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櫻坂46 10th single『I want tomorrow to come』TV披露と収録各曲を聴いて〜


23日発売の櫻坂46 10thシングル『I want tomorrow to come』の収録楽曲を聴いてみた。
今回のフラゲもJoshin電気さんの到着が一番早かった。安い早いで言う事なしだ。
さて、今回のこの7曲の構成はよく練られたものだと思う。
これまで通り(それ以上かも知れない)制作時間に制約はあったろうが、素直に良曲が並んだな〜と私は受け取った。
IWTCのTV番組披露の印象とあわせて感想をまとめてみた。



I want tomorrow to come  ❲表題 / 山下瞳月 C❳
                      作曲 ナスカ
                編曲 mellow

およそシングルとしてこの曲が相応しいか⁉と問われると、多くの人が口ごもるのかも知れない。
Spotifyの収録時間をみると『僕は僕を好きになれない』が4:07『本質的なこと』が3:59に対して本作は4:14である。意外なほどに大きな差はない。
過去の表題曲で言えば、例えば『五月雨よ』が5:16『Nobody's fault』が4:29でIWTCより長い。
つまり、曲の収録時間とは別の感覚を我々が受け止めているのだろうか。
一言で言えばスケール感と言ったものか…
緩→急→緩のセクションを見事に連続させ構成したこの曲は、聴いてみたら、その長さをさほど意識させない特徴もある。一気に聴き込めるからだ。

音楽番組初披露だった19日のNHK Venue101では予想通りのTVサイズとなり「やはり、これじゃ良さが伝わらないよ…」と悔しがる声が多かった。
いわゆる1+1/2(ワンハーフ)というTV標準サイズでさえも縛ることの出来ない構成の楽曲なんだから、仕方がないと言えば仕方がない。まぁいきなりしーちゃん横たわっての歌い出しには驚いたが…

21日のCDTVライブ!ライブ!では、いつも通りのフルサイズ披露で (とてもありがたいことだ!) あぁ…何たるパフォーマンスなんだ…と、圧倒されて気が遠くなりそうだった。怖くなるくらいに…
そして的野美青の存在感が、衣装も似合っていることも相まって、とても強かった。

さて、この二つの構成の違いを、ただ単にいい悪いで論ずるつもりはない。だが、その対比をみると櫻坂が気になって彼女たちのことをもっと知りたい〜と思うキッカケとしての主要な入り口〜音楽番組の位置づけは、今どんなところにあるんだろうなぁ…とあらためて考えてもみた。
多くのメディア•SNS媒体が混在し、入り乱れている現在、どの方向の、どのチャンネルから対象に関心を得るのか〜は、まさに人それぞれだろう。
音楽番組ではバッサリ編集されるのをわかりきった上で、それもやむなし〜との判断をして、この曲を表題に選んだことに、運営側の思惑と、もっと言えばそこにある種の勝算(賭け)があったのかも知れない。いや、あったのだろう。TV披露での現実には敢えて目を瞑ってでも、トータルとして獲得出来るものがある〜として。

一方で興味深かったのは、21日放送•配信のそこさくで、キャプテン松田里奈がロケ地巣鴨で圧倒的な知名度を誇ったことだ。やはり朝の情報番組の影響力は侮れないな…と思うと同時に、まつりのキャラクター自体も強く支持されていることは見逃すことの出来ない歴然とした事実だろう。
オールドメディアの代表として再三やり玉に上げられるTVだが、だからと言ってそれを無視していい存在では決してないこともよくわかる。
つまりは、あらゆる機会(チャンネル)から様々な人が導かれて、武元唯衣が言っている〜ライブにまで来てくれたらこっちのもの〜との「目的と手段」のスタンスが運営•制作•スタッフ側、そしてメンバーの基本にしっかりあることの説得力が増してくるのだ。

いずれにしても、この「IWTC」は化け物のような楽曲であり、それをパフォーマンスする櫻坂46のメンバーへの畏怖の念をあらためて抱いたのだった。

本質的なこと  ❲共通カップリング/遠藤理子 C❳
                作曲 yoss
                      尾上榛 
                編曲 TomoLow

MV制作をした3曲をいづれも三期生センターとした判断には、一定の戦略性を感じずにはいられない。
そして、そのセンターが山下瞳月•村井優•遠藤理子だという事実にも驚きがある。
加入当初のドキュメンタリーでみた三人の状態を考えると、この二年足らずの月日でこんな展開になるなんて一体誰が予測出来ただろう?

