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保険料はどれぐらいが適正な水準なのか?
前回記事では「一般消費者が生命保険を選ぶ中で、どの点に着目すればよいか」について書いてみた。
中でも、保険料の適正な水準は掘り下げ甲斐のあるテーマだなと思ったので、ここで別記事として分析してみよう。
「年齢×〇〇円」という話法
先に結論を言っておくと、保険料水準は、「可処分所得」と「自分が背負っている責任の重さ」との関係性で決まる。
「月々の保険料は10代なら5000円、20代なら10000円、30代なら15000円、40代なら20000円」というのは私が以前に営業現場で聞いた保険料の目安だ。
ここには一つの前提が隠されている。
・10代は独身だから自分の生活を守れればいい
・20代は結婚しているからパートナーを守らなくてはいけない
・30代は子供が産まれて家族を守らなくてはいけない
・40代は子供の大学費用が具体的に見えてきて、マイホームを買う人もいて責任が重くなる
年齢・ライフステージ・年収が結びつかなくなってきている
年齢に合わせて年収が上がり、ライフステージも大半の人が型通りに進んでいたことが前提なので、年齢との掛け算が有効な物差しとして機能したのだ。
ところが、現代では必ずしもこの類型は通じない。30代でも独身ならば保障を厚くする必要性は薄い。結婚しても子供がいなければやっぱり保障追加は急がなくてよい。40代で経済的な理由から子供の進学を優先し、マイホームを諦める親もいる。
さらに、年収はもはや右肩上がりではない。
ライフスタイルが多様化するのにあわせて、生命保険のスタイルも千差万別になっているのである。
というわけで、「背負っている責任」から必要保障額を割り出し、「今の収入」を踏まえて適正な水準に削ってゆく、という手順がよさそうだ。
生命保険の営業担当者に自分の収入を喋る人はなかなかいないだろう。何らかの物差しがなければ保険料を決めることはできない。そこで営業担当者が議論の口火を切るために持ち出す話として、年齢×〇〇円は一応まだ存在価値がある。
ただし、使い方に気をつけないと「この担当者は自分のこと(=ライフスタイル)を見ていないな」と思われてしまう。
保険料は収入の〇%以内という話法
「月々の保険料を収入の〇%以内に抑える」というのは、分かりやすくて魅力的な話法である。保険料負担が重くて家計が火の車になってしまっては元も子もない。個人的には前述の年齢との掛け算よりも理にかなっていると思う。
しかし、前述の通り「保障との兼ね合い」が踏まえられていないので、これもやはり不完全な理論だ。
月の手取り20万円の人間が、月々1万円の保険料を納めるのはなかなかの負担感だが、奥さんと子供がいて「やっぱりここの備えは外せない」と考えれば"アリ"な選択肢になる。
保険は一定期間継続しないと本来の役割を果たすことができないと考えると、私が話すなら継続率を考えた収入との兼ね合いで目安を提示し、そこから個々の事情に応じてチューニングするだろう。
少し頭の回る営業担当であれば、どんな保険料・保障金額でもそれっぽい理屈をつけることはできる。
ただ、上記の通り「保障と年収の兼ね合い」を意識すれば、保障プランに対する考慮漏れは少なくなるだろうし、顧客をカモにしようとする営業担当者の悪意にも気づくキッカケになるだろう。
この記事を読んだあなたが、納得いく保障プランに辿り着けることを願っている。