見出し画像

フランス人はなぜあやまらないか

私は今、あるフランス人の男の先生にオンラインでチェロを習っています。普段はだいたい時間通りに開始するのですが、今週はレッスン時間になっても先生から連絡がありませんでした。5分~10分遅れは時々あるので、15分ほど待ってから

"Bonjour, il n'y a pas cours aujourd'hui ?"
「Bonjour, 今日はレッスンないのですか?」とメッセージを送りました。

さらに10分たってもまだ既読にならなかったので、私はあきらめて買い物に出かけました。

するとレッスン開始予定時間から40分ぐらいが経って、

"Bonjour Izumi. Je viens seulement de voir ton message. Je suis disponible si tu veux." 
「ボンジュール、今メッセージを見ました。よかったら今からできるよ」

と返事が返ってきました。私はすでに外出中だったので、「あ、買い物に出ちゃった。また来週ね」と返しました。すると、

"Ah d'accord. Pas de souci. À la semaine prochaine." 
「あ、わかった、大丈夫だよ。また来週ね」

と返事があって会話は終わったのですが、私は正直なところ、「なんで一言 "遅れてごめん" って言わないの?!」と思ったのです。

「フランス人はなぜあやまらないのか?」

そう思ったのは、今回だけではありません。今まで25年以上フランス人と仕事をしてきましたが、期日に遅れたりミスをしたとしても、"Désolé (e)" とは言わず、まるで何事もなかったかのように事を進めていくことが多いのです (決して全員ではありませんよ)。これはフランス人男性に限らず、女性でもあります。

その一方で、日本人は何かとすぐに謝りますよね。
「お忙しい所恐れいりますが、よろしくお願い致します。」
「お手数をお掛けして、大変申し訳御座いません。」

「こんなにあやまらなくってもいいんじゃない?!」と思うこともありますが、遅れたりミスをしたら、「まずは一言あやまる」というのが、我々にとっては当然のことだと思います。ところが、フランス人はあやまらないことも結構あるのですよ….。かといって相手に向かって、「なんであなたは一言あやまらないの?」とも言えず、こちらもそのままやり過ごしてしまうのですが。

「フランス人はなぜすぐにあやまらないか」この理由を知りたくって、フランス人の夫に聞いてみました。私も夫も、普段は「日本人は...。」「フランス人は…。」というステレオタイプな言い方が嫌いなので、なるべくそのように言わないように聞いてみたのです。

すると、彼はちょっと考えてから、面白いことを言いました。

ここから先は

1,051字
この記事のみ ¥ 300

フランス語を勉強している方のお役に少しでも立てるように、皆さんの質問や疑問にお答えしています。よろしければサポートをお願いします。