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風になびくアニメーションの作成

前回までは、SpriteStudioを活用した手書きアニメーションの作成を紹介してきましたが、それらとは別に1件小さめの手書きアニメ案件を受託していたので、それについて簡単に解説したいと思います。

担当したのは、IMYUIC様の「Terminus Historia | 境界戦役PVの一部キャラクターアニメーションになります(動画内0:33~0:38)。ご依頼いただきありがとうございました!

リクエストの概要としては「キャラクターの立ち絵が風になびくもの」という内容で、また動かす部分は髪・マントのみという指定でした。
更に、端の方は暗く見えなくするということなので、着色は顔・上半身を中心とした箇所に限定しています。

ベースの立ち絵の作成

まずはいただいたキャラクターデザインを元に、立ち絵を作成しました。この時点では動かすパーツも含めて一通り線画に起こしていますが、髪・マントなど部位ごとにレイヤー分けして、後で動かしやすいようにします

下書き
線画

一旦立ち絵はここまででストップし、着色の前に線画ベースで動きのラフ制作・確認を進めていきます。

アニメーションの作成

風になびく動きのポイントについて、過去にかなり参考となる動画があったのですが、元情報を見失ってしまったので記憶ベースで説明します。

ポイントとしては、下記のように「揺れ物の下に棒のような物を当てて動かす」というものと似ています。根元から先端に膨らみが移動し、風が突き抜けたら最後にパラッと毛先がほどける感じ?

風になびく動きは、下から棒を当てて動かすようなイメージ
当時参考にしたものはもっとうまく表現していたが、これが限界…

これを意識して作成したラフのアニメーションが下記になります。

アニメーションのラフ
ポニテは束ごとに太い筆で書いて、黒のアウトラインで線画表示

ポニテは複数の髪の束が細かく動くので、線を引かずに、白の太い筆でアウトラインを黒で表示させるようにして、髪の束ごとに1本の筆の軌跡で表しています。

実際の線画では、下書きのアウトラインをなぞってベクター線を引き、交差する箇所を消していきました

この時点で、6フレームで1ループが組めそうだったので、それで進めることにしました。

着色・仕上げ

あとは、フレーム毎に線画・着色して仕上げていくだけです。

下塗りまで進めた状態。
実際に動画で使用する配置に合わせ、また影を落とす部分も併せてテスト
すべて仕上がった状態。
gif化した際にグラデーションがガタガタになっているが、納品物はきれいに仕上げている

心残りとしては、マントのはためきで1フレーム揺り戻し的に反対側に動く動きを入れてみたものの、結構違和感があったので素直に動かしておいた方がよかったかもしれません。

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