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【肝機能】ただしい略語?【腎機能】

この記事は1111文字です。


看護師が使う略語についてです。


肝機能、腎機能のことを

「カンキ」「ジンキ」というのを聞いたことがありますか?

私は使用を避けています。

看護師間ではリスクになる使い方がされていたからです。


具体的にいうと、

「ジンキ」「カンキ」という言葉は、

①「肝機能」「腎機能」(機能そのもの)と、

②「肝機能の検査値」「腎機能の検査値」(主に採血データ)が

混同されていることがあるからです。



「カンキ=肝機能」

と定義します。


「この患者さん、カンキ良くないね」

というのは「肝機能が良くない」で通じます。

では

カンキが上がったから、ウルソが内服開始になったよ」

はどうでしょう?


ウルソは肝機能を改善する薬。

検査結果で肝機能が上がっているのは良い兆候。

ウルソ内服の必要はないはず。


これは不自然です。


こういう時は、念のため

検査結果と医師カルテと処方歴をみて、

肝機能は低下している事実を確認します。

「肝機能=カンキ」なら、

この場合は「カンキは下がっ」ているのが正しいのです。


他の看護師は、意図的あるいは文脈で判断していたのでしょうが

使い方を誤ると真逆の意味になり危険です。


でも、私は怖い先輩たちには言えませんでした。


その代わり自分はこの略語は使用しないと決め、

後輩にも使用は避けるよう指導をしました。

「カンキノウ」を「カンキ」と略しても時短にはなりませんし。


略語が使いこなせてかっこいいなんて

学生時代は思ったものですが、今は思いません。

略された結果は同じでも元の意味が違うものもあります。

シーンによっては誤解を生むため

安易に頼らないのも大事かと思います。

他病院のICUから来た看護師は、略語は多用していませんでした。

特殊な用語が飛び交う現場だけに、

できるだけ正式名称の利用をしていたのかもしれません。



AUSという略語があります。

検査用語としては腹部超音波検査、

産婦人科では人工妊娠中絶手術。

内科病棟勤務時代、男性患者さんの医師記録に

「本日AUS」とあったのを見て

男性なのに人工妊娠中絶手術?と不思議に思ったことがありました。


これは大げさな例で、笑い話でもあります。

おそらく産婦人科では言葉の混同をしないよう

別の略語(「アウス」)を使うでしょうが、

良く知らずに略語を使うのは危険だと思った事例です。



こういうのにいちいち引っ掛かってるから

仕事が遅いのかもしれません。

でも違和感は受け流せませんでした。

こだわりすぎでしょうか?


大きい声で言えなくても

こうして記事にすることができる今は

先輩が怖くて言えなかったあの頃より幾分マシかなと思っています。



看護師あるある医療用語のお話はこちらにも。

偉そうなこと言いましたが、間違えることは私にももちろんあります。

指摘は素直に受け入れ、訂正できるようありたいと思っています。



お読みくださりありがとうございました。


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