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シティポップと櫻と日向 そして大瀧詠一
【私の音楽履歴書】#1 大瀧詠一
兼オタではないが、日向坂46についても一通り楽曲は聴いている。その日向坂46 7thシングル『僕なんか』のカップリング曲として『もうこんなに好きになれない』が一年越しに収録されたわけだが、Twitterで、ある信頼するFFさんが「大瀧詠一感」と評していた。思わずニヤリ…である。あぁ知ってる人、解る人には解るんだなぁ…と。
もう、ここまで隠さずにやるか…というほどに清々しいほどのスペクターサウンズ“風”なんだが、おじさんはこんな楽曲嫌いじゃない。いや、むしろ大好きだ。ついでにいうと、よく似たタイトルの『こんなに好きになっちゃっていいの?』という日向では比較的地味な表題曲も好きだ。
さて…「シティポップ」と呼ばれる日本の音楽が海外でも再評価されているといわれ注目を集め始めてもう久しい。
日向坂46の金村美玖はラジオ番組「余計な事まで」で大貫妙子に触れている。
TLみてたら日向のお美玖が今日の「余計な事まで」で「若者の中でもオシャ」と大貫妙子を紹介していたとか。radikoのTFで追って確認した。シティポップとやらの括りで再評価の流れなのは知っていたが、いやマジか…とおじさんはいささか驚いた。
— やまびこさん (@echoyamabikosan) May 13, 2022
私は音楽のジャンル分けには抵抗はないが、この「シティポップ」という呼称には大いに抵抗がある。ニュアンスが軽すぎるのだ。敢えて(便宜的な部分も踏まえて)この稿では使っていくこととするが…
ところで、私にとってエポックメイキングな名盤を一枚…と言えば文句なしに先に名前をあげた大滝詠一の『A LONG V·A·C·A·T·I·O·N』(以下ロング·バケイション)をあげる。
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そこから遡って、はっぴいえんど、ゆかりのあるシュガー・ベイブ(山下達郎、大貫妙子)、松任谷由実(荒井由実)、そしてムーンライダーズあたりと、その周辺の音楽を聴き始めた。そして沼ほどハマっていった。
はっぴいえんどのリアタイでの活動は流石に知る由もないが、この4人のメンバー(細野晴臣、大瀧詠一、松本隆、鈴木茂)から受けた影響は絶大である。そのキッカケが『ロング·バケイション』だ。4人が結集した大傑作である。今、聴いても瑞々しいほどに新鮮で刺激的だ。「君は天然色」など困った時はコレ! みたいな感じで呆れるほどに、度々CMに使われている。
このアルバムが周年で振り返られる度、音楽誌ではよく特集が組まれる。その都度、特に私は「ミュージックマガジン」「レコードコレクターズ」の両誌は必ずと言っていいほどチェックしている。
ここで、はっぴいえんどの他の3人のメンバーにもふれておきたい。
細野晴臣
細野晴臣といえば私にはYMOである。そして「スネークマンショー」や忌野清志郎、坂本冬美とのコラボユニット「HIS」(旅行会社ではない…) が懐かしい。とにかく多才な人である。数年前には「モヤモヤさまぁ~ず2」にも出ていたなぁ〜
松本隆
今や、日本を代表する大作詞家先生だ。『木綿のハンカチーフ』と『さらばシベリア鉄道』は対をなすといわれてるね。ずっと風街(東京)を語って来たけれども、数年前には神戸に住んでいるとのインタビューもあった。今も住んでいるのだろうか?そういえば日向の『こんなに好きになっちゃっていいの?』のMVのロケ地は神戸だったな…
鈴木茂
日本で一番好きなギタリストだ。とにかくギタープレイがカッコいい。奏でる音がいい。『雨のウエンズデイ』や〈EACH TIME〉の『1969年のドラッグレース』そして〈ナイアガラトライアングルVol.2〉での『Water Color』のギターソロはまさに名演である。上手さに加えて艶がある。かつてはアイドル(石野真子、堀ちえみ等々)にも曲提供もしたりしていたが、やはりギタリストはギタリストなんだなぁ。
昔、ニューミュージックって言葉が出てきた時に、なんか違和感があったように、いまもシティポップと言われると変な感じもするけどね。都会的な音楽といえば、はっぴいえんど時代からやってるし。
『ロンバケ』は、なにかの中心を“突いた”んだろうね。僕も、大瀧さんも意図せず、普遍的ななにかを。どストライクでピンポイントの。僕は普遍的なものをいつも追求してるんだけど、ここまで計算できない。
『Velvet Motel』
「(もととなった題材は)昔、ハリウッドのモーテルで、偶然、伊勢正三とプールサイドで詞の話をしていた。そしたら、後ろでうるさい家族がいて、それがブルース・スプリングスティーンだった」
『雨のウエンズデイ』
「高校から大学1年の時、一色海岸に遊びに行って。あの頃、クルマで砂浜を走れたのね。“壊れかけたワーゲン”は、クレームが来るかと思ってたけど、来なかった」
『スピーチ・バルーン』
「竹芝埠頭から苫小牧まで家族旅行でフェリーに。出航の時に岸壁から男の子が一所懸命パッシングしてる。船の女の子は泣いてる。見たことそのままの表現だね」
いずれも「Pen 2021.4.1号」大滝詠一特集における松本隆のインタビューより引用した。
さて、櫻坂46の4thカップリング曲が発表された時、懐かしい曲調、90年代の音楽を彷彿とさせる、現代のシティポップだ…といった感想がSNS上にあがった。
『恋が絶滅する日』のギタープレイは、かつて、アメリカのミュージシャンがこぞって演り、日本では松任谷由実の〈昨晩お会いしましょう〉の中の一曲『グループ』で(恐らく) 松原正樹(故人)がプレイしている奏法だと思う。
ケツメイシの『夏の思い出』のイントロでも確認できる。
Electronic…
— やまびこさん (@echoyamabikosan) March 7, 2022
オルタナロックばかり聴いていた自分とあの時代を思い出しました。
4thは「君と僕」三部作といったところでしょうか⁉
この曲をひかりんがどう表現してくれるか楽しみです♪#hikarintalk #車間距離
オッサン殺し路線もいいじゃないか。
— やまびこさん (@echoyamabikosan) March 29, 2022
「断絶」は陽水のアルバムタイトル曲でもあるんだが、拓郎みゆきラインのテイストも感じるなぁ…
四人だから、ごめんねクリスマスの2期生版かな…と思ってた。
— やまびこさん (@echoyamabikosan) March 18, 2022
おじさんにはピチカート・ファイヴが懐かしく思い出された…#スクールオブロック #SOL教育委員会#制服の人魚 #櫻坂46
ミニライブでは、振り付けやフォーメーションを中心に観てきた。圧巻のパフォーマンスだった。それはそれとして、やはり、私にはメロディとアレンジが楽曲の命だと思う。秋元康の詞はそれをジャマしなければいい。『二人セゾン』のような詞を常に書けなんて無茶なことは言わないから…
『五月雨よ』がエバーグリーンな曲になればと願いつつ、シティポップなるものの視点から櫻坂と日向坂を少し見てみた。
№ 005
【後記】
『ロング·バケイション』は大瀧詠一が移籍したばかりのCBSソニーから発売されている。その流れを汲むソニーミュージックレコーズ所属の坂道シリーズというのも単なる偶然だけれど…
これからも櫻坂以外の音楽の話もしていけたらと思っている。