櫻坂46 4th YEAR ANNIVERSARY LIVE 参戦記〈Day_2〉
前日の海浜幕張駅の大混雑に巻き込まれて、疲労困憊で熟睡し目覚めた朝となった。
どこかへ出かける気力も削がれてしまっていたが、ホテルにこもるのもアレだしな…と思い、朝のZOZOマリンをのぞいてこようと一旦会場に向かった。
今回は稲毛海岸駅近くのホテルに宿泊していたので海浜幕張駅に5分余りの京葉線乗車となる。
2日目のライブに向かうその車内で、あんスタだろうかイコラブだろうかメッセでイベントがある人たちだろう女性二人組の「向こうは5時開幕だから終わりの時間はずれるだろう〜」と言った会話が聴こえてきた。
「ハイ、私はその向こう側の人間なんですけどナニカ?」とまぁ昨晩の海浜幕張駅の大混雑をみても、一つ界隈が違うと色んな世界があるんだな…と実感した。
プロムナードをZOZOマリンに直進する者、幕張メッセに右折する者とその運命は分かれている不思議さに人生とは…と、この道が京都にある哲学の道に対する「東の哲学の道」となっていた。
二日目の座席は初日と同じ、フロア2の1塁側でより内側(ホームベース寄り 204ゲート)になった。
昨日、右側のモニターで見えなかったメインステージの構成がこの角度だとほぼ判るものになった。
緑の植栽はもちろん目についていたが、グリーンハウスまであったのか…と確認出来た。
そしてメイン後方の鉄骨のアーチに植物が絡まっている様子が伺えた。
さしずめ、これは〜
「SAKURAZAKA in the Garden」だな…と。
しかし、我が櫻坂がただ単にきれいなお庭を再現するはずもあるまい。そこには何らかの意図があるはずと考えてみた。
「破壊と再生」をテーマにリスタートしたグループの歩みの中で、新しい生命の息吹(三期生との融合そしてこれからの四期生加入も…)を象徴し、常緑のグループを築き上げていく想いが込められているのかも〜と。
この日のライブレポはあらたに気づいた点を中心に記していくこととする。
影ナレ
森田•増本
この組み合わせをなぜアニラに?との疑問は尽きないが 笑
この先も森田さんのお顔が守れます様にと、私も事前に品川神社にお参りしてきたところだ。
① ドローン旋回中⇄Anthem time
204ゲート近くの座席から見ていると、スタッフがそのゲートを封鎖している様子が判り、そこにメンバーが来ることは明らかだった。果たして誰が…
私には3rdTOURでの福岡、愛知公演以来の至近距離での機会だ。
そして現れたのは、前半が的野美青〜後半が上村莉菜だった。お二人共お顔が小さいちいさい〜
客席のかなり近くまで寄る美青グッドの愛嬌に笑みがこぼれ、むーちゃんを生のライブで見れる最後の機会がこの距離だったのには感激した。
1月の京都リアミーでは感謝の気持ちを伝えたい。
MC〜松田
② 嵐の前、世界の終わり
雷鳴が嵐の前を予感させ、ステージ上の松明の焔と真ん中の台座に君臨する山下瞳月をみると、何やら女王を中心にした儀式のようにも映る。
センステに移り、その山下を頂点〜要にした櫻坂フォーメーションはやはり力強い。
この形が私の大好物♪
君と僕は伝説になった
③ 何歳の頃に戻りたいのか?
