定められた年
定められた年と書いて「定年」
定めた人は誰?
人か?社会か?
時代か?
そんなお年頃になりつつも
ご時世が定めてくれない
まるでゴールの様に掲げられていた
すごろくのあがりが
振り出しに戻されたかの様に
闇の向こうに逃げていった
彼の定年は5年先に定められた
フルマラソンを走りきって
スタジアムに入ったのに
テープは用意されてなくて
またロードに5年分のコースが
作られていた
来月の誕生日で
花束を貰って帰宅して
「おつかれ様でした」なんてさ
ドラマみたいなシーンに自分をおいてさ
イメトレしていたのかもしれないけど
まだまだ働いてくださいよ
会社も世間も妻でさえ
定めを下さない
昭和のオヤジ達は
楽隠居なんて口にしてたけど
我が家の辞書には
そんなワードはなかったのか
きっと悠々自適すら
見当たらないかもしれない
会社の定める年と健康寿命のMAXと
どっちが先に
彼の肩を叩くのか
今は予想もつかない
予想はつかないが
現実問題としては
倹しくも穏やかに健やかに
日々を重ねる心構えを
まずは
私から用意しなくてはと
ゆっくりと
思い出そう
新婚当時 倹しくも
暮らしてきた
あの日々を
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