品質管理検定 #32-04
【問4】
管理図に関する次の文章において、$${\boxed{\space}}$$内に入るもっとも適切なものを下欄のそれぞれの選択肢からひとつ選びなさい。ただし、各選択肢を複数回用いることはない。
① ある組立工程のねじ締め作業において$${\overline{X}-R}$$管理図で管理することとした。表4.1の囲い線のようにケースAとケースBの2通りに群分けした。表4.1には、得られたデータの一部を示している。
ケースAの群分けでは、群内変動の要因を$${\boxed{(18)}}$$とみなして、その他の要因のばらつきを群間で管理していこうとするものである。また、ケースBの群分けでは、$${\boxed{(18)}}$$に加えて$${\boxed{(19)}}$$を群内変動の要因とみなして、その他の要因のばらつきを群間で管理していこうというものである。
【$${\boxed{(18)}}$$の選択肢】
ア. 測定誤差 イ. サンプリング誤差 ウ. 測定誤差とサンプリング誤差
エ. 午前・午後別の誤差 オ. ねじ締め機別の誤差
【$${\boxed{(19)}}$$の選択肢】
ア. 日 イ. 午前 ウ. 午後 エ. ねじ締め機
ケースAのデータを使って、群内変動と群間変動を求めることとした。ケースAのデータから$${\overline{X}}$$と$${R}$$をそれぞれ計算すると表4.2となった。このとき、$${\overline{X}-R}$$管理図は安定状態にあり、$${\overline{X}}$$の個々の値から計算した分散$${\sigma_{\overline{X}}{\space}^2}$$の推定値は7.80となった。
このとき、表4.3の管理図のための計数表を用いて、群内変動$${\sigma_{w}{\space}^2}$$の推定値は$${\boxed{(20)}}$$となり、群間変動$${\sigma_{b}{\space}^2}$$の推定値は$${\boxed{(21)}}$$となる。
【$${\boxed{(20)}}$$ $${\boxed{(21)}}$$の選択肢】
ア. 2.28 イ. 2.48 ウ. 2.59 エ. 5.07
オ. 5.20 カ. 5.87 キ. 6.89 ク. 6.97
ケ. 10.91 コ. 14.21
② 次の工程の管理を考える。
a) 部品のメッキ工程で一定期間ごとにランダムに200個のサンプルをとり、その中のメッキの外観が不適合品となる数によってその工程を管理したい。このような工程を管理したいときには、$${\boxed{(22)}}$$を用いるとよい。
b) 薬品を2日がかりで1バッチ生産している。1バッチを1群としてその収率によって、薬品の製造工程を管理したい。このようなときは$${\boxed{(23)}}$$を用いるとよい。ここで、バッチとは、ひとつの生産サイクルで一度に生産される単位を表す。
c) 1日平均500個の部品を切削しているが、切削数は日によってかなり異なる。毎日2%前後の不適合品が出ている。そこで、各日の切削予定数の20%程度を群の大きさとして、この切削工程を管理したいときには、$${\boxed{(24)}}$$を用いるとよい。
【$${\boxed{(22)}}$$〜$${\boxed{(24)}}$$の選択肢】
ア. $${\overline{X}-R}$$管理図 イ. $${X-R_m}$$管理図
ウ. $${p}$$管理図 エ. $${np}$$管理図
オ. $${u}$$管理図 カ. $${c}$$管理図
【正解】
(18) ウ. 測定誤差とサンプリング誤差
(19) エ. ねじ締め機
(20) ケ. 10.91
(21) エ. 5.07
(22) エ. $${np}$$管理図
(23) イ. $${X-R_m}$$管理図
(24) ウ. $${p}$$管理図
管理図に関する問題。出題者の意図がわからないと???となるかもしれません。試験問題ってそんなもんですけど😇
① ある組立工程のねじ締め作業において$${\overline{X}-R}$$管理図で管理することとした。表4.1の囲い線のようにケースAとケースBの2通りに群分けした。表4.1には、得られたデータの一部を示している。
ケースAの群分けでは、群内変動の要因を「(18) 測定誤差とサンプリング誤差」とみなして、その他の要因のばらつきを群間で管理していこうとするものである。また、ケースBの群分けでは、「(18) 測定誤差とサンプリング誤差」に加えて「(19) ねじ締め機」を群内変動の要因とみなして、その他の要因のばらつきを群間で管理していこうというものである。
他人の考えを読み取るのは難しい😇
こういうのに慣れていれば分かるのかもしれないですけど、正直意味不明でした。
ケースAの場合、日付、午前・午後、1号機・2号機は分けてあります。なので、それ以外の要因を見つけます。それを「選択肢」から探します。実際にやっているといろんなことを考えるから、「選択肢」じゃピンと来ないかもしれませんが、試験問題なので選択肢から探しましょう。
エ. 午前・午後別の誤差 オ. ねじ締め機別の誤差 の2つは分けてあるので関係なし。
ア. 測定誤差 イ. サンプリング誤差 ウ. 測定誤差とサンプリング誤差 の3つが残っています。「測定誤差」と「サンプリング誤差」の両方を含みますから、
ウ. 測定誤差とサンプリング誤差 となります。
ケースBを見ましょう。日付、午前・午後の区別はありますが、ねじ締め機の区別が無くなりました。異なるねじ締め機のデータも同じ群として群内変動の要因として管理しています。
