テレビと映画
日本のテレビドラマはあまり好きになれない。セリフが多いのが気に入らない。ここぞという場面で、有り得ない饒舌なセリフまわしが始まる。それでお涙頂戴。見え見えな展開で、白々とした気持ちになるのだ。
これはテレビアニメーションも同じで、独白まで度々入る。どうして映像で表現しないのか?セリフに頼るのは安直な演出なのでは?そう思っていた。
最近の日本映画も、やたらにセリフが多い気がする。テレビの制作者が多数入ってきているのが一因と思う。
しかし何故、テレビはセリフに頼る演出なのか?その問いに答える記事を見つけた。映画編集者の意見だ。テレビドラマは元を辿るとラジオドラマから始まった。だからセリフが多いというのだ。なるほど、人気ラジオドラマの流れを汲んで、テレビドラマは出来た。演出もラジオドラマに習って、制作が始まったのだろう。
方や映画は無声映画から始まった。セリフ無し、映像のみでの表現が必要だった。
映画もテレビも同じ様なモノと思うなかれだ。
他にも映画とテレビドラマの違いはあると思う。
映画は引きの映像が多い。映画館の大きなスクリーンを念頭に絵作りするからだろう。テレビでは寄る映像ばかりだ。だからカット割も変わってくる。
しかし最近の日本映画は、テレビドラマ的な映像に近づいている。これが面白くない。見ていてガッカリする事が多い。
自分が何故自主制作映画に肩入れするのか?それは制作している人達が、映画を創りたいと思っているから。映画館での上映を目的としているから。だからテレビ的な作法で演出しない。映画の演出作法で創る。
そうして完成した映画は、やはり没入感や感じるエネルギーが違う。テレビドラマでは得られない心への揺さぶりがある。