”小児はり”は効果なしって本当!?つくばのママ鍼灸師が真実をぶっちゃけます!
「小児はり」は、子どもに対するはり治療として知られていますが、「効果がないのでは?」という声も多く聞かれます。実際に、 小児はりが決してメジャーとは言えないつくば近辺で、我が子に小児はりを受けさせるにあたっては、不安や疑問を抱えている方も少なくないと思います。
この記事では、小児はりの現状や、実際に施術を受ける際の注意点などをママ鍼灸師の視点から解説します!
1) 小児はりの効果の実際
小児はりは、皮膚を優しく刺激することで、自律神経を整えたり、免疫力を向上させたりすることが期待できる「はり」の施術方法。低刺激で安全に行えるので、赤ちゃんから受けることができます。
小児はりがどんなものなのかはこちら↓の記事もご参考にしてくださいね。
実は、WHO(世界保健機関)でも、はりきゅうは、小児神経症(夜泣き、キーキー声などの”カンの虫”)、小児喘息、アレルギー性湿疹、夜尿症に効果的と認められています。なかでも、夜泣きは、5回までの施術で90%以上の方が改善したという研究結果もあります。最近では、アトピー性皮膚炎などの改善に小児はりを用いる小児科や皮膚科クリニックも出てきているんです。
また、特に困った症状がなくても、小児はりを受ける習慣があると、風邪をひきにくい、機嫌が良いなどの効果を感じる方も多く、定期的に受鍼されるご家庭もいらっしゃいますよ。
2) 「小児はりは効果がない」と思われる理由
こんなふうに世界的に見ても認知度が上がり、効果を認められてきている小児はり。なのに、なぜ効果がないと思われるのか?その理由をいくつか挙げてみました。
①1回で改善するとは限らない
気になる症状がある場合、1回で高い効果を感じるケースもたくさんありますが、
基本的には、担当鍼灸師の治療計画通りに施術を受ける必要があります。例えば、最初のうちは2,3日ごとに施術を受け、その後症状が改善し体調が安定してきたら、1週間後→2週間後…と、徐々に期間を空けて様子を見、症状改善を目指すのが一般的な治療計画です。症状によっては、数ヶ月以上かかることもあります。
はりきゅうで自律神経を整え、自然治癒力を上がってくることで、少しずつ体が良い状態に向いていきます。最初は1、2日しか効果が続かなかったものも、続けるうちに効果が長続きするようになり、次第に症状が気にならなくなる、ホームケアで対処できるようになる、という流れです。
特に、小さな子どもは肌が繊細で感受性が高いので、一度にガッツリ施術するのは逆効果になることも。
逆に、1回で改善したからといって、その後小児はりを受けなくなるとすぐに元の状態に戻ってしまうこともあります。
②治療計画がない、計画通りに施術を受けていない
治療計画とは、症状を改善するために、こんなことをやって、これくらいの時間がかかりますよ、という「見立て」です。東洋医学では、採血や唾液、ウイルスの検査などはしませんが、日頃の生活や、肌の色、表情、お腹、舌など全身の状態から、どのように施術すればより効果が出るかを判断しています。1、2回で改善するとは限らないので、初診時には鍼灸師から①に述べたような治療計画が提示されることと思います。
例えば、「お泊まり保育までにおねしょの心配をなくしてあげたい」「発表会を頑張らせてあげたい」など、期限付きの目標があって小児はりを受けたい場合は、数ヶ月前から相談されると良いでしょう。慢性的にお困りごとがある場合は「○○を改善したいのですが、どれくらいかかりますか?」と問診の際に聞いてみるのも良いですよ。わからないことがあったり、計画通りに進められないなと思ったときには、気軽に相談してみてくださいね。
③はりの刺激が強すぎる
小児はりの施術は短時間で済みますが、少し長くやりすぎたり、刺激が強かったりすると、効果が見られないということがあります。小児の施術は、皮膚が柔らかく感受性が高いので、鍼灸師にとっても繊細な技術が必要です。関西は小児はりの本場だけあって、多くの鍼灸師、鍼灸院でも当たり前に小児はりを提供していますが、つくばなど関東周辺では少ないのが現状です。「小児はりができますよ」と標榜している鍼灸師は小児に対応できるスペシャルな技術を身につけていますので、そういったところに相談されることをオススメします。
④適応症でない
一般に、はりきゅうは、器質的疾患(骨折、がん、梗塞など、病が内臓のどこにありどんな病変が起きているかを特定できるもの)より機能的疾患(検査をしても正常だが頭痛、腹痛など症状があるもの)が得意で、それは小児はりにおいても同じです。
具体的には、夜泣き、かんしゃく、便秘や下痢、皮膚炎、ミルクの吐き戻しが多い、などが小児はりの適応症として有名です。おねしょやチック、食欲不振、いつも落ち着きがないなど様々な「ちょっと困った」症状も適応になります。
例えば、昨今は発達障害のお悩みが増えていますが、発達障害そのものが小児はりで改善する、というよりは、発達障害の原因となっている感覚過敏等が落ち着くことで、困った症状が和らいでその子の良い特徴が見えてくる、と捉えると良いかと思います。
どういう疾患や症状が対象になるのか、そして、保護者の方が小児はりに何を期待しているのか、担当の鍼灸師に、ざっくばらんにお話ししてみてくださいね。
※がんや難病でも、その原因を手術や化学療法等で直接取り除くことはできませんが、その病に伴う痛みや不快感の緩和などを目的としたケアには、はりきゅうはとても有効で、はりきゅうを取り入れている緩和ケア病棟も多くあります。
まとめ
この記事では、小児はりが効果がないと思われてしまう理由を挙げてみました。
こんな症状に小児はりをするとどうかな?うちの子のこの症状だとどれくらい通ったらいい?などご相談だけでも大丈夫です。下の公式LINEからお気軽にご相談くださいね。