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\愛媛初上陸/25年以上続く人気演目、『ドラゴンクエスト』の魅力とは…
こんにちは!note更新担当のたぬ子です。
1986年に発売され、今でも根強い人気を誇るロールプレイングゲーム『ドラゴンクエスト』。
スターダンサーズ・バレエ団は、1995年より公演を開始し”ゲーム作品×バレエ”の新しいバレエとして幅広い観客を魅了してきました。
2017年には衣装や装置が一新され、バレエ作品としての芸術性が一層増した本作が、ついに愛媛県に初上陸です!!
今回は、総監督の小山久美(おやま くみ)さんにお話を伺いました。
バレエに馴染みのない方にこそオススメ!
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―本作は、どのような方に観てほしいですか。
『ドラゴンクエスト』というゲーム作品を題材にしていますので、バレエ愛好者やバレエ好きの方はもちろんですが、そうではない方にとって本作がバレエに触れる機会になればと思います。
なので、バレエを今まで観たことない方や、観に行こうと思ったことがない方、バレエを身近に感じていない方など、バレエに馴染みのない方にこそぜひ見ていただきたいと思っています。
―私自身バレエに馴染みがないですが、本作はバレエ観劇の第一歩になってくれそうな作品だなと感じました。
バレエというと『白鳥の湖』が一番有名で、「バレエ観るんだったら、白鳥の湖をまず観とくか」というような方が多いんですよね。
その考え方もよく分かるんですけれども、『白鳥の湖』のストーリーをご存知の方はほとんどいないんですよ。
そして、『白鳥の湖』のような古典バレエには形式があるので、バレエに馴染みのない方やお子さんにとっては、退屈なシーンが絶対出てきちゃうんです。
例えば、ストーリーがちょっと動いたら、主役の形式的な踊りを見せるシーンになってストーリーがなかなか進んでいかないんです。
それが、古典バレエの形式なのでバレエが好きな人にとって1番の見どころなんですが、ストーリーも進まない+よく分からないけどなんか踊ってるシーンって、馴染みのない方やお子さんにとっては退屈だと思うんですよね。
でも本作は、ずーっとストーリーが動く現代性をもって作られた作品なのでスピード感があって、バレエに馴染みのない方やお子さんが退屈なシーンがあまりないんですよ。
作り手の『ドラゴンクエスト』への愛
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―ゲームを題材にしたバレエをされるにあたって、工夫した点/苦労した点があれば教えてください。
2017年に衣装と装置を一新した際に、バレエ作品・舞台作品としてはクオリティが非常に上がり、私たちはより自信をもって作品をお届けできるようになりましたが、最初の方がゲームらしさがあったのかもしれないなという思いがあります。
そういう、作品をゲーム寄りにするのか、芸術性を高めていくのかっていう難しさがありますね。
ただ、作り手がゲーム大好きで『ドラゴンクエスト』にぞっこんなので、ドラクエを理解して隅々まで把握して、愛しているものが振り付けを作ったという部分が随所にありますね。
その1つとしてロールプレイングゲームは、ゲームのプレーヤーが主人公になって進めていくゲームだから、本作では主役に名前を付けてないんです。
作品全体としては、古典バレエの手法に則ってコール・ド・バレエがはいっていたり、主役カップルの踊りがあったりするんですけど、そういった大筋の流れの中に、ドラクエを愛している人たちなら気付くかなというエッセンスが散りばめられています。
それに、ゲームをする人は音楽に痺れるみたいです。
ドラクエは1作目の発売から30年以上経つゲームですけれども、音楽だけでも楽しむ人たちが全国にいっぱいいらっしゃって、公演のコメントに「ドラゴンクエストを愛してる人じゃないとこの音楽の使い方はできないよね」というようなお言葉をよくいただきますね。
主人公は自分自身
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―ドラゴンクエストはたくさんの作品がありますが、バレエの演目になっているのはどの作品なんでしょうか。
バレエ作品のストーリーはオリジナルなんです。
どのゲームとも絡んでいませんが、勇者がいるという絶対条件や、勇者が仲間やアイテムをゲットしながらだんだんと強くなり、最後は魔王と戦うという大筋は捉えてます。
―勇者は何歳ぐらいの男性なのでしょうか。
名前もないし年齢も不詳ですね。ただ、白の勇者に限っては子役が出るので、子どもではないのは確かです。
そういう明確なプロフィールがないところが、ある意味ロールプレイングゲームを題材にした本作の特徴なんじゃないですかね。
主人公に名前や年齢設定がなくて、みんな自分が勇者だとゲームを楽しんでいる感覚をバレエの舞台でも感じてもらいたいです。
お姫様・妖精・白鳥以外の女性
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―戦士役の方が、PVの中で「戦闘シーンを舞台でそんなにやってこなかった」と話されていましたが、ドラクエ以外で格闘シーンはあまりないのでしょうか。
創作バレエでしたら、女性の戦闘シーンを作れるかもしれないですけど、古典作品での女性の役柄はお姫様か、妖精か、白鳥。または貴族や農民などもありますが、いずれにしても戦う女性は出てこないですね。
男性の場合は、例えば『ロミオとジュリエット』で、キャピュレットとモンタギューが剣を交えるっていうシーンがありますけれども、時代背景的にフェンシングのような型があるような形式的な戦いですね。
他にも、海賊のような猛々しい男性が出てきたり、『白鳥の湖』では王子が悪魔ロットバルトに向かって弓をひいたりしますけど、ドラクエのようにモンスターと戦う作品はないです(笑)
観客の数だけある見どころ
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―公演の見どころを教えていただけますでしょうか。
全部が見どころなんですよね(笑)
例えば、妖精たちが出てくる幻想的なシーンがあるんですけど衣装がすごく綺麗だし、白の勇者の子ども時代を演じる子も出てきて、”ほわん”とするんですよね。
あとは、武器商人が出てくるんですけど、彼だけはゲームでお馴染みのトルネコのデザインのままなんですよ。なので、彼が出てくるだけで喜ぶ人たちもいますね。
それから酒場のシーンがあるんですけど、そこでゲームならではのことをやっていたり、最後の『結婚ワルツ』という曲が堪らないとか、ファンファーレが堪らないとか、色んなところに着眼してくださる方がいるので見どころは随所にあります(笑)。
衣装や装置を一新したことで芸術の完成度が高くなった舞台と、オーケストラの壮大な音楽が重なって、ゲームの世界さながらの迫力あるステージが繰り広げられる、ホール全体の空間を楽しんでいただきたいですね。
チケット販売・問い合わせ先
【チケット販売】
愛媛県県民文化会館
℡ 089-927-4777(平日9:00~17:00)
【問い合わせ先】
公益財団法人スターダンサーズ・バレエ団
℡ 03-3401-2293(平日10:00~18:00)
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