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できる後輩の立ち回り

この子は将来有望だなあ、と思う後輩の男の子がいるのでその立ち回りをご紹介したい。名前を仮にN君とする。

私と一緒に2人でMTに出たN君。終わった後に私のところにやってきた。

「エコアニさん、さっきの会議イライラしませんでした?司会の人がこっちのニーズと全然違うところの質問に時間かけてて、本当にやりたいことの話が全然できてませんでしたよ。」

「おまけに、次回のMTのアジェンダが送られてきたので見た感じ、また本質じゃない論点に時間をかける予感がするんですよね。実は、司会やってた人とは個別にチャットで質問してるんで、もうちょっとこっちのやりたいことに話が向くように軽くジャブ放っておきますよ。」

「ところで、ミーティングの出席者にはシステム担当の人いるんですけど、今までの何回か開催された感じを見てると全然発言できてないですよね。出席者の時間が勿体無いので今後はシステム寄りなこの辺の設計の話ができるといいですよね」

「エコアニさん、向こうの司会の人と個別にチャットしてみました。話してみた感じ、向こうは上の人に向けて綺麗な報告資料を上げたいからあの質問にこだわってたみたいでした。ちょっと釈然としないですけど・・・手間はそこまでかからないので私の方で資料に追記して送付しておきますね。」

「でも、個別にやりとりした感じ、今後も軌道修正のためのジャブをちょこちょこ打っておかないと、こちらの望まない方向にズレていってしまいそうなんですよね。そのやりとりは私の方で継続しておきます。」

「あと、司会の人とのやりとりだと埒があかない課題があったので、その上司の人ともコンタクトとって、資料もらっておきました。ここのフォルダに入れてあります。」

「エコアニさんからの指示をもとに設計イメージの資料作りました。メールで送付してますのでご確認をお願いします。」

ここまでの動きを、私がなにも言っていないのに全て独力で判断してやっていた。いっておくが、脚色一切なしであり、発言をあるがままに書き起こしている。

ちょっと目を離した隙にとんでもない化け方をしていた。ついこないだ入社したばかりなんだけどなぁ。

「ところで、エコアニさん、ちょっと資料作りで詰まっている箇所があるんですけど、少しお時間いただけませんか?」

ここまで動いてもらっているのなら時間を空けざるをえないだろう。GIVEしてGIVEしてGIVEしてTAKEの典型だ。

また別の場面の話。私が仕事を与えてからしばらくしてN君の様子を見に行くと、システム担当者といつのまにか仲良くなっていて、仕事の疑問点を質問しながら解消していた。

人懐っこくてノリが良いので、人のふところに入りこむのが上手いのだ。しかも、周りの人間と助け合える関係性を自分で構築して、問題を自己解決している。

ビジネス能力というのは、課題発見力と課題解決力の両方をバランスよく兼ね備える時に最大値に達する。

いくら問題解決力が優れていても、問題の発生に気づかないまま放置していたら、選択肢が少なくなった状態から事態の収拾にあたらないといけない。

逆に問題に気づいても、解決能力がなければあたふたするばかりだ。

今のところN君は課題発見力も課題解決力も申し分なく、しかもバランスが取れている。今後年次が上がって責任や仕事量が増えた時にどうなるかだが、周りがうまくリードできればまだまだ伸びるだろう。

この子を配属してくれた人事部には感謝せねばなるまい。

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