天ちゃん気合い入りまくりのこの曲だが、他のメンバーも負けてはいない。
むらいゆお得意のニ回転など、それぞれに表現の幅と自由度を担保しているのが、このグループの強みでもあるのだろう。
④ BAN
変わらないっていけないことなの
発表当初から様々な解釈をされてきたこのフレーズは、時の経過と共に受け止め方も、その言葉とは裏腹に変化してきたのだろう。
MC〜松田
⑤ 一瞬の馬
水滴が落ちるかのような効果音のイントロが印象的なこの楽曲が日替わり曲でなかったのは嬉しい限りだ。
さてTLなどの情報をみてみると、私はここに遠藤光莉も参加していたと勘違いしていたようで、想いが先行して混同してしまった。
センター藤吉夏鈴をはじめ、メンバーの内なる静かな願いを体ごと表現するパフォーマンスも素晴らしいからこそ、この楽曲のよさが際立ってくる。
アニラだけでなくツアーでもどうかよろしく〜の一曲だ。
⑥ 本質的なこと
モニターが遠藤理子を捉える。「えっどこだ⁉」と探していたらセンステからメインに進んでいた。
それは3rdアニラ「静寂の暴力」での山下瞳月と同じ歩みだった。
このシチュエーションとくれば当然「本質的」を演るな…と予想はつく。
他の三期生たちに迎え入れられながらポジションにつく。
恐らく三期生内でしっかりとリハとミーティングを重ねてきたに違いない。
えんりこが一年前からは想像出来ない〜と言うほどに成長したのは先輩はもちろん、やはり同期のフォローがあってこそなんだな…と、そのパフォーマンスから伺えた。
⑦ TOKYO SNOW
後方ヴィジョンに映るビル群が、丸の内の丸ビルと新丸ビルの並びのようにも見え、再開発が進む八重洲一帯と合わせた東京の象徴をイメージしているかの印象を持った。
こうした演出を含めてみると、やはりこの楽曲はいいな…と再確認した。
安易に人工雪を降らさないのもいい。
東京に降る雪は(比喩としても)積もらないんだから…
MC〜山﨑•中嶋
小池美波の言葉には思わず涙がこぼれてしまった。
感極まったみいちゃんに、会場内から多くの「がんばれ〜」の声がかかっていたが、そこはどうなんだろうな…と正直戸惑ってしまった。
時と場合によるし正解はわからないが、基本的に見守る立場は続けていきたい。
天ちゃんがネガティブにならない様に、意識的にフォローし盛り上げているのが救いだった。
それを引き継いだ中嶋も「皆さん元気ですか〜私も元気で〜す」と盛り上げたが、それって中山美穂主演の映画『LOVE LETTER』の名シーン〜お元気ですか〜私は元気で〜すを思い出してしまった。これがわかる人はいるのかな?
⑧ 桜月
守屋麗奈が余りに美しかった…
その一言に尽きるが、やはり櫻坂にとってのターニングポイントになったのはStart over!との見方が大勢である中で、その実、この桜月こそがそうだったんだ〜と私にはあらためて思える楽曲だ。
小林由依の卒コンでの、彼女からの大いなる”置き土産“ともなった桜月だが、守屋はその想いを十分に受け止め表現している。
MC前の、TOKYO SNOWの雪が降る映像に引きずられていたが、やがてそれがサクラピンクと共に、櫻吹雪に変わる演出で「あっ桜月か!」となった。
雪は春先に櫻へと変わるだろう…と、山下達郎のクリスマス•イブ風に受け止めてみた。
櫻の名を冠するグループとして、これからも日本の四季を取り上げた楽曲に取り組んで欲しいとあらためて思う。
⑨ 標識
最初はその状況を整理し飲み込むのに幾分のタイムラグがあった。
会場でもその「えっ⁉」という空気感で覆われたと言っても過言ではなかろう。
なんでここにいるの〜小田倉さん…
恐らくここに焦点を当てて来たのだろう。
同じくこの楽曲に参加している向井純葉と共に、そのコンディションを心配してしまうが、本人と然るべき人たちがそう判断したことを我々は受け止めるしかない。
えんりこの歌声に加えて、小田倉の歌声も聴かせる曲だからこその驚きありの嬉しい披露であった。
⑩ On my way
久々のふたりなの姿をみて、思わず笑みがこぼれた。
三期生ユニットの後で、しっかりと余裕のお姉さんしている。
ユニットでの日替わりリストで、松田里奈の2曲を入れたことには、大いに意味があると思える。
