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アポトーシス

この記事は1029文字です。


老衰について医師と雑談したことがありました。



医師
「オレ昔、老衰を治そうとしたことあるんだよね。
でも治せなかったよ、あっはっは」


「先生、老衰は病気じゃないです(笑)」

医師
「やっぱりそうだよね。あっはっは」


ヒトが死ぬ仕組みには誰より詳しいはずの医師が、

そんなことを言い出すので笑ってしまったことがあります。

今でも「老衰」という言葉でセットで思い出します。


アポトーシスについて

「多細胞生物の体を構成する細胞の死に方の一種で、個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、管理・調節された細胞の自殺すなわちプログラムされた細胞死(狭義にはその中の、カスパーゼに依存する型)のこと。ネクローシス(necrosis)の対義語として使われる事が多い。」
                          Wikipediaより


ここで、

「個体をより良い状態に保つ」というのが気になって

老衰というのはアポトーシスとは違うのかと

気になったので調べました。

分ける場合もあるんですね。

寿命を迎えて死ぬ場合を「アポビオーシス」と呼び,アポトーシスと分ける場合もあります。
              引用 平田敏文「生命を活性化する物質」



アポトーシスという言葉を解剖生理学で教わった時、

細胞の自死がプログラミングされている

というのが面白いなと思いました。

「生きるために必要な死」っていうんでしょうか?

不思議な言葉です。



「老衰は病気ではない」のは常識。

しかしあの医師の口から、そんな言葉が出てきたので

もしかして、誰も気づいていないだけで、

老衰って病気なのかも。

とちょっとだけ思ってしまいます。

常識を疑うところから新しいことが始まると言いますし。

地動説とか、先日お話しした川崎病もそうです。



しかし、プログラミングされた死がなければ

ヒトだけでなく他のありとあらゆる生命体は

生き続けてしまう可能性があります。

やはり

老衰は病気でなくていいと思います。


それに老衰を病気とすると

「老い」を否定することになります。

老いた結果、機能が衰えてできることは少なくなっていたとしても

それも含めての体験、経験です。

老いは成長を重ねた結果訪れることなので、

マイナスにはなっていないはずなんですよね。


だから、老衰は病気ではないのでしょう。




お読みくださりありがとうございます。


参考
■ 細胞の誕生と死
http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf/celllife.pdf

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