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どうやったら組織の中で面白い仕事ができるようになるのか
ストレスと好きなことのバランス
人は「ストレス」と「好きなこと」のバランスをとる生き物だ。
仕事で残業して夜遅くに帰ったのに、YouTubeやゲームをして夜更かしをした経験はないだろうか。
あれは仕事で受けたストレスとのバランスをとるために、心と身体が好きなことをやる時間を欲した結果だ。
入社したての時、ほとんどの人は仕事でストレス100、プライベートで好きなこと100のバランスだろう。(分からないことだらけなので)
しかし、結婚して子供ができると、プライベートで好きなことができる割合はどんどん減ってゆく。
家庭に居場所が作れず、仕事でストレス100、プライベートでストレス99という地獄のような割合で生きている人もいる。
このような状態を避けるにはどうするかというと、最終的には仕事の中に好きを見出すしかない。
上の人間が仕事を振る時の思惑
会社組織は上から下に仕事が流れるものである。上の人間は面白いと思った仕事は自分でやろうとし、それに付随する雑務は下の人間に投げる。
もうちょっと細かくいうと、面白い仕事とは何かを創る・決める仕事で、それを実現するにあたっての諸々の調整や作業が付随する雑務だ。
創る・決める仕事は相応の責任も伴うが、自らの意思で何かを動かすことは面白さの源泉である。
というわけで、立場が下の人間は付随する雑務が仕事として延々と降ってくることになる。
「そんな状態で面白い仕事をするなんて無理だよ」という人もいるだろう。
仕事で好きを見つける方法二つ
ここからは私の実体験から面白い仕事を発掘する方法について二つ書いてみよう。
自分なりの楽しみを見出す
一つ目は「自分なりの楽しみを見出す」ことだ。
上の人から見ればつまらない雑務であっても、自分にとって面白いものであればそれは仕事の幸福度を大きく引き上げてくれる。
私は今の所属でEUCの保守管理の総括をしている。
EUCというのは、ざっくりいうとユーザーが自らの手でアクセスやExcelのVBAというプログラミング言語を使って作り出した業務自動化ツールのことだ。
イメージつきやすいところでいうと、関数をたくさん組み込んで、目的の集計表を瞬時に作り出せるExcelなどだろうか。
上の人にとっては、昔の人が残したEUCは中身がブラックボックスな得体の知れないものという扱いだった。
できることなら関わりたくない、という訳だ。しかし、私はそれが自分のスキル次第で業務を自動化できる宝の山に見えた。
自分でVBAの本を買って、分からないところは長年EUCを保守している人に聞く。それで詳しくなってゆくとまた嬉しくなる。
他の人がやりたがらないからどんどん仕事が回ってくる。しかも自分が楽しい。上から降ってくる仕事の中にこういったものが見出せれば儲けものである。
自ら提案して仕事を創る
もう一つは「自ら提案して仕事を創る」ことだ。
これも私の体験談から書いておく。
「事務工程がA→B→Cと流れていて、Aで持っている情報をC工程で参照すれば、人の手作業が減る」と言われる事務があった。
実際にはA工程が終わったらその情報は捨てられる設計になっていて、C工程で参照することができない。
私はできるだけ安い開発費用でA工程の情報を保持する方法をあれこれと考え、業務の傍らで予算獲得から開発まで全て1人でやった。
この開発の効果は絶大で、何とC工程の手作業が半分になってしまった。
ユーザーからは感謝されるし、目覚ましい業務削減効果なので上の人からも褒められた。
規模は小さいが、これは上からの指示ではなく、全て自分で創った仕事である。
一つ目の方法よりもエネルギーは必要だが、これをやるかどうかで仕事における好きなことの割合は全く変わってくる。
まとめると、「人の気づかない楽しみに気づける感性磨き」と、「仕事を最初から最後までやり切る経験を積む」こと。
これが、サラリーマン人生を送りながら、「好きこと」と「ストレス」のバランスを保つのに重要なことだと思う。