新人個人勢Vtuber萬(よろづ)―千客萬来呼び込む何でも屋
7月19日にデビューを果たした「萬(よろづ)」。Vtuberという挑戦を前に闘志を燃やし、青色の瞳に炎の揺らめきを映す。初配信では瞬間72人、配信中も同接60人台をキープし、日本人男性個人Vtuberの初配信では異例の大盛況となった。
ファンネームは「萬客」、メインは雑談
VTuber界のなんでも屋で絵描きを得意とする配信者。初配信ではファンネームを「萬客」に決めた。このほか、配信については雑談をメインとし、プレイするゲームは単発のものや長編の触りだけやって様子を見ると方針を明かした。
儚げな肌感と意志の強い瞳で魅せる対比
スタイリストはイラストレーターの一色ウタ(Xプロフィールリンク)。儚げな肌感と鉱石のような意志の強い瞳の対比が印象に残る。透明感のあるイラストは楽曲を彩り、sirokaのcover『Black Bird/ぼくのりりっくのぼうよみ♪』では曲調とマッチした画力を遺憾なく発揮した。
冷静、かつ情熱的に
コロナ禍の巣篭もり需要によってゲーム産業が大きく業績を伸ばし、それに比例するが如く急速な発展を遂げたVtuber産業。企業・個人共に新産業へ舵を取り進むも、今や熱いオタク魂によって海は赤色に染まっている。そんなレッドオーシャンと化した同産業を冷静に見つめ、勝機を見出す。
YouTube視聴者はチャンネル登録している配信者が動画を投稿したか、枠を立てたかで見るというのが現状だ。視聴したものに関連した動画が流れ、それが目に留まってファンにつながるというプロセスはあるものの、「ホロライブ」「にじさんじ」など人気企業が高い技術力を駆使してコンテンツを生み出し続ける以上、個人Vtuberには分が悪いところもある。
しかしなるほど、引用にある通りタグやゲームタイトルが動画探しの入り口となるTwitchでは、新規リスナーとの縁も築きやすいかもしれない。また、比較的女性Vtuberの活躍が多く見られる一方、男性Vtuberは伸び悩む傾向があるが、言い換えればまだ余白があるとも捉えられる。
これらの冷静な分析は「Vtuberが好き」という情熱によるものだろう。夢を夢のままでは終わらせない、大きな一歩を踏み出すための緻密な計画。冷静さと熱意を持って希望に胸を膨らませ、憧れの世界に飛び込む。
満を持して開店、来客多く
初配信では開始時間が2年後に設定されるPONをかますも、そこはご愛嬌。待機コメントの列が並び、期待が高まる。
満を持して開店するとリスナーとの大喜利がはじまり、開始7分間で出た情報が名前の読み方のみとなるほど盛り上がりを見せる。本題となる一問一答コーナーとファンネーム会議ではさらにリスナーとの掛け合いに磨きがかかり、プロレスを難なくこなす様子は初配信とは思えないほどだ。
おどける反面、拾えるだけコメントを拾っているところやアーカイブを見る人向けに1時間に収める配慮にも注目したい。配信に対する真摯さがのぞく。
ロケットスタートを切った萬(よろづ)は、1日複数回の配信を視野に入れるなど勢いを止めない。まだ見ぬ萬客を呼ぶため、彼は今日も枠を立てる。
萬(よろづ)の生配信を見るならこちら(メインの活動場)
萬(よろづ)の編集動画・shorts動画を見るならこちら
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