狭心症および非閉塞性冠動脈疾患患者における冠微小血管機能のドップラー心エコー検査評価
経胸壁ドップラー心エコー(TTDE)を用いた冠血流速度予備能(CFVR)は、閉塞性冠動脈疾患がない狭心症患者における冠微小血管機能不全(CMD)のマーカーとされる。TTDE CFVRは、放射線を使用せず、広く利用可能であり、高周波トランスデューサー、薬理的血管拡張ストレス、および拡張期ピークフロー速度のパルス波ドップラー定量化を利用している。本レビューでは、TTDE CFVRの指示、実際的および技術的側面、結果の解釈について評価し、症状および予後との関連、代替の侵襲的および非侵襲的画像モダリティとの比較、および低CFVRの狭心症患者における可能な介入について議論した。
Background: 狭心症および非閉塞性冠動脈疾患(ANOCA)の患者は、特に女性において一般的であり、これらの患者に対する治療可能な病因的説明が欠如している場合が多い。CFVRの低下は、予後不良の強力な予測因子であるとされる。
Methods: TTDE CFVRは、薬理的血管拡張ストレスとパルス波ドップラーによる拡張期ピークフロー速度の定量化を使用して評価される。患者は左側臥位で検査され、LADの中末部が視覚化される。
Results: 低CFVRは、閉塞性CADの有無にかかわらず、狭心症患者の予後不良の重要な予測因子であることが示された。
Discussion: CFVR評価は、特に閉塞性CADが除外された患者において、診断ワークアップの重要な部分である。TTDE CFVRは、非侵襲的で利用可能であり、診断と予後評価において有用である。
Novelty compared to previous studies: TTDE CFVRが予後不良の強力な予測因子であり、男女問わず重要であることを示す新たな証拠を提供した。
Limitations: TTDE CFVRの評価には広範なトレーニングが必要であり、特に肥満患者では技術的に困難が生じる場合がある。
Potential Applications: TTDE CFVRは、狭心症患者の大規模スクリーニングおよび早期診断ツールとして使用できる可能性があり、診断と治療の一環として考慮されるべきである。