運営陣からの彼女への労いの意味合いもあろう〜そしてBuddiesにも彼女を称えて欲しいと…
⑪ 今さらSuddenly
あのイントロと共に“突然”バクステに現れた4人。
まさに「お顔がお強い」ユニットだ。
そしてこの曲もこのアニラで披露するのか…と驚いた。
事前には、評価が分かれている楽曲では?と見受けられた。
しかし、そこは「櫻坂あるある」で、ライブでその評価を高める一曲では〜とも感じた。
そう思えば、毛嫌いしているアイヤイヤもまたご愛嬌で一興か〜と 笑
⑫ ブルームーンキス
ブルムンを日替わりにしなかったことにも、また意味あることなのだ〜と感じた。
後方ヴィジョンに映る月がこのアニラでは印象的だったが、私には時に地球にもみえ、また違う惑星にも見えた。
そして、私は意味合いが違えど、村上春樹の1Q84を連想してもいた。
不易流行とか、伝統と革新とかの言葉を持ち出すのは、さすがに仰々しいが、5年目に入るグループも基本的にはそんな意識が運営側のベースにあるのだと想像する。
初期曲をどう丁寧に扱うかも今後の課題になってくるのだろう。
⑬ 思ったよりも寂しくない
サクラミーツやそこさくでもしっかりイジられる、ちゅけの始球式大暴投が頭をよぎるサインボール投げだが、モニターにあきぽが手加減なしに全力投球する?姿が映っていて、そのボールの行方が気になって仕方なかった。
⑭ 最終の地下鉄に乗って
初日でも思ったことだが、ペンライトをイエローに素早く変える人が多いことに、この曲へのBuddiesの想いが表れているのだ〜と感じた。
MC〜小島
マモリビトの口上も同様だが、こんなぎ先生が新入生にオリエンテーションを行っているかの錯覚に陥ってしまう。
⑮ Start over!
ライブ後、遠藤光莉からトークでの着信が届いた。
淡々と抑制的に語るその姿勢が却って苦しくも感じられたが、本人がポジティブに進んでいくと話しかけている。
また、トークやブログで送られてきた彼女の出番のない最後のブロックの衣装を着ての画像にも彼女の想いと共に、ちゃんと衣装も用意しているスタッフ側の姿勢も受け取れる。
それが全てだと思う。
それを置いても、このパフォーマンスには驚かされた。
ただ、新しい解釈のパートの見方も含めて、今の時点で冷静に語る心境には申し訳ないが、正直至っていない。
もう少し時間がかかるのだろう。時が解決するということも含めて…
⑯ 静寂の暴力
今回はバクステから山下瞳月が登場しセンステに移動する。冒頭、習志野の花火大会での花火の音が響いて来る。まずいな…と思ってたが、やがて止んだようだった。
『静寂という名の音が存在する
それは確かに聞こえていた』
無音という名の音〜それは時に花火のような空耳かも知れない〜と思いもした。
最後の山下瞳月のモノローグの空白は何秒だったろうか?
⑰ マンホールの蓋の上
その静寂を引き裂く「マンホール」の激しい音。
この流れがいい。
その演出にうってつけの一曲だ。
ZOZOマリンに響くクラップが最高にグルービン!
⑱ もう一曲欲しいのかい?
「ZOZOマリンまとめてかかってこい!」
低く抑え気味に入っていく山下瞳月のバイブレーションが好きだ。
言わば“山下瞳月のバイブス”と言ったところか…
自転車にも上手く乗れないほどの運動音痴なのに、彼女のそのリズム感はさすがである。
もうしーちゃんノリにノッている。
「Buddies!態度で示せ!」
昨日は何かぎこちなかった「もう一曲」だったが、Ride on, la-la-la la-ta-ta
観客が呼応する形で応えるとZOZOマリンに独特のリズムの渦が生まれる〜
一日で修正し、かなりフィットしてきたように感じた。これもBuddiesの適応力か。
⑲ 承認欲求
もう圧巻の一言に尽きる。
披露の場を重ねるごとに凄みを増してくる、この曲とパフォーマンスに今後の強く明るい可能性と未来をみる想いだ。
そしてここでも敢えて言わせてもらうが「オー、フッフッ」はその曲の魅力をぶち壊している。
何でもかんでもコールぶち込め〜の“承認欲求”に付き合うつもりは更々ない。
⑳ 自業自得
この最終ブロックの怒涛のセトリは現時点での最適解で強固なものだろう。
そして、そこに割り込んでくる楽曲が、これからも提供されるに違いないとの確信もあるだけに楽しみは膨らんでくる。
