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人の心にその扉はある〜櫻坂46『僕は僕を好きになれない』からのメッセージとは…

10月4日22時に、23日発売の櫻坂46 10thシングル『I want tomorrow to come』収録曲、BACKSメンバーによるカップリング『僕は僕を好きになれない』MVが、公式YouTubeチャンネルでプレミア公開された。

こちらも、表題曲同様MV公開に先立ち、同日0時にストリーミング&ダウンロード先行配信が開始されていた。

さて2日にアナウンスされた時に見たタイトルだ。
誰しも乃木坂46の『僕は僕を好きになる』に想像が及んだことだろう。
この楽曲の秋元康の詞は、技巧的に過ぎていささか説明的なところが、よくも悪くも彼らしい作品だな…と思っていた。曲調は山下美月の雰囲気にマッチしていて、とても良かったのだが…
また、欅坂46の『i’m out』と櫻坂46の『I'm in』との関連にも連想が続く。
『i’m in』は最近ではBACKS LIVEのアンコールラスト曲として定着しつつあるが、楽曲のクオリティとしては残念ながら『I'm out』には及ばないだろう。
さらに言えば欅坂46の『カレイドスコープ』と櫻坂46の『Microscope』の言葉の対比も、韻を踏むのが好きな秋元康の手法の一つと言える。

秋元康のこういった判り易い対義語曲は彼のプロデュースの常套手段でもあり、率直に言って辟易とする場合がほとんどだが、楽曲の出来不出来とは無関係であったりもする。
今回の場合、私はそこに好意的な期待をするしかなかった。


4日0時を過ぎてSpotifyから聴いてみる。
さて、どんな曲が来るだろうか?

「えっ⁉王道坂道曲じゃん…」
秋元康の詞も特に奇をてらったものでもなく、これまた康節全開、といったところか…(好き嫌いは別にして)
正直、肩透かしをくらった感もあったが「これは良い曲をもらったな…」と安堵した。

ソリッドなタッチのピアノのイントロから村井優の歌い出しにかけてが、先ず印象に残った。とてもいいと〜
むらいゆがBACKS曲センターと訊いて、バキバキのダンスとは裏腹に、彼女のヴォーカルに一抹の不安がないとは言えないと思っていたのは実際のところだったが、彼女の声量にマッチした歌い出しに「あぁこんな表現もあるんだ…いいなぁ…」と即座に思いを改めた。
そして、何故かとても懐かしい感情が沸き起こっていた。誰かの歌声に似ているな…と。その誰かは思い出せないでいるが。
直後、いのりが引き継ぎ、その後もメンバーが歌い繋いでいく。この王道でエモーショナルな展開は、私の“好物”とするところだ。
歌割りは不明だが、その歌声から恐らくこのパートはこのメンバーだろうと推測しながら、そこに彼女たちの顔が次々に浮かんでくる。
特段強いフックがあるわけでもないし、凡庸な曲との見方もあるだろうが、”それでいい〜そこがいい“のだ。
曲の受け止めは、まさに「人それぞれ」で、TLを見てみると概ね好評なのがうれしい。

さて、こうなればMVはどんな仕上がりになっているのだろうか?自ずと期待が膨らむ。


MV公開を前にお昼に飛び込んできたニュースには驚いた。
12月に10thバクラを開催し、むーちゃんとふーちゃんの卒セレも行うという。
BACKSメンの体調が心配になるほどのハードスケジュールだ。そして、またしても幕張…
三期生ライブの追加公演を大阪で開催するので、次はバクラも西日本で〜と期待していたら、何のことはない又々幕張とな⁉
ここからもBACKSに対する運営の判断の一端が透けて見える。
これだから「僕は運営を好きになれない」
1月を想定していただけに残念ながら、今回も参戦は見送ることとした。


さて、22時を迎えMVを観る。
「和のテイスト」を基調にしているのか。ここは海外を意識している?
また、淡路島の「禅房靖寧」などでロケを行った、日向坂46の『錆びつかない剣を持て』を連想もしたりする。

歌割りはほぼ想像通りのようだ。
むらいゆがメインとは言え、BACKSメンバー一人ひとりを丁寧に捉えてくれるのはありがたい。
しかし、このパフォーマンスをライブで再現するのはさすがに難しかろう。
ここを、どうするのかにも早くも興味がある。