一時、製薬工場にいたことがありました。その時、絆創膏も作っていたのですが、その薬剤量にばらつきが多かったです。機械が2台ありましたが、1号機と2号機で傾向が異なっていました。実際の機械を見たのですが、ずいぶんと動作が違うと思いました。でも、試験に出るようには管理していなかったです。データは取るのですが、規格から外れそうだから使うか使わないか、くらいで原因追求とか無かったですね。会社の違いなのかもしれません。製薬の場合は、自由に工程を変更できない場合も多いのですが、知識と、品質管理やるぞー!という気持ちと、会社の方針・理解がなければ、数字に翻弄されるだけの仕事になりやすいです。。。そう思うと、品質管理検定を通して学んで実務に活かし、品質向上を目指すことができるのかもしれません。
ケースAのデータを使って、群内変動と群間変動を求めることとした。ケースAのデータから$${\overline{X}}$$と$${R}$$をそれぞれ計算すると表4.2となった。このとき、$${\overline{X}-R}$$管理図は安定状態にあり、$${\overline{X}}$$の個々の値から計算した分散$${\sigma_{\overline{X}}{\space}^2}$$の推定値は7.80となった。
このとき、表4.3の管理図のための計数表を用いて、群内変動$${\sigma_{w}{\space}^2}$$の推定値は「(20) 10.91」となり、群間変動$${\sigma_{b}{\space}^2}$$の推定値は「(21) 5.07」となる。
コレ、係数表もポイントになります。シレッと置いてあります。
群内変動の推定値は、$${\widehat{\sigma_w}=\cfrac{\overline{R}}{d_2}}$$
から求めます。計算方法は載っていませんので覚えておかないといけません。
n=4のところなので、$${{d_2}=2.059}$$
表4.2に$${\overline{R}=6.80}$$が載っています。
問題に書いてあるように、群内変動$${\sigma_{w}{\space}^2}$$となっていますから、
$${\sigma_w^2=\bigg(\cfrac{\overline{R}}{d_2}\bigg)^2=\bigg(\cfrac{6.80}{2.059}\bigg)^2=10.91}$$
平均の分散$${\sigma_{\overline{X}}^2}$$、群間変動$${\sigma_b^2}$$、群内変動$${\sigma_w^2}$$は、
$${\sigma_{\overline{X}}^2=\sigma_b^2+\cfrac{\sigma_w^2}{n}}$$
となります。分散は、群間変動と群内変動を足したみたいな。
問題文と、計算した(20)から
平均の分散$${\sigma_{\overline{X}}^2=7.80}$$、群内変動$${\sigma_w^2=10.91}$$、n=4
式を変形して、群間変動$${\sigma_b^2}$$について解くようにすれば、
$${\sigma_b^2=\sigma_{\overline{X}}^2-\cfrac{\sigma_w^2}{n}=7.80-\cfrac{10.91}{4}=5.07}$$
(22)-(24)はどの管理図を使いますか?問題。
a) 部品のメッキ工程で一定期間ごとにランダムに200個のサンプルをとり、その中のメッキの外観が不適合品となる数によってその工程を管理したい。このような工程を管理したいときには、「(22) $${np}$$管理図」を用いるとよい。
200個のサンプルなので、サンプル数は決まっています。<n>
適合か不適合かの計数方法。<p>
$${np}$$管理図です。
b) 薬品を2日がかりで1バッチ生産している。1バッチを1群としてその収率によって、薬品の製造工程を管理したい。このようなときは「(23) $${X-R_m}$$管理図」を用いるとよい。ここで、バッチとは、ひとつの生産サイクルで一度に生産される単位を表す。
イメージできたほうが良いので須賀、できなくても気にしないようにしましょう。収率って、100kg原料を入れて99kgできました。というとき、
$${\cfrac{99}{100}{\times}100\%=99\%}$$ です。
そのデータは2日間で1つしかないです。そんな変動を見ていくときには、$${X-R_m}$$管理図が良いみたいですね。
c) 1日平均500個の部品を切削しているが、切削数は日によってかなり異なる。毎日2%前後の不適合品が出ている。そこで、各日の切削予定数の20%程度を群の大きさとして、この切削工程を管理したいときには、「(24) $${p}$$管理図」を用いるとよい。
切削数は日によってかなり異なる、各日の切削予定数の20%程度を群の大きさとして、とのこと。サンプル数は不定です。問題文しか情報が無いので「不適合品」の数を管理していると考えます。部品の長さを測定して適合・不適合としているかもしれませんが、問題文からは分かりません。
サンプル数不定で、不適合品数の管理は、npじゃないp管理図です。
サンプル数が決まっていないので、不適合品率で管理します。
細かいところが気になるときは、詳しい人のサイトを見ています😅
ただ、そういう人は情報が膨大なので、ちょこっと問題を解くつもりでここを見てもらえれば、と思っています。
私も勉強中ってところです。
ではー。