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『経る時』 松任谷由実

【私の音楽履歴書 】#2 松任谷由実 ①

東芝本社があるエリアで「芝浦プロジェクト」なる再開発計画が進んでいるとのニュースをみた。ご多分に漏れず、複合ビルの高層階は外資系のホテルが入るらしい。そのブランドは「フェアモントホテル」まぁ我々下々の者には、一生ご縁のない場所であることは間違いないだろう…

さて『Fairmont hotel』といえば、カタカナ表記で『フェヤーモントホテル』と呼ばれたホテルが以前千鳥ヶ淵にあったことをご存知だろうか。今は三井不動産のフラッグシップ的な超高級マンションに建て変わっている。

そこは、松任谷由実のアルバム『REINCARNATION』(1983.2.21/東芝EMIより発売) の最後に収録されている「経る時」(ふるとき) のモデルになったホテルとして知られていた。

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私の中では「経る時」は、ユーミンのベスト3に入る作品だと思っている。それだけ思い入れのある楽曲なんだが、ファン心理として、モデルになっているとされるホテルに行ってみたい…出来れば宿泊もしたい…と強く願っていた。

2002年にホテルは閉館となったのだが、その数年前(いつだったかは記憶が定かでない)私用で上京した折に宿泊する機会を得た。戦後GHQの要請で外国人向けホテルとしてオープンしたという歴史のホテル。九段下からだらだら坂を上ってお濠沿いに進み、フロントでは紳士的なスタッフが迎え入れてくれた。客室の天井は配管がむき出しで、いかにもかつてのアメリカのホテル風といった趣であった。残念ながら桜の時期ではなかったが、ホテルも周辺もとても静寂で印象的な場所であったと記憶している。

アーティストが日本武道館で公演したり、桜の時期、花見で賑わう千鳥ヶ淵の映像をニュースで見る度、朧気ながらもあの時の記憶がよみがえる。もちろん「経る時」を聴く時も…


四月ごとに同じ席はうす紅の砂時計の底になる
空から降る時が見えるさびれたこのホテルから
                                                        作詞 作曲  松任谷由実

          

№ 006

【後記】

思いつくまま、思い出すままに私が好きな曲、アーティストについても、折節、記していきたい…



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