㉑ I want tomorrow to come
TOKYO SNOWの雪や、桜月の櫻吹雪が降る映像は、当然上から下へのものであったが、この曲での最後のセクションの映像演出が、下から上への、水泡なのか蒸気なのかの何かが沸き上がるものに変わっていた。
これからも魅力を生み出していく、上昇していく〜との決意の象徴でもあるのか…
序盤の、嵐の前、世界の終わりのラスト〜TOKYO SNOWのポエトリーリーディングの最後〜そしてこのIWTCのラストで、山下瞳月が涙ぐむ場面が見受けられた。思わず感極まったのであろうか〜彼女にかかるプレッシャーを思えば、それは無理からぬことだと思えた。
しかし、山下瞳月はそこで終わらない。
本篇最後にしんがりでステージから去る場面で見せた櫻ポーズの美しさと、彼女独特の微笑みに山下瞳月の凄さをみることが出来たからだ。
繰り返しになるが、やはり私は、森田ひかると山下瞳月がグループの核になっているし、今後も変わらないだろうと、このアニラで確信した。
そして、新たなに加わるであろう若く強い後人の登場に注目することになるのだろうと…
初日に引き続きエンディングで花火が上がった。
最後の花火が枝垂れ柳だった。その花火は私の好きな花火だ。
幕張の夜空に魅せた鮮やかな花火は、まさに祝祭を飾るに相応しいものであった。
En-① Buddies
MC〜松田
En-② 櫻坂の詩
ここはそれぞれに、今の心のままに想いを述べたメンバー(山下•山﨑•田村•松田)の言葉に尽きる。
松田キャプテンの「これからも見たことのない景色を皆さんと一緒にたくさん見に行きたい」の言葉にグループとファンダムの指標をみる。
櫻坂とBuddiesは永遠に…
「EVER GREEN」が今回のコンセプトと理解した。
予想通り2日間でセトリは変えてきた。
ノバフォがなかったのは意外だった。摩擦係数も残念だった。
しかし、それがネガティブな意味でこのライブを性格づけるものでもない。むしろ、4年という節目で、あるいはこの1年のスパンで、櫻坂46が披露すべきラインナップとしてセレクトされたものであることがひしひしと伝わってきたからだ。
もう「あれもこれも」と望んでも殆ど叶わないほどに、グループの持ち歌(戦力)がある現実に、改名当初のセトリなどのライブ構成に四苦八苦していた時期が懐かしくすら感じられるほどだ。
そんな中で驚いたのは、このハードなスケジュールの中で、ミニラを待たずに、10thのカップリング曲のうち、来月のバクラで初披露されるであろうBACKS曲を除いてセトリに入れてきたことだ。
今後のCDJや5thTOURまで温存しなかったのだ。
私は振り入れ等で、時間と負担がかかることを想定し、10th楽曲をアニラに間に合わせるのは現実的ではないと踏んでいただけに「これはメンバー•スタッフかなり頑張ったな…」と唸ってしまった。
さてそれらを踏まえ、ここで、もう有り体に言ってしまうと後半の畳み掛けの構成も含めて、グループとしての表現に一定の高みが見えて、今後の展開に苦労するのでは…と、余計なお世話な心配もしているところもある。
しかし、そこは多くの毀誉褒貶の言葉の中で、揉まれてきた櫻坂運営だ。(あくまで誉め言葉です)
一つ間違えば、言わばプラトー状態に陥っていく危険性もあるわけだが、これまでそうだったように、それを回避し凌駕していくことを軸にあらゆる企画を練っているに違いない。
さらに、四期生加入も次の大きなうねりを起こす一つの力にしていくのだろう。
今回のアニラで、それぞれの楽曲のパフォーマンスから、4年間の歩みとその集大成をみたのは当然なんだが、さらに今回印象深かったのは、メンバーそれぞれのMCが、定型のお礼や、お決まりのきれい事ではなく、まさに心の底からの、今の自身の心の有り様を、真正面から率直に言葉にしてくれたことに感激した。
ここにも櫻坂としての4年間(三期生はその半分の期間で)の成長をみたのであった。
サプライズの新たな発表はなかった。
寂しいと言えば寂しいが、それでいい。
むしろ、これからもスケジュールはビッシリで休む間もないほどなんだから…
それでも、つかの間のインターバルを入れて休んでもらうことに専念してもらいたいほどだ。
ありがとう 櫻坂46
『GO TO THE V』