そして本楽曲の放つ透明感は、遠藤理子の声質と歌唱センスによるところ大だが、こうしてグループの魅力の巾広さを確実に表出していく起用の一手には唸らされるものがあった。

僕は僕を好きになれない   ❲BACKS/村井優 C❳
                作曲 河原レオ
                編曲 河原レオ

MV公開後、制作者側からMVの意図についての発信もあった。
なるほど地を這う芋虫から蛹へ、そして同じ志を持つ仲間として羽化し翔び立っていくストーリー…
楽曲〜ロケーション〜衣装〜そしてパフォーマンスと、新しい表現をBACKSが出来ることに、このグループの頑然たる強みがある。
あるFFさんが評した『胡蝶の夢』とは、まさに言い得て妙だな…と、深く頷いた。

さて、村井優だ。
選抜復活への“用意されたシナリオ”(敢えて意地悪な言い方はご容赦を)以上のパフォーマンスを見せつけて、有無も言わさぬストーリーを記して欲しいと願っている。当然、そこには選抜を巡る様々な思惑も交錯していることも承知の上で。



今さらSuddenly
❲田村保乃•守屋麗奈•石森璃花•中嶋優月/Type-B❳
              作曲 杉山勝彦
                 GINPEI
                             編曲 GINPEI
                                杉山勝彦

発売直前恒例の未公開4曲”チョット出し“では、この曲が一番気になった。果たして歌唱メンバーは誰なんだろう?と…
そして、その4人が明らかになった。
私は以前から田村•守屋のユニットをつくるべき〜と言っていたが今回ようやくそれが叶った。
石森と中嶋を加えてのユニットだが、この4人の組み合わせがこんな曲調なんだ…と、それはまたいい意味で裏切られた。

杉山勝彦ファミリーが櫻坂でもワークスを進めていく方向なのか?
石森璃花の歌声がいい。ジャカジャカエレキギターもいい。しかしアイヤイヤは感心しない。
折角の音が、御大の歌詞によって壊されてしまう典型的な例となってしまったと言わざるを得ないが、この4人がライブパフォーマンスでキチッと魅せてくれるに違いないと信じている。

嵐の前、世界の終わり ❲一期•二期•三期/Type-C❳
               作曲 村井 大
               編曲 村井 大

「世界の終わり」と言えば我々オジサン世代には、4人組バンドのSEKAI NO OWARIではなく、村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』だ。
小田倉麗奈がこの10thの歌唱メンバーには加わっていないとしても「全員曲」であるとの認識は間違っていないと思う。

『魂のLiar』と似た系統の曲を敢えてあてることの意図は正直よくわからない。いわゆる反戦歌というものか。そしてアンセムをあらためて投入するのか⁉

ただ私は、全く場違いでマッチしていないコールよりも、この曲で会場全体がクラップしグルーヴする方を圧倒的に支持する。


19歳のガレット      ❲BACKS/Type-D❳
               作曲 宮川 晋
               編曲 APAZZI

ほぅ〜次はガレットと来ましたか〜
クロワッサン、クロックムッシュ、そしてガレット…
すっかりおフランスな御大は、自らも参画しているBRUTUSの手土産特集やGOETHEのグルマン特集から、そのヒントを得ているのだろうか?

19歳は(じゅうく)とふりがなが振ってあった。
つまり「じゅうくのガレット」だ。
いわゆる“乃木坂”テイストを感じるが、こんな楽曲も組み込める今の櫻坂の柔軟性にも注目している。

19歳当時を振り返っての詞ではあるが、ここは19歳と言っても何ら違和感のない上村莉菜に、幸阪茉里乃と小島凪紗の”いつメントリオ“をフロントに並べて欲しいなぁ…などと思ったりもする。
まぁさすがに村井優の歌い出しと聴こえ、『僕は僕を好きになれない』とほぼ同じ布陣のようだ。

