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福井県地学会 秋の巡検2024 「能登半島の地震被害と隆起海岸」

今年の福井県地学会の秋の巡検は能登半島の地震による被害と隆起海岸がテーマ
案内は山本博文会長(福井大学地学教室)
高校生、大学生、教員、地質コンサルタント、一般の方など総勢27名が参加

能登半島地震
2024年1月1日16時10分 深さ16km マグニチュード7.6 福井でも震度5強

能登半島の地形、地質概略
 能登半島は日本海側最大の丘陵性の半島
半島南部には邑知潟地溝帯が北東ー南西方向に延びている
 海成段丘が広範囲に広がっている
 複数の傾動地塊、活断層
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/features/z0405_00032.html

巡検ポイント1 道下地区の被災状況
 11ヶ月が経つが、まだ手付かずの場所が多い この地域は黒い釉薬が塗られた瓦が多いが、屋根の尾根部分が損傷しやすいようだ。

巡検ポイント2 門前町鹿磯漁港の隆起地形
 海苔の採取場が元の海水面付近 離水した岩石海岸地形が生物の石灰質で白く目立つ 当時のウニやウニの巣穴、アワビやサザエなどもまだそのままの状態 穿孔貝であるカモメガイも生きていた状態で観察できた

それぞれが一体何の生物なのか?
汀線付近の海底はこんな地形になっていたのか
サンゴ藻の生態について研究ができる
冬が来るとこの状態も変化してしまうだろう
泥岩層に見られる穿孔貝と生痕化石の成り立て

巡検ポイント3 黒島漁港の隆起した防波堤と広がった砂浜
 ここでは最大4m隆起 牡蠣がまだ岩壁に固着しているままである

この辺り一帯が隆起したという感覚がつかめた
ここは港内であった場所
港内部分 すでに植物が繁茂している


巡検ポイント4 泣き砂の琴ヶ浜に見られる岩盤崩落
 玄武岩質安山岩の岩盤が崩落している 砂浜には砂鉄が流れによって多様な形状に
赤神地点にも寄り、酸化した赤い火山岩礁と石灰質の白いコントラストを観察

山本先生のおすすめポイント
岩盤が崩落するとこのように広がる
リップルマーク 学生さんはここで卒論テーマを見出したとのこと素晴らしい フィールドワーク大切
河川段丘の教材にもなる

巡検ポイント5 内灘町の液状化現象
 浜堤の内側にある宮坂地区では広い範囲で液状化現象が発生した

この辺り一帯の地表が撓んでしまっている

福井県の越前海岸に見られる隆起地形と活断層の活動履歴
 越前海岸にも隆起し離水した地形が見られる これは3〜400年前の越前海岸沿い活断層群の活動によって離水したものである 能登半島と越前海岸の共通点は多い
https://www.nature.museum.city.fukui.fukui.jp/gakugei/chigaku/etizen-1.html

https://www.gsj.jp/data/chishitsunews/00_03_12.pdf

https://core.ac.uk/download/pdf/59037568.pdf

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