目黒権之助坂の隣り行人坂を下りた先にある「ホテル雅叙園東京」がロケ地らしい。安々と聖地巡礼に行ける場所でもなさそうだ。
それにしても、畳の上でパフォーマンスするのは、滑りやすいだろうから、さぞかし苦労したに違いない。
そして、メンバーがもがき苦しむ様は、今の彼女たちの想いを現しているかの様で見ていて、いささかつらくもあった。
衣装は2つのパターンが用意されているようだが、最後に桜吹雪が舞う中で踊る場面が特にいい。
その衣装〜何やら既視感もあると思っていたらジャイガで起用されていたMitsuhiro Higuchiさんデザインのようだ。


エンドロールのバックに悠々と泳ぐ鯉に加え、人工滝から流れ落ちる水の音が、映像の始めと終わりに響くのが印象的だ。
そしてラストに重なる「SAKURAZAKA46」の表記は、やはりグローバルを志向したものと言える。


私は「選抜落ち」という表現には抵抗がある。
そして、私は増本綺良推しであるが、今回きらちゃんを座長に任命するのが筋ではないか⁉と言う声にも正直、賛同はしかねる。
うさぎねこで表題とBACKSのセンターを務めるという設定があるのなら、それにも異議を称えたい。
そんなストーリーは排除した上で、楽曲を軸に愉しむ〜と言うなら、今回の『僕は僕は好きになれない』のセンターはまさに村井優が適任だ。
間奏のダンスは事前の予想通り、いやそれ以上のキレッキレのパフォーマンスで、さすがむらいゆ〜と言ったところか…

BACKSの在り方について色んな声が上がったが、それは今後も様々な声が飛び交うであろう。
ただ、このMVを観ると、何やら一つの方向性が見えた気もする。
それが未だ確として言葉に(文字に)出来る段階ではないが、ひたむきなメンバーの姿を見るにつけ、彼女たちと共にありたいと言うことに尽きる。


さて、その上で重ねてふれておくべき事がある。
先のnoteで、私もご多分に漏れず10thフォーメーション予想を行った。
その際「武元•石森in」「井上•村井out」と予想し、結果は石森ではなく向井だったのだが、これを当たったからうれしいとか外れたから悔しいとの感情はもちろんなかった。
そして自分自身の予想が、しっかり「ミーグリ売り上げ準拠」となっているという事実にも、結局はそういうことなんだな…と、それに批判的な立場を取りながらも、皮肉にも心理的にそんなフォーメーションを意識していることの現れでもあった。

また、その後に起った選抜〜BACKS論争 (論争と呼べるような理路整然としたものばかりではなかったが…) を見るにつけ、安易な気持ちで予想なんかするもんじゃないな…と、いささか後悔もした。
やはり、選抜とBACKSの境界は絶対的なもので、メンバーにすればまさに身を削る想いのものなのだ…と、メッセやブログを読んで、今更ながらに痛感した。

選抜とは?BACKSとは?の再定義が必要な局面に、今、差し掛かったと言えると思わざるを得ない。

確かに選抜の基準が完全なる「ミーグリ売り上げ準拠」ではないのだろうが、それが最重要項目であることは疑いようがない。
ただ、余りにそこに傾斜しているとの印象が強いと思われているのが現状ではなかろうか?
特に今回は、システム上の脆弱点をついたと思われる意図的な行為もあったと推測されている。
一定のファン層が不信感を抱いたままで、その不満を拡大していくのをこのまま見過ごしていくのは、私としてもやるせないものがあるし納得も出来かねる。
こんな状況が続けば組織の勢いは必ず後退すると敢えて言わせてもらう。

それじゃあ何が出来るんだ?

この問いがBuddiesにも、当然メンバーにも突きつけられているのか…
このことは、これからも考えていかなければならない課題となるので継続的に見ていきたい。

恐らく統一的な正解はなかろう。
そんなものがあればとうの昔に答えはでている。
結局は、一人ひとりが「自分は何が出来るのか?或いは何が出来ないのか?」をしっかりと峻別し、自身に問いかける作業と実践を続けて行くしかあるまい。
運営側への批判や注文も当然あるだろう。発信することの影響に十分配意しながら、お気持ち表明することは完全に否定されるべきものでもないと思う。

今後も選抜に関する様々なハレーションは当然起こるだろう。四期生加入前の過渡的なもの〜とも思いたいが、事はそう簡単でもない。
運営に信頼を置く〜こととは別の次元で、先ずはメンバーを信じ、仲間を信じ、自分を信じたい。

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