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Career Creation STORY #12:(株)CRAZY 永栄梨紗さん

今回インタビューさせていただいたのは、株式会社CRAZYで結婚式のプロデューサーをしている永栄梨紗(えいよ りさ)さんです。永栄さんは新卒で不動産IT業界に入った後、結婚などを機に仕事に対する考えが変化し現在の会社に転職。オーダーメイドによる“人生が変わるほどの結婚式”を多く生み出してきました。出産を経て、現在はゲストファーストな結婚式場IWAI OMOTESANDOでプロデューサーをされています。

インタビューでは、永栄さんのこれまでの人生や現在のお仕事の話を通して、仕事に対する価値観の変化や大切にしていること、今後の目標についてお伺いしました。


全力で駆け抜けた大学生活

―本日はお忙しい中ありがとうございます。はじめに、どんな大学生活を過ごしていたか教えてください。
地方から上京して寮生活をしていました。両親が教師という影響もあって、私も教職の授業を履修したのですが、卒業に必要な単位は128単位だったのに対し、結果180単位も取るという、学業も結構頑張った大学生活でしたね(笑)。ただ、寮と大学だけの狭い世界にいるのが嫌で、インカレのサークルに入ったり、飲食を中心に様々なアルバイトを経験したりと、自分の世界を広げることも頑張っていました。バイトをする中でいろんな業界で働く社会人を見られたのは、就活の参考にもなりましたね。
サークルは週4ぐらいであったので、今思えば、かなり忙しい日々を送っていたと思います(笑)。

―就職活動はどんな感じでしたか?
実は私、最初は銀行の一般職でいいかなと思っていたんです。
だから、大学選びも「金融関係に強い女子大」っていう目線で選んでいて・・・。でも、就活中に出会ったある会社の社長との出会いがきっかけで、考え方が変わりました。その社長に「30歳でどうしていたい?」と聞かれたんですね。何も答えられなかった私に、「どこに住んでいたい?」「どういう暮らしをしていたい?」と、社長はさらに聞いてくれました。それで出てきた当時の私の回答は、「東京に居たい」「結婚していたとしても相手に依存せず、自分の力で生きていきたい」だったんです。

―「自分の力で生きていきたい」、すごく共感します!
ほんと、この自分の気持ちに気付けてよかったなと思っています。そこからは、東京で暮らせるだけの給料が欲しかったので総合職に切り替えました。あとは、若いうちから裁量を持てる成果重視の会社がいいなと思ったので、ベンチャー企業を見るようにしていましたね。最終的に、私に先程の問いを投げてくれた社長の会社を選びました。

原点に立ち返って考えたこと

―転職のきっかけを教えてください。
幼少期から15年間お世話になったモダンバレエの恩師の追悼公演に行ったことが、きっかけの一つです。そのパンフレットに書かれてあった恩師の言葉、「チャレンジしないものに敗北はあっても勝利はない」「逃げの人生は苦しい、向かう人生は楽しい」等を見たとき、人生の大半の時間を使う仕事に対して、これでよかったのかな?と思い始めました。惰性で働いていたわけではないのですが、結局のところ自分は“お金のため”に働いていたことに気付いたんです。

―私達、大学生にも考えさせられる言葉ばかりです・・・!
また、帰省して父親と一緒にお酒を飲んでいる時、とても楽しそうに、そして誇らしげに仕事の話をしてくれたんです。教師である父親のそんな姿を見て、果たして自分は、自分の子供に同じように語れるのだろうか?と考え、今の状態じゃできないなと思ってしまいました。ちょうど結婚したタイミングでもあったので、“お金のため”という以上に「子供に誇れる仕事をしたい!」と考えるようになったのは、私にとって大きな変化でしたね。

―そこからなぜ、結婚式のプロデューサーに?
正直、結婚式のプロデューサーでなくても良かったんです。でも、転職するなら入ってみたい会社がありました。それが、今のCRAZYです。創業者の山川 咲とは、彼女がとある会社の採用担当をしていたこともあり就活中に出会っていたのですが、その当時から本気で真っ直ぐ生きていて、ずっと気になる存在ではありました。創業理念を含め、全社員で世界一周旅行をしたり、完全オーダーメイドの結婚式を作ったりと、斬新でユニークなところが私にとって新鮮だったんです。
また、モダンバレエでの経験とも重なりましたね。舞台に立って表現することで感動してくれる人がいて、自分の心も動く。追悼公演で思い出したあの感情は、私にとってとても大事な要素だと思いました。結婚式のプロデューサーも、まさに心が動く瞬間を創る仕事です。「行くなら今しかない」と奮い立ち、創業者の山川に「あなたと一緒に仕事がしたい」と手紙を書いて入社しました。

