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ケーブルおかたづけ
8月の末にライブ配信を予定しています。配信スタジオはアーティスト事務所の会議室から。前回この場所から配信した時に、映像が不安定になってしまい、回線環境に一抹の不安を抱えていたところ、社長から「事務所から別プロバイダーで契約している回線をLANケーブルで引っ張ってくるから」とのこと。どうも50mのLANケーブルを買い込んだらしく、すでにオフィスフロアに伸ばしてテストしたみたい。不安材料が一つ払拭されたのと同時に、一つの疑問「事務所にケーブル巻ける人、いたっけ?」段ボール箱にぐちゃっと丸め込んだ50mケーブルを想像し、今から嫌な汗かいています(笑)
「正しいケーブルの巻き方」ってあるの?
ここ1〜2年でライブ配信の需要が爆発的に広がると同時に、あらゆる職種の人たちが参入してきています。ライブハウスやカメラマンさんたちは当然知っている技術を知らずに始める人たちも... ケーブルの巻き方もそんな基本の一つです。
高校時代放送部でケーブルの片付けをみっちりやらされた私、放送部という文化部系の分野にも関わらず意外と体育会系的なスパルタノリの部活で、30mのマイクケーブルを雑巾掛けしながらキレイに巻き取り、最後にXLRコネクター同士をカチっと合わせられるように調整しながら巻けないと、何度もやり直しさせられるという(笑)
その時は先輩にその巻き方の名前を「位相巻き」と教わりましたが、のちにいろんな人に聞くと「逆相巻き」「八の字巻き」など、いろんな呼び方があるようです。
1ターン目、コネクターを自分から向こうに向けて左手に持ち、右手で輪の大きさを調整。
右手から左手にケーブルを渡し
1個目の輪を作ります。
2ターン目、1個目の輪と同じ大きさになるよう、長さを調整しながら右手でケーブルをたぐります。
ここがポイント。2ターン目は右手から左手に渡す時、右手の手首を返して小指側のケーブルを左手に渡します。。
こうすると、3ターン目のケーブルは1つ目の輪と2つ目の輪の間に挟まれた位置から伸びることになります。
イメージとしては、どんどん外側に重ねていくのではなく、外に重ねたら次は内側に重ねるようなイメージ
この2つのターンを繰り返し、外、内、外、内...とかわりばんこに巻いていきます。
考えなくとも勝手に手が動くようになるまで練習練習
なぜ、こんなややこしい巻き方をするのかと言うと、次回、使う時にケーブルを床に置き、コネクターを持って伸ばしていくとヨリがなく、わたまずにケーブルを伸ばすことができるからです。
買ってきたばかりのケーブルは「順巻き」
ホームセンターや楽器店などで「30m巻き」と称して箱売りされているケーブルは、この巻き方ではなく、1ターン目の連続、外、外、外....の巻き方になっています。これは「順巻き」と言います。
順巻きのケーブルはコネクターを持って伸ばしていくのではなく、ケーブルの巻いてある束を、両手でくるくる回転させながら、例えばタイヤを転がすような感じで、解いていきながら伸ばさなければなりません。
ケーブルは工場で作られて出荷される時に、ドラムという大きな糸巻きに巻かれて出荷されます。箱売り用に切り出す時はこのドラムに横棒を通して回るようにし、もう一個のドラムに巻き取るように引っ張り出します。このため、順巻きになってしまいます。
配信現場で使う前に、一度広い場所に解いて、位相巻きに撒き直してから持っていきましょう。