Career Creation STORY #5:(株)LITALICO 栁瀬歩美さん
今回インタビューをさせていただいたのは、株式会社LITALICOのLITALICOジュニアで教室開設・運営サポートグループのマネージャーとヒューマンリソースグループを兼務している栁瀬歩美(やなせ あゆみ)さんです。栁瀬さんは新卒でLITALICOに入社後、LITALICOジュニアで指導員、教室長、マネージャーを経験され、現在は教室運営のサポート、新規開設教室バックアップ、新卒採用、管理職の育成まで幅広く携わっていらっしゃいます。
今回は、学生時代のお話だけでなく現在のお仕事や、仕事の中で大切にされていること等についてお話いただき、栁瀬さんがどのような価値観のもと働いているのかについてお伺いしました。
課外活動に熱中した学生時代―福祉の現状を変えていきたいという想い―
―学生時代についてお伺いします。学生時代にはどのような活動をされていたのですか?
大学生時代は時間があったので、NPOの活動に関わったり好きな活動をしたりしていました。大学が福祉の学部で公立なのもあって実習が多く、8カ所ぐらい実習に行かせてもらいましたし、海外ボランティアにも行きましたね。
―そのような福祉の実習や海外ボランティアといった活動を通して、どのようなことを感じるようになりましたか?
福祉の実習や活動をしていく中で、現場のリアルな大変さや実情を目の当たりにしてモヤモヤした気持ちがあったんです。事業としてはいいことをしていて働く人も素敵な人が多いのに、現場に余裕がなかったり、どう動くのがいいか分からないということもあって、変えたいと思った現状を変えることへの難易度が高いように感じることがありました。そんなところを見て、就職は福祉の現場を考えつつも「前向きに働いていけるかな」という不安を持っていました。
また、海外ボランティアを経験したときに、海外の実情を見る一方で日本の福祉に関する課題を感じました。カンボジアに行ったときも、「みんな幸せそうだな」、「明るく生きている人が多いな」と思ったのですが、一方で自分が関わっていたホームレス支援を見たときに、問題の背景には「障害」やそれをサポートする周りの環境がないことがありました。そのような経験から日本の福祉に課題を感じるようになって、「福祉の現状を変えていきたい」と感じるようになりましたね。
また、障害のあるお子さんと健常者のお子さんが関わる統合キャンプを作るNPOに所属していたのですが、手のないお子さんと手を繋ぐタイミングで自然に肩を組むお子さんを見て、お互いに理解しあい、受け入れる環境があることで障害を持っている人のコミュニティの選択肢は広がるのではないかと感じました。それらの経験から、「貧困分野」や「障害分野」に関わっていきたいと思うようになりました。
偶然出会った実現したいことを叶えられる場所
―どうして今のお仕事に興味を持たれるようになったのですか?
「福祉」には高校時代から興味があって、大学も福祉について学べる学部を選びました。「福祉」という1本の軸はあって、当初は社会福祉法人などの高齢者施設や障がい者施設で支援に携わる働き方が自分には合っていると思っていたんです。
ただ、大学の先生に「会社を受けて面接の練習をしたら良いんじゃないか」と言われたことや、周りの学生が一番受けていたことを知って、LITALICOに足を運んでみました。そしたら、説明会で衝撃を受けて、「この会社に入りたい!」と思ってしまったんです(笑)。というのも、LITALICOには「福祉業界をよくしていきたい!」という想いを強く持っている人が本当に多くて・・・。このとき、同志の人に初めて出会えたと感じました!その想いもただ言っているだけでなく、本当に形にしようと動いている人が多いことから、スピーディーに福祉業界の変革ができると思ったことが入社のきっかけです。
仕事のやりがい―過去の経験を活かす―
―現在のお仕事の「やりがい」はなんですか?
現在の仕事で言うと、現場の大変さをサポートできることですね。現在は教室のバックアップを主にしていて、過去の指導員や教室長の経験活かして、それぞれの教室に合うようなオペレーションを設計しています。これはプレッシャーでありつつもやりがいに繋がっています。もともと私は指導員からスタートしているので、その経験をもとに現場の大変さをサポートできることにとてもやりがいを感じます。また、現場のサポートが最終的にはお子さんのサポートに繋がっているんだなと感じていて、ここのやりがいもすごく大きいのかなと思っています。
―以前されていたエリアマネージャーのお仕事の「やりがい」もお聞きしてもいいですか?
