見出し画像

川崎富作先生

この記事は775文字です。


小児科医・川崎富作先生が、今年6月5日に逝去されました。


川崎富作先生は、

川崎病(急性熱性皮膚粘膜淋巴腺症候群)を発見した医師です。

川崎病は小児の疾患です。




看護学生時代に、

川崎先生が小児看護学の授業で川崎病について講義に来てくださいました。

その当日か翌日にはドイツに発つと仰っており、

とてもパワフルな80歳代という印象でした。


そして、笑顔の素敵な優しい眼差しの先生でした。

川崎病の患児を担当したときの

「お目目や舌が真っ赤になっちゃってね、とっても痛そうでね」

と回想しながら話す口調も優しく、

患児に接するときの姿が想像できました。


川崎病の存在を発表した当時、

スティーヴンス・ジョンソン症候群に似ていることや、

勤務先の病院の学閥や権威により理解が得られず、

新しい疾患の可能性を否定され、

5年間小児科学会での討論の場が閉ざされてしまったそうです。

形骸化したアカデミズムがいかに柔軟性を欠き、
“未知なるもの”に鈍感であるか

と「現場から学ぶ川崎病発見の経緯」で述べています。


今でも川崎病の明確な原因は特定されていませんが、

川崎先生の功績で助かった命はたくさんあるでしょう。


新しいことをするときに

反対意見が出るのはある程度致し方ないことはあるでしょうが、

学閥という縛りがある中でも、

研究を続けた先生の姿は素晴らしいです。


「諦める力」について自分の経験から

共感するところも多くあったのですが、

川崎先生のように諦めないことも大切だと思います。


どちらが優れているのではなく、

「諦める力」も「諦めない力」も大事にしたいです。


お読みくださりありがとうございました。



■ 引用・参考 
川崎富作「現場から学ぶ川崎病発見の経緯」小児免疫20巻第1号
勉強会 一般社団法人日本血液製剤協会



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?