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#Autumn 2024-3

神様はきっといる。
そう思えた9月22日、日曜午後の昼下がり。

東の中山競馬場では第70回、産経賞オールカマー(GⅡ)でルメール騎手
がやりたい放題独り舞台、勝利のお立ち台から、”どんなもんダイ”と
満面大吉の笑顔で、”次のレース、勝てるかどうかは彼次第”と、
自分が乗って勝った馬、レーベンスティールについて話していたが、
恐らく天皇賞・秋に向かうのでないかと思われる。

こっちについて詳述してると、”みんなそこまで暇じゃないんだよ?”と
言われそうなので(特に心の中のもう一人がうるさい)、やめる。

神様がいると思えたのは、その一字が入っている西のレース、
第72回神戸新聞杯(3歳GⅡ)である。

今回場所は神戸と大分離れた名古屋方面だが、レース名は神戸新聞杯の
まま(中日新聞杯は既にあるし、名古屋日刊スポーツ杯なんてレースも
ある)、まぁスポットで開催場所を変えるだけでレース名まで変える
必要はないと思うが、レースコースの都合上、距離が通常阪神競馬場で
行われている芝2400mから芝2200mになっている。
(前回の振り替え開催時もそうだった)
こうなるともはや別のレースだと思う。

が、それはともかく。

レース開始頃、雨がぱらついてきた中京競馬場。
神戸、泣いてどうなるのか、と思って観ていたら、メイショウタバルが
やってきた。
鞍上は浜中俊騎手。

大逃げとなり、ゴール前、後ろからかなりせまられる形にはなったが、
堂々の1着でゴール板前を走り過ぎる姿を観ながら、
(神様っているんだ・・)と思った。

ひと月ほど前の事。
8月25日(日)の札幌、芝1200mのGⅢ、キーンランドカップ。
単勝2.2倍という人気を背負いながら、スタートして終始、内側べったりで
追走し、ゴール前、ラチ沿いに追ったが届くはずもなく、
1着から0.4秒差で5着となったナムラクレア。

1枠1番の最内だったからああなってしまった、なんてデビュー戦で
圧倒的1番人気の新馬を飛ばした言い訳みたいな事はさすがに言って
ないと思うが、主戦騎手である彼は、なぜナムラクレアの背中の上で、
開催最終週の荒れた内を追走する事を選択し、最後の直線、
そのまま内ラチ沿いを追い出したのだろうか?

荒れた馬場を追走すれば消耗するだけだと思うし、そこで追っても
さほど伸びず、地を掻きこむ脚の動きが鈍るだけだと思う。
あの内を終始追走した上、ゴール前、なおもその荒れた所で、
最大負荷がかかっても、伸びるイメージが全くわかない。

開催最終週の馬場の状態なら、素人が知っている以上に、彼の方が
知っていると思うし、知りながら内を行き、最後直線、ゴール前で
差せるイメージが彼にはあったというのだろうか?
いやあったのだろう・・・多分。

「休み明けで順調に来たこともあって、年齢的に力むことなく、精神的にゆったりしていました。狭いところに入ってしまったのは私の判断ミスです。スムーズだったら際どいところまで来られたと思います」

レース後騎手のコメント

この判断が、スタート後、馬の状態を見て下された判断なら何も言う
事はないが、あくまで私の妄想だが、この人はスタート前から内で行く
って決めていて、それを実行しただけなのではなかろうか?
あの乗り方を見るとそうとしか思えない。

スタートしてみたら出足つき過ぎたんでそのまま行っちゃいました、
ならわかるが、この時のスタート直後のナムラクレアの出足は、
あまりよくは見えない。
むしろナムラクレアの首を押して自分からそのまま最内を真っすぐ
前に直進していっている。
後ろに下げる余裕はあったけどそれはスルーして。

スタート直後最後方まで下げて、後ろから行っても勝ち負けできる
脚をナムラクレアは持っている、と私は思う。
内から行って馬群を捌く経験積ませたかったなどと、もう5才になる
牝馬に言いはすまい。

なぜ?
何をどう考え、どういう目標があれば”内から”という発想に?
意味がわからない。

何を狙って、あえて”内”にこだわったのか?
実際に浜中俊騎手に聞いてみたい。

・・・違う違う!浜”中”!・・・ちょ待っ!・・ぎえぇぇぇぇぇっ!やめ・・・!
げほっ!ぐぼっ!・・ぐげぇぇぇぇ!・・なんでや?・・”浜”しかおぅてへんがな・・


・・・・・何か向こうが騒がしいが、続けさせていただく。
最後方まで下げ、最後の直線、外から捲くるというのは馬にかなりの負担を強いる事になる為、リスクが伴う。
そうしたリスクは、本番のGⅠ、スプリンターズステークスまで取って
おきたい、という事だったのか?

