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由依と雪姫〜隠し砦の三悪人を観劇して
⬜ ネタバレを含んでいますのでご注意ください
【櫻坂46 小林由依の舞台〜明治座公演】
少し前の話になるが、5月13日夜、櫻坂46公式Tiktokに一本のダンス動画が上がった。そこでの小林由依の圧倒的なパフォーマンスをみて全身に衝撃が走った。
一体なんなんだ…このダンスのキレは…
感嘆のため息が漏れる。
私はこれまでこのnoteの場でも、櫻坂におけるキーパーソンは小林由依であると機会あるごとに述べてきた。
また私は、彼女がこれまでも自身とグループを常に俯瞰で見続けてきたと感じている。そして、その視点は我々に一つの示唆も与えてきた。
そんな彼女が今夏、『ザンビ』以来再び舞台に挑戦するという。
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原作オリジナル映画は言わずと知れた黒澤明監督の名作である。
そして今回の舞台の共演陣の顔ぶれはおなじみのビッグネームが名を連ねている。
そこに飛び込む小林由依の心中や如何に…
黒澤明監督作品は、リアルタイムでは後期のカラー作品は観てきた。『影武者』『乱』『夢』などである。それ以前の作品は『椿三十郎』などを始め『隠し砦の三悪人』も遠い過去に観た記憶はある。
今回久しぶりに、アマプラでレンタルして観なおした。ジョージ・ルーカス監督『スター・ウォーズ』のキャラクターであるC-3PO・R2-D2や作品のシチュエーションなどのヒントとなった作品と言われて有名であったが、こうして月日を経て観てみると、あらためて素晴らしい作品であることを思い知らされる。
そして、この黒澤明の世界観と様式美で描かれた作品での雪姫を、この令和の時代での舞台で小林由依が演じるという意味と意義についてずっと考えてきた。
しかし、その答えはこの目でしかと確かめることでのみ得られるものともわかっている。
【インタビュー】
— THEATER GIRL(シアターガール) (@theatergirl_jp) July 31, 2023
現在、明治座にて絶賛上演中の『隠し砦の三悪人』#小林由依(#櫻坂46)さんにインタビュー📷
前編では、出演が決まったときの気持ちや
雪姫役に挑戦することへの想いをうかがいました。
▼記事はこちらhttps://t.co/8CtaqXj477#隠し砦の三悪人 pic.twitter.com/tMtJVnJLx6
8月5日 (土) に櫻坂46展覧会『新せ界』鑑賞とあわせて、明治座へも観劇に行ってきた。
明治座と言えば、私には座長公演での大きな箱、そして原田葵アナとは入れ替わりの形でフジテレビを退社した三田友梨佳元アナのご親族が役員を務めている由緒ある劇場との印象だ。
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開演前のチームラボによる緞帳の演出は見応えがあった。
開演後のゆいぽん登場直後から、何やら目頭が熱くなってきた。私の想像を超える堂々たる舞台さばきだったからだ。
失礼ながら「小林由依」を知らぬ演劇ファン、あるいは他の共演者のファンからは、いわゆるアイドル枠での拙い演技を見せらせるのではないかと訝しがっている人もいたのではないかと思う。
それが、我々Buddiesのひいき目であるということを差し引いても余りあるくらい「この娘さんやるな…」との認識を獲得したと会場の空気感から、そう思っている。
雪姫凛々しく美しかった✨
— やまびこさん (@echo0112_46) August 5, 2023
やはり役者はしぐさと共に声が大事だね♪#隠し砦の三悪人#小林由依
そして演技(芝居)が「上手い」とはどういうことなのかを考えさせられた。
上手いというと何かテクニカルなニュアンスでもあるが、やはり「巧い」とも言い替えてもよい。
「存在感」という言い方も出来る。
そんな役者陣が勢ぞろいしている。
上川隆也は私にとっては、やはり「大地の子」の演技の衝撃である。キャラメルボックスの看板俳優であった彼は、その後、映画やTVに活躍の場を移しながらも、やはり舞台で鍛えられた人である。
素人目からみても声の通りが違う。
そして、宇梶剛士の重厚で時に軽妙な演技は、田所兵衛の役にうってつけであった。
また、六角精児と風間俊介の二人の狂言回しの役も、まさに適任であった。やはり「上手い」のだ。
映画での騎馬シーンは、さすがに舞台では再現は困難だろうと思っていたが、花道を十二分に活用した疾走シーンは、舞台ならではの演出であった。
真壁六郎太と田所兵衛の果し合いのシーンも映画での陣幕を使ったシーンを映画「グリーン・ディスティニー」をも思い起こす、竹林を使った演出には唸らされた。
そして私が一番感動したのは、やはり雪姫のあの有名な台詞である。
この数日の楽しさは、城の中では味わえぬ。
装わぬ人の世を、人の美しさを、人の醜さを、この目でしかと見た。六郎太 礼を言うぞ
これで姫は悔いなく死ねる。
台本・演出の横内謙介は映画の内容をできるだけ忠実に演出したいと事前のインタビューで答えていたが、ここはまさに一言一句違わぬ台詞と演出であった。
また、映画とは違う演出では、あの激しい乗馬シーンを使えぬところを上手く船を使った脱出シーンに置き換えて、「浮世と浮舟」と掛けたものにした演出には「ほう…」と感心した。
映画には映画の良さがあり、舞台には舞台の良さがある。そう痛感した今日の舞台だった。
それぞれにひいきの役者さんがいながらも、最後には、全体で感動を共有出来る舞台は素晴らしい。
そして小林由依の歌声はとても美しかった。
ゆいぽん推しの皆さんにはお叱りを受けるほどに申し訳ないが、これほどに上手いとは正直思っていなかったのだ。
私は大阪で再び観劇する予定である。回を重ねるごとに役になりきっていくであろう小林由依と雪姫の世界を、その日まで待つこととしたい。
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