エリアマネージャーの仕事もすごく楽しかったです。私は結構教室にいるのが好きで1日2教室ぐらい回っていたんですが、教室はその中のメンバーによって「色」が出るんですよね。どういうメンバーがいて、どういう相互作用を起こしているのかによって「色」が変わるんです。なのでその「色」をより良くしていくことがやりがいでした。働く人が楽しく働いているとお子さんや親御さんに良い支援ができるんです。だから私は、働く人がどのような働き方をしたいかを知り、それを一緒に実現していくことを大切にしていて・・・。具体的にはスタッフと話して、働いている人の思いや状態を知って教室を一緒に作っていくようにしていました。
「働く人を大切にすること」を大事にしていきたい
―日々のお仕事の中で大切にされていることはなんですか?
まずは「一緒に働く人を大切にすること」をすごく大事にしています。周りの人たちがどういう人なのかを知り、自分らしく楽しく働けるような関わりをすることを大切にしています。LITALICOには多様な人たちが働いています。一人ひとりの個性を受容することを意識しているのですが、受容するためには自分自身が強くないとできないとも感じているので、「強く優しい人」でありたいとずっと思っています。立場上、組織と接することが多くなってしまっているのですが、何か大きな意思決定をするときには「保護者や、お子さんにとってどうなんだっけ?」ということも意識的に自分の中で問うようにしています。
―意識的に問うようになったきっかけってありますか?
入社してから数年間、立場が変化していったこともあり「自分がどうありたいのか、会社としてどうありたいのか?」を良く考えていたんです。ただある時、パートナーに「会社がどうあるかの話はよくするけど、お客さんがその中でどうあるかの話はあまりしないよね。」という指摘をもらったことがありました。この言葉に自分自身ハッとしたのがきっかけですね。
またLITALICOの事業はお子さんに関わるものになるのですが、発達に障がいのあるお子さんが自分の気持ちを言葉で表せないことがあって、お子さんの意思が親御さんに寄っていってしまうことがあるんですね。なので支援の中心にいるべきはお子さんだと感じるようになったのは、そういった支援者としての経験から来ていると思います。
困っている人の役に立ちたい
―誰のためにどんな仕事で役立ちたいと思って仕事をされていますか?
生きていく中でどこか生きづらさを感じていて、誰かのサポートが必要、誰かに助けてほしいといった人たちのために役立ちたいと思っています。ここはあまり以前から変わっていない価値観だと思いますね。今は、「社員を幸せにしよう」という気持ちも持って仕事に臨んでいますが、その先にいる困っている人を助けることに繋がっていると信じています。
将来のキャリアビション
―最後に、今後のキャリアビジョンについてお聞きしたいです!
現場に関わりたいと思っています。組織が変化すればもっといい支援ができる可能性がある場所に入って、その組織自体をよくしていくこともやってみたいなと思います。また、学生時代から関心のあった貧困分野の支援にもいつかは関わりたいなとも思っています。加えて、周りの人を大切にしながら生きていきたいなとも思っているので、それはブレずにいきたいですね。やっぱり半分管理職のような立場になってしまったので現場に戻りたい気持ちがじわじわ出てきています(笑)。
インタビュー後記
学生時代から精力的に活動され、やりたいこと・興味のあることを大切にしてキャリアを歩んでこられた栁瀬さんのお話を聞き、インタビュー中から、想いの強さやパワーに圧倒されました。そのパワフルさは、行動によって見つけた本当にやりたいことに携わっているからこそ生まれるのかもしれないと感じています。
僕自身、現在大学2年生ですが、この時期に、強い想いを持ってお仕事をされている方のお話を聞けたことは本当に貴重な経験になりました。お忙しい中お時間をいただき、本当にありがとうございました!
(インタビュアー:ECCL修了生 大学2年 中村祐貴)
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