどの害虫や病原体の発生の懸念が高まります。
また、補助の給水装置では、1日に4〜5回手作業で皿を濡らす必要があり、労力削減の余地がありそうです。
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そこで、底部に孔を開けたPETボトルに入れた水により、籾殻灰を少しずつ湿らせる、新規給水システムを開発しました。
これを収穫前の5日間設置し、スプレー給水をやめたところ、コオロギ収量はスプレー給水と同程度の20 kg/BOXを記録しました。
5日間というわずかな期間だったうえ、そもそも飼育環境の優れる高収量の農家で実施したため、通常のスプレー給水よりも優れる結果ではなかったものの、スプレー給水なしで、PETボトル給水装置からのみで、十分に給水できることが示されました。
また、従来4〜5回/日であった給水の回数が3回/日に減り、とくに不足しがちな夜間の給水を解決できることから、好評をいただき、私が開発したPETボトル給水装置は、現在少なくともタケオ州の3農家に採用されています。
本給水システムにおける、飼育環境の低湿度化による収量増加については現在も調査中です。
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また、現在この給水システムをより多くのコオロギ農家に広げ、省力化かつ収量増加の一助になればと考えています。
まず給水システムの作り方の動画(現地言語のクメール語、https://fb.watch/wkEsnO0JKr/)を作成しました。
さらに、この動画にアクセスできるQRコードを載せたポスターを貼り、この給水システムを採用しているコオロギ農家さんに貼っています。
タケオ州ではコオロギ農家同士の結びつきは強く、他の農家に訪問することがあり、その際に農家さん同士で口コミをしてもらう作戦です。
また、地元で影響力の強い農家さんに、SNSでこの作り方動画を拡散してもらいました。
より多くの方に使用していただき、少しでも楽に効率よく生産していただきたいと考えています。
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現地スタッフがクメール語で私に説明する設定にしたが,私にはクメール語はわからない...
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給水装置以外にも様々な生産環境に関連する要因を研究してきました。
こうした、生産環境の改善には、気づき(経験則)と、それを検証するための科学的見地からの研究が重要になってきます。
コオロギ生産BOXではアンモニアが発生し、アンモニア臭が強い場所の収量が良くないという経験則があります。
また、コオロギに与える餌に関しても、農家さんが様々な種類のものを使っていますが、経験則的に成績が優れるものが採用されています。
ここに挙げた経験則やそれ以外にも、さまざまな調査をしましたが、まだ途中ということもあり、詳しくお伝えするのは別の機会にさせてください。
コオロギ生産現場における経験則は、サイエンティフィックな研究テーマになりうる非常に重要なものです。
経験則に関連するものごとを科学的に検証していった結果、その妥当性やその奥に潜む要因が見えてきて、それが人類の「知」の蓄積に貢献しうるのですから、面白いですね。
これからも、日本で研究を続け、カンボジアでのコオロギ生産をサポートできればと考えています。
また、エコロギー カンボジア拠点滞在を終えて、スタートアップ企業で働く面白さ、現地スタッフを含めたメンバーの力強さや優しさを実感するとともに、企業を運営する大変さやスタッフのバランス感覚の鋭さにも驚かされました。
スタートアップ企業で奮闘し活躍するみなさんを間近で見られたことは、今後社会に出ていくのに向けて、非常に刺激的な経験になりました。
少なくとも私にとって、自らの研究面という意味でも、人生においても、ターニングポイントとなる期間であったことは間違いありません。
もしこれを読んだ方のなかで、エコロギーへのインターンを考えている方がいらしたら、ぜひお勧めしたいです。
インターンにご興味のある方は、下記よりお気軽にご連絡ください▼
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