“心が動く瞬間”をサポートする

―仕事をする中でやりがいや幸せを感じるときはどんなときですか。
やっぱり結婚式本番が集大成です。カップルの2人と積み重ね、深めてきたものがここで実現する。緊張もするけど、予想外のことも含めいろんな化学反応が起こることに、毎回幸せを感じます。また、準備を進める過程でカップル2人が改めてお互いの気持ちを再確認したり、親子の間でも伝えられていなかった想いを伝え合ったりしやすいようにアプローチしています。人と人との繋がりがより深くなる瞬間、心が動く瞬間を創るサポートができることは私にとってのやりがいですね。

―これまでの結婚式の中で、特に印象に残っているものなどはありますか。
どれも印象深くて選べないのですが(笑)。最近だと、“親子の関係”が印象に残っています。私たちは、ゲストとの繋がりを大事にしていて、結婚する2人からゲスト全員に向けて手紙を書いてもらうことにしているんです。
ある新婦さんは、パン屋のバイトをしながら声優をやっていて、その不安定さに親不孝者だと申し訳なく思っていたそうです。結婚式では、新婦さんの心の内が全て書かれた手紙をお父さんが泣きながら読んでいて・・・。お父さんはそんなこと気にせず好きなことをして欲しいと思っていたんです。今までお互いに言えなかった本音を伝えられる場を提供できたことはとても嬉しいですね。これもやりがいというか、幸せに感じることです。

―とても感動的な話ですね…!
こういった“心が動く瞬間”が毎週のように起こるんですよ。私は、もし明日死ぬとしたときに伝えないと後悔することを手紙に書いて欲しいと思っているので、どれだけ2人が自分の心を開示してくれるかを大事にしています。結婚式がそれぞれの気持ちを伝え合うオープンな場になっていく。それが結婚式をやる意味かなと考えています。

―永栄さんが仕事をする上で大切にしていることや、自分の中のモットーなどはありますか。
2人にオープンになってもらうために、私自身もオープンでいることです。そのために、私も自分のことを振り返り続けること人間性を磨き続けることを意識しています。また、問い続けることも大切にしています。カップルの2人に対して、どうやったら良いアプローチができるか?等を、メンバーと一緒に日々考えていますね。

“夢”より“目標”

―永栄さんの今後の夢があれば教えてください。
夢ってないんですよね。というのも、「これがしたい!」と思った瞬間に目標になって逆算し始めちゃうんです(笑)。思ったときに行動しないのはそれほど願っていないことだと捉えています。

―なるほど!では、これからの目標などはありますか?
自分の可能性や選択肢は増やしておきたいですね。子育てと両立しつつですが、一回海外移住して、英語力を鍛えにいきたいですね。他にも、今とは全く違うキャリアを歩むのも面白いかな。おばあちゃんのプロデューサーって見たことないですよね(笑)。ニーズがなければ仕事にならないので、結婚式のプロデューサーはとても素敵な仕事ですが、この仕事にしがみつく必要もないなって思っています。
現在、副業で女性のエンジニアを育てるプログラミングスクールをお手伝いしているのですが、どんどん自身の人生を切り拓いていく生徒さんを見ながら、自分自身もエンジニアは良い選択肢かもしれないと思うようになりました。まだまだ今の仕事を離れる気はないですが!

「働く」は心を豊かにしてくれる

―改めて、永栄さんにとって「働く」とはなんですか?
働くことは、生きることです。人生の大半を「働く」に使うし、いろんな感情を味わえるので、心を豊かにしてくれるものとも言えますね。お金のために働いていた頃もちゃんと生活はしていましたが、本気のメンバー達と一緒に、自分にとって大事な要素である「心が動く瞬間」を体験できている今の方が“生きている”感じがします。CRAZYでの仕事は「愛」に触れることなので、カップル間の愛、親子間の愛などを、当人たちに強く感じてもらうために自分の人間力も深めていける、心がより豊かになるものだと思います。

―最後に、学生に一言メッセージをお願いします。
どんな人生もあなたのオリジナルのもの。周りと比べなくたって大丈夫です。自分は何のために働くのか?、やりたいことがある、住みたい場所がある、一緒に働きたい人がいる、一度じっくり自分と向き合って考えてみてもいいのかもしれません。どんな答えでも自分のことを信じてあげて欲しいなと思います。

インタビュー後記

結婚式のプロデューサーという仕事に全力で取り組む姿、そして、私に対しても、とてもオープンに色々お話してくださる姿が、とても印象的でした。「どんな人生もあなたのオリジナルのもの」という言葉には、なんだか救われた気がします。やりたいこと、興味のあることにどんどん挑戦する中で、自分と向き合い、自分の心の声を聞いて、自分を信じるようにしていきたいです。
永栄さん、今回はお忙しい中お時間をいただき、本当にありがとうございました!
(インタビュアー:ECCL修了生 大学2年 鈴木彩奈)


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