9月14日(土)、中京10レース、レース中の浜中騎手の斜行により
菱田騎手が落馬負傷、浜中騎手は9日間の騎乗停止となった。
つまり、スプリンターズステークスでナムラクレアには乗れない。

そうした事情が影響してかどうかはわからないが、神戸新聞杯の勝利
ジョッキー・インタビューの浜中騎手は、全てが裏目となっている
状態の中での勝利に、”神様はいる”と感じていた私の思いなどと
ウラハラに、遠くを見ているような、どこか上の空な感じがした。

今年の春の毎日杯(GⅢ)でも、雨の中、重馬場を逃げ切り、6馬身差で
圧勝したメイショウタバル。

毎日杯に続く皐月賞でも、逃げをうち、1000m通過57秒5というハイペース
で中山競馬場を湧かせ、最後直線で捕まり、出走17頭中17着に沈むという、
スタートして走りだしたら誰にも止められない、爆走の血脈を正しく継承
している事を証明してみせた。

パンサラッサがいない今、爆走の血をたぎらせるのはこの馬をおいて他に
いない。
ケガで出走取消となったダービーの無念を晴らす為、菊の大輪を咲かせ
たい、そのメイショウタバル。
父は、あのゴールドシップである。

ゴールドシップについて書いていくと記事10本分ぐらいになってしまう
と思うのでやめておく。
今回も3000文字を超えそうだ。
(私にしては少ない方だが)

興味のある向きはネットで調べてみて頂きたい。
”超個性派俳優”とだけここでは書いておきたい。
以下は3年前に私が書いたものらしい。
長いので、時間に余裕のある方だけ、よろしければ。

そのGⅠを6勝している父のゴールドシップ、6勝の中には菊花賞も
入っている。

あの個性派俳優の息子、メイショウタバルがダービーの無念を晴らす、
菊花賞親子制覇達成、なんて夢を見たくもなるが
ちょっと考えさせてもらいたい。

今回の神戸新聞杯、スタートしてから最初の3ハロンこそ、12.7-11.0-11.7
とそこそこのペースで来ているが、そこから12.4-12.2-12.0とかなり
楽なペースになっている。

道中4~6ハロン目でこれだけ楽に行ければ、上りを36秒(メイショウ
タバルのラスト3ハロンのタイム)でまとめられる。
十分勝てるパターンだ。(実際に勝っている)
最後、2着馬ジューンテイクに半馬身差まで詰め寄られているが、
スローペースでまんまと逃げきれた。

それはいい。

最後の3ハロン。
11.8-11.7-12.5・・・12.5??・・・え?

(あきらかなガス欠やないかぃ・・・)

神戸新聞杯は2200、菊花賞は3000m。
2200mで4~6ハロン目をあれだけ楽にスローペースで行けたレース
で、最後バテバテて・・・
(スタミナ無いっちゅう事ちゃうん?)

・・・・・ようやく秋めいてきた。

まだ時々、日中うだるように暑い事もあるが、季節は今、
概ね秋である。

秋と言えば競馬だ。

いよいよ明後日の”スプリンターズ・ステークス”(芝1200m・中山競馬場)
から秋のGⅠ戦線が開幕する。

先のナムラクレアが負けたキーンランドカップで2着に0.3秒差つけて
勝ったサトノレーヴが結構人気すると思うが、あれは鞍上が、
誰かと違って馬場の真ん中、芝目の一番いい所を走らせたからで、
ダミアン・レーン騎手のそのファイン・プレーあっての事である。

過剰な評価は危険だと私は思っているが、もしかしたらその評価が
正当なのかも知れない。

(何年か前、もう乗らなくなって中古屋に引き取ってもらった
”ママチャリ”、元気に誰かに乗ってもらってるかなぁ)




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