先行の部分音源では「元気カワイイ」系の楽曲と聴こえ、正直余り期待していなかったのだが、予想に反して中々いいじゃないか〜と思った。「僕僕」同様、一節を歌い継ぐスタイルで「みんなが参加」していると思わせる手法がいい。
これを歌い継ぐ順番も「僕僕」と同じ⁉と感じさせもした。今のところは知らんけど…

青春って言葉がずっと嫌いだった
刹那的なように思えてたんだ
昔を振り返って あの頃輝いていた
そんな風に語るのはごめんだった

櫻坂46 『19歳のガレット』

『何歳の頃に戻りたいのか?』と同様の近年の秋元康の共通のテーマ〜過去を振り返るよりも、未来を意識させる〜ものでもある。
しかし、これアニラやバクラで披露して、むーちゃんやふーちゃんが躍動したら泣いてしまうな…


TOKYO SNOW                     ❲選抜/通常盤❳
               作曲 水流 雄一朗
               編曲 水流 雄一朗

東京の雪ときて連想するものと言えば、何をおいてもあの名曲『なごり雪』であろう。
このタイトルを訊いた時、秋元康はどんなテーマで作詞をしたのだろう?と大いに興味を持った。
秋元康がそれ(なごり雪)を意識していないはずがない〜と、私は勝手に決めつけている。

雪(冬)を題材にした唄はやはり名曲が多い。
桑田佳祐『白い恋人達』
山下達郎『クリスマス・イブ』
L'Arc~en~Ciel『winter fall』
など上げればきりがない。
ちなみに海外で雪の唄と言えば、私にはプリンスの
『Sometimes it Snows in April』で決まりだ。
まぁこれは余談…

さて、まさかの山下瞳月のポエトリーリーディングから始まった。同じ作曲者による日向坂の『Cage』も同様の入りだからそこは狙っているのだろうか?

しかし、この皆で歌い上げていくスタイルがとてもいい。ピアノの響きもいい。
秋元康の詞は、どこかで聴いたことのあるフレーズなのだが、雪景色を唄うとしたら必然的にそうなる。彼にしては中々に素直な言葉が続いている。

東京に降る雪は 物悲しいよね
積もらないことを知っているから

櫻坂46 『TOKYO SNOW』

この櫻坂の冬唄は是非歌い継いで欲しい一曲だ。
特に東京を会場にしたライブで聴けば感激もひとしおだろう。
幕張も広い意味では東京と言えなくもないが、そのあたりはどうなんだろうね。



『なごり雪』の作者の伊勢正三は、東京の雪をテーマに別の歌も作っている。
時の流れと共に、あぁ今はもう東京に雪は積もらないんだ…と言ってもさすがに都心部に限ってのことなんだろうけど。

2センチ足らずの雪が 科学の街 東京を
一日でぬりかえる
その変わらぬ雪の色に 人は何を思うのだろう
変わりゆくこの日々に

風 『そんな暮らしの中で』


全員が納得する そんな答えなんかあるものか

このフレーズが以前にも増して目についてきた10th期間の始まりだった。
選抜フォーメーション〜三期ラでのコール論争などから続いているこの微妙な空気感は、何だか嫌な感じだな…と思ってもいた。
そしてそれに続き楽曲参加数で、また一悶着あるんだろうな〜と思っていたら…

アニラでどこまで披露されるかは、9th楽曲との兼ね合いもあり、もちろんわからない。
しかし、上村莉菜•齋藤冬優花両名の参加曲は是非共多く披露して欲しい。


尚、私の今回のライナーノーツベスト画像は〜
Type-Cの『嵐の前、世界の終わり』見開きページの田村保乃で決まりである。
まさに終局の世界に降臨した女神をも思わせる雰囲気だ。誕生日と2nd写真集発売にあらためておめでとうと言おう♪
また、Type-Dの増本綺良、幸阪茉里乃のきらまりツーショットが眩しく嬉しいものでもあった。

10thでの楽曲展開は、私個人はとてもいいと思っている。櫻坂は進むべき方向に明確に舵を切ったと言えるのかも知れない。

そしてもう、ひと月後にはアニラである。
一雨ごとに寒くなってきている。当日はどんな天候になるのだろうか?
「天候こそ最大の演出者」と言われているように、穏やかな空と熱いライブを心待ちにしたい10th発売日の率直な気持ちだ。

I want tomorrow to come…

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