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無駄が意味を持つこともある

この記事は918文字です。


精神科訪問看護をやるとプロフィールや過去記事で書いていますが、

精神科については現在ノータッチなのですが、

同行で訪問看護の実際を学んでおり、

そこで勉強になった関わりを記しています。

これだけでも

利用者・家族、他職種とのコミュニケーションの

勉強になることが本当に多いので、

精神科看護にも活かしたいです。


今回は

軽度認知症・廃用症候群予防目的の介入をされている方の

ケアについてお話しします。


安楽目的だったり、リハビリの時間は別に取れるからという理由だったり、

清潔ケアは病室か浴室でするというのが

病院ではスタンダードでしょうが、

在宅看護だと、リハビリとトイレ誘導を兼ねて

トイレで陰部洗浄する利用者さんというのは多いです。

ひとりにゆっくり時間をかけられる強みですね。


病院でもトイレで陰部洗浄することはありますが、毎回はしません。

トイレの数に限りもあるので

ケア目的でひとりで長時間占領はできませんし、

マンパワーと時間、なにより患者さんの治療上の安全や安楽が最優先なので

ベッド上で済ませることは多かったです。

病院と在宅の目的の違いなので、

どちらのケアが優れているとかではないです。


リハビリをリハビリの時間としてとるのではなく、

あらゆる機会をリハビリとして活用していました。

トイレに移動する時間、座る時間もリハビリ。

ズボンの着脱のため、

ベッドの手すりに何度もつかまり立ちさせるのもリハビリ。

立たせなくても軽いヒップアップでズボンは履けるのですが

無駄な動きをわざとして、なんでもリハビリにしちゃうの

と同行の看護師は言いました。


カレンダーの日付を見るために腰をひねる動作をさせたり、

時計のさす時刻を言ってもらったり、

訪問看護師の名前を呼ばせたり、

認知機能に働きかける工夫もされていました。

メニュー化された筋力トレーニングもやっていますが、

日常生活動作に密接につながるリハビリというのも

工夫次第でたくさんあること、看護師の引き出しの豊富さに感動しました。


今までは互いの負担にならないよう

無駄な動きは減らすことに焦点を当てていましたが、

わざと無駄な動きを取り入れるという発想、

私も意識してみたいです。


お読みくださりありがとうございました。

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