Je suis France !
昨日のメルマガで、フランス人歌手の France Gall のことを少し書いて
思い出した話がありました。
昨年のクリスマスにカナダのモントリオールに行ったのですが、
そこで、ある受講生の方の古くからのお友達夫婦に会ったのです。
受講生の Y さんは若い頃に cuisinière としてモントリオールに行き、
フレンチレストランで働いた経験があります。
そこで chef pâtissière として働いていたアメリカ人の Anne-Marie さんと知り合って友達になり、今でもずっと彼女と親交が続いています。
Anne-Marie さんのの旦那さんは同じく pâtissier でフランス人の Dominique さん。今では二人一緒に pâte d’amande(マジパン)で可愛い動物を作り、モントリオール近辺のケーキ屋さんなどに卸しています。
Y さんのご紹介で、そんなご夫婦のモントリオール郊外のアトリエ&ご自宅にお邪魔した時のこと(私達家族も、マジパン人形を作りました!)。
Anne-Marie さんが Y さんとの当時の思い出話を語ってくれました。
そのころ、働いていたレストランに France という名前の女性がいたそうです。France さんは Y さんに初めて会った時に
"Bonjour, je suis France." 「こんにちは、私、フランスよ」
と自己紹介をしました。すると Y さんは、
"Je suis Japon!"
と返事をしたそうです。
(当時 Y さんはフランス語を話しませんでしたので、「こんにちは、私はフランス人です」彼女が言ったと思い「私は日本人よ!」と返した、つもりでした....)
" Non, non, moi, je suis "France"." 「違う違う、私の名前はフランスなの」
" Moi, je suis Japon !" 「私は日本人よ!」
「というやり取りがあった後、 France さんがすっかり気を悪くしちゃって...」と Anne-Marie さんが面白そうに話してくれました。
確かに、知らなければ France が人の名前だなんて誰も思わないでしょうね。
日本で言えば「日本」って名前みたい(笑)
実はこの France という名前は、フランスという国名から来たわけではなく、"homme libre (自由な人)" という意味のラテン語 "francus" から来た "Françoise" という名前から派生してできた名前だそうです。
今ではすっかり稀な名前になってしまいましたが、現在70代の人の中には France さんが多くいらっしゃるようです。
どこの国でも時代と共に名前は移り変わりますね。
ちなみに、最近フランスで流行っている名前はこちらです:
https://tresbien.co.jp/2020/06/09/prenom-francais/
そして、France という名前の France Gall さんの有名な曲 "Poupée de cire, poupée de son" はこちら: