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走り続けるウサギと、ふて寝しちゃったカメ。

子供達が『無量大数』に興味を持ったので数の名前について色々調べていたら、一から無量大数まで『もしもしかめよ』の節で歌うと言うのが結構有名な覚え方という事を知り(私は子供の頃スルーしてしまったようだ)早速子供達と一緒に歌って楽しんでいる。

そして歌っているうちに、『ウサギとカメ』の話をあらためて思い出した。
そしてそして、さらにあの落ちこぼれ学生時代(今もだけど)に感じた事が蘇ってきた。

音楽学校で落ちこぼれた話はこちら。

『この学校は、昼寝をしないウサギだらけだ…』

音楽学校の受験を決めてから、合格レベルの当落線上を彷徨い続けた挙句、幸か不幸か首の皮一枚引っかかった私は同級生達のレベルの高さ、そしてなおも努力し続ける姿に圧倒されてしまった。

そして頭をよぎるウサギとカメの話。

あんな子供だましの美談、なんの慰めにもならないじゃないか。
世の中には昼寝をしないウサギがわんさかいて、カメが必死に努力したところで勝てる訳がないんだ。馬鹿馬鹿しい。

そんなネガティブな気持ちにすっかり支配されてしまい、私は大きく出遅れているカメの身でありながら、その硬い甲羅に首を引っ込めるようにして心を閉ざし、脇道でふて寝を決め込んでしまった。

今思い返すと完全に若さ故の過ちというか青い春というかガラスの十代というか(なんか全部微妙に古いなw)、まあとにかく人間として未熟だったなあと思うし、何より自分の行動のモチベーションが他人に左右されているのが致命的だ。

カメであっても、競争相手のウサギではなく自分なりのゴールを見据えて進んでいけば、ウサギを追い抜くことはできなくても、自分なりの納得いくゴールにたどり着くはずなのだ。このお話の本当の教訓はそこなのだということも今回物語を思い出したことで色々調べて理解した。

正直、今でも人間ができてない私は
『やっぱり最初からウサギに生まれたかった』とぼやきたくなる日もある。
いまだに時々甲羅の中でふて寝をキメる日もある。
自分だけのゴールなんて殊勝なものはまだ見えてこない。

それでもなぜか、ヴァイオリンを弾き続けて、仕事にしている奇特なカメが、私である。






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