Shopify #064 話題の本を読んでみる チャプター3
さて、いよいよ実際の運用廻りの確認作業とフロント周りと売上だけが注目されがちですが、実はバックエンドの作りこみで売上が上がってきた際に大きな差がでます。そして場合によっては組みなおしという最悪のパターンが出てきますので、フロント以上にShopifyとつなぐ各システムを慎重にエキスパートパートナーと組み上げる必要があると感じました。
ここでも、マーチャントがどのように運用したいか!という事をはっきりと定めておかないと、中途半端な仕組みになる可能性が高いです。こんなはずじゃなかったという事の無いようにしたいです。
チャプター3の著者、コマースメディアの井澤さんとはすごく考え方が似ていて大好きはエバンジェリストの一人で大事なことをさらりと伝えています。サラリと言い過ぎてかえって伝わらないのかも(笑)コンサルから運用までをこなしているので、自己案件を数多く経験したがゆえに的確で将来の売上を見越したバックエンドを組めるのではないかと思っています。
それでは例によって、チャプター3で気になったところをピックアップしたいと思います。
全体像を把握する
EC担当者は意外と自分の領域以外知らない人が多いのではないでしょうか?私はとにかく一人でやらなくてはいけなかったので、情シスや物流センターに何度も電話したり、時には実際に物流センターに足を運び実際の作業を自分で行ってみたりして、どのように進めればボトルネックなくセクション24(P111)の図の通りに流れていくのか?を考え検討し提案して今の仕組み(アウトレットストア)にしました。
この全体像を知ると知らないとでは大きく変わります。支援会社さんが知る由もなく皆さん担当者がしっかりと理解しておく必要があります。
私の場合、上記のように事あれば物流センターに顔を出しては一緒に作業をするので、新しいことへの提案にあまり抵抗されません。自社物流という事もありますが、チャプター2のチームビルディングそのもので、ECを支える縁の下の力持ちです。
WMS+OMS (Order Management System)
OMSの導入は、自社ドメイン(shopify)に加えて楽天市場・ヤフーshopping・アマゾン・その他モールの注文と在庫と一部商品ページを一元管理することが出来ます。いろんなサービス名が著書の中で紹介されていますので、自社に合うものを選んでいただければと思います。
この構築日記内にて紹介しております、ロジレスは私のやりたいことを解消してくれるシステムで、タイトル通りWMS+OMSの機能を持ち合わせています。この仕組みをかなり前からゴリゴリ使われていて、ツイッターでも何回か仕組みを紹介されていました。それ以来、ロジレスもスコープに入り最終的には採用となりました。
有名どころのOMSとの違いは、物流からみたOMSといえば分かりやすいでしょうか?ページの編集は出来ませんが、shopifyを含めた各モールの注文に問題がなければ、そのまま出荷待ちまでステータスが変わります。また、その際にロジレス側からメールの配信が可能なため、楽天市場ではデフォルトとなっている、ショップから受付完了メールが配信できます。
良いところばかりではありません。各サイトへのページ編集機能はありませんので、頻繁にイベントのある楽天市場などはタイトルの入れ替え(書き換え)が多く変更を都度するのであれば、ロジレスは向いていません。CSV一括で変更すれば良いと言われればそれまでですが、事業者によってどちらの運用負荷を減らすほうが良いのか?を検討したうえでOMSを選択しましょう。簡単に入れ替えとかできない=出来るけど結構な手間がかかる。
SEO対策のポイント
ここもぬかりないですね。まずサイトをオープン=無人島や砂漠の真ん中に店を出すと同意なので、皆さんに知ってもらう必要があります。既知でそんなことをする必要がないブランドさんもありますがほぼ無人島です。
Shopifyの強みは商品一つ一つにタイトルとディスクリプションの編集が可能です。これはしっかりと面倒でも全商品を書き換えることをお勧めします。私は500品番ほどの登録でしたが、すべて書き換えました。おかげさまで『アウトレットストア』というキーワードでは、3~6位をうろうろしています。ほぼ1か月くらいでこのポジションにつきましたのでお勧めではなく必ずやりましょう。
意外と見落としがちな決済処理や会計
さすが運用の神様井澤様ですね。決済処理のタイミングによって入金時期が変わる、そして会計処理のことをしっかりと話されているのは、経営者であり運用担当者も必ずP/Lを意識しろ!と言い続けている方なのです。
売上だけがフューチャーされがちですが、現金を回収して初めてひとつの注文が完了します。これを意識しておかないと、無駄なお金が純利益から湯水のように出ていくことになります。
例えば、代金引換の受け取り拒否。私は2021年から代金引換の取り扱いをやめました。前年にスーツケース5本を代金引き換えで熊本に送りましたが受け取り拒否。エリア的に横持が発生していて、往復で4万円ほどかかりました。これを機にPaidyに変更いたしました。
最後に
Shopifyをベースに運用のことが書かれていますが、ECと置き換えても十分に通用する内容かと思います。このチャプター3だけをスピンアウトしてもいいくらいなのですが、他のチャプターを入れるとこの内容までがギリギリ削れるところでは無かったのではないでしょうか?と想像しています。
おそらくこれ詰めていくと普通にEコマース運用大全としても行ける。
<井澤さん本書いてください!
全項目ピックアップしたかったですが、その中でもこれはというものを選びました。もちろん物流やアプリ・カスタマーサービスなども運用には大事です。こんな内容知っていると済ますのではなく、自社の仕組みとどこが違っている?などと比べてみるのも楽しいと思います。
全体像の把握の部分は、あまり詳しくない上長や経営層に抜き出して回覧するのも良いかもしれませんね。
EC担当者の皆さん、頑張っていきましょう!
廻らない鮨を食べたいなぁ😅